子供とのコミュニケーションで学級づくり【登校時・朝の会】

クラスが乱れがちな11月。今年度の後半を子供たちと楽しく過ごすために、クラスを落ち着かせる「子供との関わり方」について考えます。ここでは、登校時と朝の会でのポイントについて解説します。

お話しを伺ったのは…
神奈川県公立小学校校長・小嶋千里
千葉県公立小学校教諭・飯村友和
岐阜県公立小学校教諭 杉本大昂

子供とのコミュニケーションで学級づくり

子供たちの様子を見るポイントと留意点

  • 朝の支度の様子
    (これまでのように時間内にできているか)
  • 提出物の様子
    (提出状況、字や回答など内容の変化)
  • トイレ、廊下の様子
    (いやな雰囲気がないか)
  • 朝の会の全体のあいさつや歌
    (声がよく出ているか、目配せなどないか)
  • 朝の会の進行
    (日直の進行が安心してできているか)
  • スピーチの内容や質問
    (互いに気持ちのよいものになっているか)
  • 子供たちが声をかけ合っているか

(小嶋千里)

一対一で関わる時間をつくり子供の変化に気付く

一人ひとりの表情を見ます。そのためには、教師と子供が一対一で関わる場面をつくります。

例えば朝の支度が終わったら、「先生、おはようございます。朝の支度が終わりました」と全員が教師の所に報告に来るように約束します。

すると、
「あれ、今日は元気がないな? 何かあったかな?」
「あれ? AさんとBさんはいつもいっしょに報告に来るのに、今日は別々だな。そう言えば昨日もだ。けんかでもしたのかな」
「あれ? いつもよりも報告の時間が遅いな。そう言えば寝癖がある」
など、いろいろなことに気付きます。

他にも「宿題を見せに来る」「体温カードを見せに来る」など、教師と子供が一対一で関わる場面を朝に設定しておくことで、子供の変化に気付くことができます。

(飯村友和)

当たり前のことができている子にスポットライトを当てる

きちんと宿題をやってきている子、朝の報告をしている子、あいさつをしている子などを全体の前でほめます。できていない子に目が向きがちですが、当たり前のことを当たり前にできている子にスポットライトを当てることで、その子たちを認め、全体をよい雰囲気にします。

(飯村友和)

「Aさんのあいさつとてもすばらしいですよ

表情、話し方、アイスブレイク…朝を気持ちよくスタートする工夫

朝は特ににこにこ笑顔な先生がうれしいもの。教師にとって上機嫌は仕事のうちです。また、落ち着いたトーンで聞きやすい大きさで「短く」話すように心がけましょう。くどくど話をすることは逆効果です。

朝のしたくのポイント
いさつ はきはき
っとあける ランドセル
ーときょうかしょ トントンしまって
ゅくだいだしたら マグネットくるん
いいくがあるひは きがえのじゅんび
 (→もしくは 「た」ぶれっとオンして) 
いずたいむであたまシャキーン

また、毎朝黒板に簡単なクイズを書いておき、支度が終わった人は座ってクイズに取り組み、答えは朝の会で発表するのも、気持ちよく一日をスタートするのに効果的。タブレットでクイズを出したり、答えを提出したりするのもよいでしょう。

(小嶋千里)

遅刻しがちな子には個別に対応

注意して改善するのならよいのですが、この時期に遅刻をするというのは、家庭の問題など簡単にはいかない場合が多いでしょう。全体の前ではなく、個別に「どうしたの?」と聞き、「どうしたら、時間に間に合いそう?」と本人に考えさせ、できたときにはいっしょに喜びます。

(飯村友和)

印象・メラビアンの法則を意識した身だしなみやあいさつ

教師という仕事は「印象」がものすごく他人に影響する仕事だと思っています。なぜなら、子供がその先生に抱く印象によって、指導の響きが大きく変わるからです。

そのため私は、「教師は印象を自在に操れなければならない」と考えています。特に意識しているのは「メラビアンの法則」というものです。「メラビアンの法則」とは、印象を形付けるときに、何がどの程度影響を及ぼしているかを表した心理学の法則で、聞き手は、視覚(見た目・表情・しぐさ・視線)55%・聴覚(声の質・速さ・大きさ・口調)38%・言葉(話している内容)7%の割合で影響を受けるとされています。

例えば、威厳と親しみやすさ。教師にとってはどちらも重要です。そこで大切なのは、服装(身だしなみ)とあいさつです。

まず服装。清潔感や「できる人」などという、友達とは一線を画す存在であることを印象付けるために、スーツやワイシャツなど、フォーマルな服装を心がけます。

また「この先生になら、気にかかっていることも気軽に話せるかもしれない」という親しみやすさを印象付けるよう、あいさつにもひと工夫を加えます。

例えば、目を見てにっこりと笑顔をつくり、名前を付けて大きな声であいさつをします。また、変化に気付いたり、モチベーションを高めさせたりするためにひと言付け足したりします。登校時の何気ない時間のときから印象の勝負、荒れを未然に防ぐための手立ては始まっているのです。

(杉本大昂)

〇〇さんおはよう!髪切ってさっぱりしたねぇ

朝のめあてを決めるときには子供に課題を見付けさせる

朝の会で「今日のめあて」を掲げる学級は多いのではないでしょうか。この今日のめあてを決めるとき、教師が感じているクラスの課題を子供たちにぶつけて、「ここを直していこう」というような指導はしないようにしています。

課題点を子供自身の力で見付けさせることも教育の一環であるし、教師から言われて解決しようとするのと、自分たちで課題点に気付いて解決しようとするのとでは、解決しようという意欲に大きな差が生まれるからです。

だから、今日のめあてを決めていく際には、「最近、困っていることって何かある?」と聞くなど、子供たちの気持ちを吸い上げるという方法をとります。そのほうがより子供たちに身近で、具体的な内容の課題解決に迫っていくことができるからです。

子供たちだけで課題点に気付けない場合には、QUを活用することもあります。

QUでは、子供一人ひとりの学級(学校)生活の満足感や意欲、または学級集団としての成熟状態や雰囲気、そして学級(学校)生活の満足感や意欲に関する子供一人ひとりの相対的位置などが把握できます。私はこの質問項目をエクセルで打ち直して、そのクラスの平均値をグラフ化して提示しています。

このグラフを示しながら、理想値に近い部分は価値付けし、理想値に今ひとつ近付けていない部分については、どこに要因があるのかを具体的に考えさせることで、身近なことから課題を分析させたり、課題点を絞らせたりすることができます。

(杉本大昂)

取材・文・構成/出浦文絵 イラスト/宇和島太郎

『教育技術 小三小四』2021年10/11月号より

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