小1国語「二学期のつまずきポイント」克服のためのアイデア

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特殊音節の読み書きでつまずいたり、作文をまだ書き上げられなかったり……。学習の難易度も、少しずつ上がってくる小1の二学期。 国語でつまずきそうなポイントと、克服のためのアイデアを紹介します。

執筆/特別支援教育アドバイザー・特別支援教育士資格認定協会理事・山田 充

山田 充●大阪府で37年間教員を務める。退職後は、広島県廿日市市教育委員会特別支援教育アドバイザーとして活躍。著書に『学びにくい子への「国語・算数」つまずきサポート』(明治図書出版)など多数。

小1国語つまずき

【国語】つまずきポイント①「拗音・促音・長音の読み書きが苦手」

ひらがなやカタカナの五十音は覚えられたが、「きゃ・きゅ・きょ」など、「ゃ・ゅ・ょ」が入った文字(拗音)、「っ」(促音)、「ー」(長音)といった特殊音節の読み書きで、つまずく場合があります。

これら特殊音節の難しさは、五十音が1文字=1音なのに対して、文字と音の数が等しくないことに起因します。拗音は2文字なのに1音ですし、促音は音がないのに1文字、長音は伸ばす部分に1文字当てて表します。このように、1文字=1音のルールから外れるため、理解が難しくなるようです。

指導ポイント①
「音の数を意識させよう!」

まずは、五十音のおさらいも兼ねて、すべての文字の音の数を、意識させるとよいでしょう。例えば「つくし」は音が三つ、「あさがお」は音が四つ、ということを意識させます。

そのときに大事なのは、文字の数を数えるのではなく、文字を言いながら手を叩いて音の数を意識させることです。「つくし」パンパンパン、三つだね、というように指導します。

【拗音】
「き・・ゃ」「き・ゃ」「きゃ」とだんだん早くくっ付けて言うようにして、最後「きゃ、一つになったねー」という感じで一つの音を強調し、文字は二つだけど、音は一つだということを教えます。「きゃ」は、「き」に小さい「ゃ」 がくっ付いたというように説明することが大切です。

【促音】
「トラック」の「ッ」は、音は出しませんが1拍分のすきまがあります。「パンパングーパン」でもよいですし、「トラック」と言いながら、同じ拍で手を叩くと、4回叩けます。叩いたけど、音がなかったところが小さい「ッ」の位置だと教えるのにも役立ちます。

【長音】
カタカナには伸ばす音「ー」がありますが、ひらがなにはないので、混乱してしまうようです。そんなときは、「おかあさん」は「オカーサン」となり、「ア」は「ー」であることを、文字に書いて繰り返し伝えましょう。

【国語】つまずきポイント②「長い文章や作文がうまく書けない」

1年生ではまだ、長い文章や作文をうまく書けない子供たちもたくさんいます。その原因はさまざまですが、例えば、「何をどう表現したらよいのかで、悩んでしまう」というケースが多く見受けられます。「遠足をテーマに、作文を書く」ということは理解しているが、その中の、どの部分をどのように書けばいいのかを、なかなかイメージすることができないのです。

指導ポイント②
「4コマ漫画を文章にしてもらおう!」

まずは、イメージトレーニングから始めましょう。例えば、次のように1枚の絵を見せ、その絵を文章にしてもらいます。

小1国語つまずき2

① カレーライスを食べている男の子の絵を見せて、「この絵を文にしましょう」と指示します。
② 男の子を指し、「誰かな?」と聞いてみましょう。「男の子」と返してくれるでしょう。次に、カレーライスを指し、「これは?」と聞くと、「カレーライス」と返ってきます。さらに、「何してるかな?」と聞くと、「食べてる」と返ってきます。
③ここまでできたら、「今、みんなが言ったことをつなげて、文にしてみようか」と言ってみてください。「男の子がカレーライスを食べている」と返ってくるはずです。

絵を文にする練習ができるようになったら、次に、4コマ漫画を見せてストーリーをイメージさせましょう。4コマ漫画のテーマは、子供たちの生活に沿った内容がよいですね。「遠足」や「給食」「体育」などがおすすめです。それを1コマずつ先ほどのやり方で、文に書かせ、つなげていくと作文の体裁になります。この取り組みは、作文指導の前段として、学級全体にも有効です。表現力の向上が見込まれますね。

イラスト/みながわこう

『教育技術小一小二』2021年10/11月号より

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