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【指導計画】5年国語 立場を決めて話し合おう

2019/6/18

国立教育政策研究所教育課程調査官の監修による、教科指導のアイディアと授業のヒントをまとめた指導計画例です。次時の授業にお役立てください。

教材名/「意見こうかん会」をしよう(教育出版5年上)
領域/話すこと・聞くこと

執 筆/沖縄県那覇市立城南小学校教諭・下地達也
編集委員/国立教育政策研究所 教育課程調査官・菊池英慈、那覇教育事務所指導主事・上里 亮

話合い活動
イラスト/小沢ヨマ

単元で付けたい資質・能力

①言語活動とその特徴

本単元では、「立場を決めて話し合う」という言語活動を位置付けます。対立する二つの事柄のそれぞれの立場から、個人やグループで調べたことやまとめたことを根拠に話合いを行います。話合いの目的を明確にし、それぞれの考えの違いをはっきりさせ、意見交換会を行うことで、自分の考えを広げたり深めたりしていきます。教材文においては、「ニュースを読むなら、新聞のニュースがよいか、インターネットのニュースがよいか」を話題にして意見を交換し合います。
担当グループ以外でも司会者や記録の役割を果たしたり、聞き手としてそれぞれのグループのよさを述べたりし、学級全体でよりよい話合いに向けた取組を行います。

②言語活動を通して付ける資質・能力

立場を決めて話合いを行いながら、さまざまな意見を聞いて自分の考えを広げる力を育成します。

③指導のポイント

・教科書にある「意見こうかん会」の進め方、その準備、意見交換の発言の様子等を参考にしながら、見通しを持った主体的な活動を促します。

・知識や情報の関連付けをしたり、分類したり、認識を深めたり、話し方・
聞き方について工夫したりすることができるようにします。

指導事項:Aイエオ 言語活動:イ

単元の展開(7時間扱い)

単元の展開(7時間扱い)
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【アイディア❶】子供の興味関心を引き出す工夫をしよう

本時の学習(第2時間目)では、前時に行った「単元全体の見通しを持たせる」学習を振り返りながら、身近な問題からグループの題材を決定させます。その際に、子供の「学校生活における諸問題」や「日常生活における諸問題」等を踏まえながら課題作りを行わせます。そうすることで、子供の「意見こうかん会」への興味関心が高まっていくと考えられます。

身近な題材を決めるとき、子供たちに迷いや揺れが生まれながらも、最後には自分の判断で自分の考えをつくっていける題材がよいでしょう。答えを選んだ理由について、多様な考えが出るものがよいですね。学級や地域の実態に応じて、題材を考えてみましょう。

【日常生活例】

・お礼を言うなら、「電話」がよいか、「手紙」がよいか。
・キャンプへ行くなら、「海」がよいか、「山」がよいか。
・朝ごはんを食べるなら、「お米」がよいか、「パン」がよいか。
・家族で行くなら、「動物園」がよいか、「水族館」がよいか。
・兄弟は、「年上」がよいか、「年下」がよいか。
・物語を楽しむなら、「映像」がよいか、「本」がよいか。

【学校生活】

・昼食をとるなら、「学校給食」がよいか、「弁当」がよいか。
・校外活動で持っていくなら、「水とう」がよいか、「ペットボトル」がよいか。
・学校で使うなら、「えんぴつ」がよいか、「シャープペンシル」がよいか。
・夏休みの宿題は、「自分で決める」がよいか、「学校にまかせる」がよいか。
・教室の席は、「自由」がよいか、「固定」がよいか。

『題材探しの発想を広げる活動を工夫してみよう。』
イメージマップ、ウェビング、マインドマップ、ブレーンストーミング、KJ法等の名前で呼ばれている方法等が題材探しに役立ちます。課題から考え付くことを自由に短い言葉で拳げていきながら、関連する言葉をつなげていくものです。出された言葉を、種類分けしたり関連付けしたりしていくことは、子供たちの思考を広げるのに効果的です。

【主体的な学び】

国語「意見こうかん会の進め方」板書例
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学校給食より弁当のほうが、自分の好きな料理で自分に合った量で食べられるし、いいかもしれないな。でも、温かい学校給食もいいな。

毎日のことだから、栄養バランスの取れた温かい学校給食のほうが長い目で考えたときはよいだろうな。学校給食に決めよう。

ぼくは、学校給食がよいと思います。理由は、栄養バランスの取れた温かい学校給食のほうが体によいと思うからです。

質問や反論をされることで、学校給食について考えるよいきっかけになりました。また、「意見こうかん会」をしてみたいです。

『①探求型学習にする。』
探求型の授業は、すぐに答えが見付かる授業とは違い、子供たちの考えの違いを大切にしなければいけません。正答に近付いていく過程の中で、多様な見方があることに気付いたり新たな発見が生まれたりします。

『②自分の考えを明確に持たせる。』
子供を主体的に学習に向かわせるには、一人ひとりに自分の考えを持たせることが大切です。そこで、交流や話合いの前には、必ず個人の考えを持たせる時間を設定しましょう。その際に、考えるポイントを板書したり、根拠や理由を考えさせたりすることで交流や話合いが活発化し、子供が自分の考えを広げることにつながります。

【アイディア❷】同じ立場同士で意見を交流しよう

「意見こうかんカード」にグループの考えを整理し、まとめることで「意見こうかん会」が活発になります。そのためにも、事前に題材についての長所や短所をグループで話し合って共有することが必要です。

●学校給食の立場の例

国語「意見こうかん会」板書例
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【対話的な学び】

対応策は相手の予想される質問や反論に対する答えとして使おう!

短所は相手のグループから質問、反論されそうだな。

長所はグループの意見として使えそうね。

意見交流が終わったら、「意見こうかんカード」に記入させる。

以下のことを踏まえて「意見こうかんカード」に記入させましょう!

【意見こうかんカード例】

意見こうかんカード例
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『①共感的な立場に立つ。』
グループ内で「意見こうかん会」に向けて準備している際、子供同士が話合いを行っていますが、よりよく進めるためにも教師の言葉がけが大切です。ノートに自分の考えが書かれている場合や、ペアやグループで話し合っている場面において、「なるほど」「いい考えだね」などと共感の態度を教師が示すことで、子供たちに「共感的な態度に立つ」ことの大切さを捉えさせます。

『②根拠や理由の明確化。』
話合いの内容をより豊かにするためにも、言葉がけが必要です。「なぜ、そのように考えたの?」「どこからそのように考えたの?」などと、根拠や理由を明確にするような働きかけが大切です。

【アイディア❸】「意見こうかん会」において、考えを広げる工夫をしよう

題材に対してどのような考えを持っているのか互いの立場を明確にし、立場が対立的な関係にある場合においても、異なる立場からの考えを聞き、意見の基となる理由を尋ね合うことで、自分の考えを深めたり広げたりすることが大切です。そのために、子供たちが交流活動を行うに場面においては、教師側が本時のねらいや話合いの視点を明確にして指導に当たることが重要です。

伝えたいことを適切に相手に伝える際には、接続語を効果的に使うと相手に伝わりやすくなります。なぜなら、接続語は話の方向性を決めるからです。聞き手は接続語の登場によって、文章がどの方向へ向かうかを知ります。子供たちに接続語を紹介し、「意見こうかん会」で実践させましょう。

接続後の活用
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学校給食は、みんなで同じメニューを食べることができる。それに対して、弁当はそれぞれ違うけれど、それについてはどう思いますか。

弁当は、栄養バランスを考えて毎日家庭で作ることは難しいと思います。だから、栄養士の方にメニューを考えもらうほうがよいのではないでしょうか。

毎日安心して給食を食べられる環境は、学校生活を6年間過ごす中で健康や成長によいのではないかと考えます。ですから、私たちのグループは、給食を食べるなら、「学校給食」のほうがよいと思います。

【相手に伝わる言葉の使い方】
「例えば」… 考え方の例や事例を示す場合
「もしも」… 仮定して、これまでの話には出ていない着眼点や状況を引き合いにする場合
「でも」…… 示された考え方に対して、別の角度から、検討したり、批判したりする場合

その他にも複数の情報を比べる場合「~は~より…です。」「~は~に比べて…です。」や原因と結果の関係について述べる場合「~が~すると…です。」「~になった原因を考えてみると…です。」などの表現も、思考に関わる語句として新指導要領国語科解説に述べられています。

【深い学び】

【活動の振り返りをしよう】
①自分の考えを理由や根拠を挙げて話すことができたか。
②友達の考えをしっかり聞くことができたか。
③相手の質問や反論を予想して、準備することができたか。
④相手の意見を聞きながら、自分の考えと比べたり、関係付けたりすることができたか。
⑤さまざまな意見を聞き、自分の考えを深めたり、広げたりすることができたか。
以上の5つを参考に振り返り、学んだことをまとめましょう。

学びの振り返りを行うことは、子供たちが身に付けたことを確認したり、自分の現状を捉えたりして、次の学習への意欲付けにもつながります。「深い学び」「主体的な学び」につなげるためにも、単元の振り返りまできちんと行いましょう。

教育課程調査官からのアドバイス

国立教育政策研究所 教育課程調査官 菊池英慈

ポイント① 論題に適したものを選ばせよう!

話合いには、さまざまな立場から考えを述べ合い、考えを広げたりより確かなものにしたりする討論と、話題についてさまざまな視点から検討して、結論を一つに絞り込んでいく協議とがあります。本事例では、対立する二つの事柄のそれぞれの立場から、調べたことやまとめたことを根拠に話し合う討論が位置付けられています。論題を決定する際には、子供が思いついたもの中から、対立する二つ
の立場が明確なもの、客観的根拠を示しやすいもの、感情移入がないもの、子供が興味・関心がもてるものなどに配慮していくとよいでしょう。

ポイント② 説得力のある主張とするために、根拠や理由を吟味しよう!

説得力ある意見を述べるには、自分の考えの支えとなる根拠や理由を明確にする必要があります。そのためには、アイディア②にあるように、同じ立場同士のグループで協力して取材したり質問や反論を想定してその答えを準備したりすることが効果的です。写真や資料、アンケート結果などを用意すると、主張の裏付けとなります。また、高学年では、伝えたいことが明確に伝わるように話の構成を工夫することが大切です。その際には、アイディア③にあるような接続語を使ったり、説明する根拠や理由の順番を考えたりするようにしましょう。

『小五教育技術』2018年7/8月号より

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