小4算数「小数のかけ算とわり算」指導アイデア
執筆/新潟県公立小学校教諭・井畑悟
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、新潟県公立小学校校長・遠藤昇
目次
本時のねらい
本時1/2時
小数を整数に直す考え方を使って、小数のかけ算を計算することができる。
評価規準
小数のかけ算を整数に直してから計算することができる。
問題
□Lずつ入っているジュースが3本あります。ジュースは全部で何Lありますか。
・問題文に□を入れることによって、どんな数が入るのか子供たちに興味をもたせます。
・簡単にできそうな数から示し、だんだん難しくしていきます。
□が1Lだったらどうですか。
1L×3本で3Lです。
それでは、□が2Lだったらどうでしょう。
2L×3本だから6Lです。
では、□が1.2Lだったら?
えっ、小数!
式は1.2×3だけど、小数でかけ算できるかな。
学習のねらい
小数のかけ算は、どのように計算すればよいかな。
見通し
3Lよりは多くて、6Lよりは少なくなる。
1.2は 0.1が12個あると考えればいいかな。
1.2Lは12dLと同じ量だった。小数が整数になると考えやすい。
自力解決の様子
A つまずいている子
かけ算をしたあと、小数点をどこに付ければよいのか分からない。
B 素朴に解いている子
1.2が3つあるから、
1.2+1.2+1.2=3.6
累加の考え方で答えを求めてはいるが、乗法の考え方ではない。
C ねらい通り解いている子
1.2Lは12dL だから、
12 ×3= 36
36dL=3.6L
LをdLに直して計算している。
学び合いの計画
Aの子供(つまずいている子供)の困り感に寄り添うために、この問題の難しいポイントをクラスで話し合って焦点化します。「小数のままだと、かけ算をしても小数点をどこに付けるか分からない」ことを明確にして、小数点をなくして計算できる方法をグループで検討させます。
イラスト/横井智美
『教育技術 小三小四』2021年1月号より