小2国語「二学期のつまずきポイント」克服のためのアイデア
複雑な漢字が覚えられなかったり、書き順をいつも間違えてしまったり……。重要単元も続々登場する小2の二学期。国語でつまずきそうなポイントと、克服のためのアイデアを紹介します。
執筆/特別支援教育アドバイザー・特別支援教育士資格認定協会理事 山田 充
山田 充●大阪府で37年間教員を務める。退職後は、広島県廿日市市教育委員会特別支援教育アドバイザーとして活躍。著書に『学びにくい子への「国語・算数」つまずきサポート』(明治図書出版)など多数。
目次
【国語】つまずきポイント①「漢字の書き順を間違える」
学年が上がるにつれ、学習する漢字も増え、画数が多い漢字も増えてきます。漢字の形はなんとか覚えられても、書き順はあいまいという子も多いのではないでしょうか。
また、情報を順番に理解する「継次処理」の力が弱い子は、漢字の書き順が覚えられないという子が多いようです。
指導ポイント①
「形を覚えることを優先させよう!」
漢字に限らず、書き順を覚える際によいのが、毛筆です。習字は、1文字をゆっくり大きく書くので、繰り返すことで、書き順も頭に入りやすくなります。また、習字の場合、特に漢字は、書き順通りのほうが筆が運びやすく、作品としてもきれいに仕上げることができるので、取り入れてみるとよいでしょう。
ただ、継次処理の力が弱く、パッと判断してしまいがちな子には、無理に苦手な書き順を覚えさせようとするのはやめましょう。苦手なところから切り込むと、漢字自体を嫌いになってしまうことがあります。漢字の形自体をきちんと覚えることができているなら、まずは、書き順にこだわらず、形を覚えることを優先させましょう。「覚えられた!」という達成感を味わわせることが大切です。しっかり覚えた漢字に対して、付加価値として書き順を覚えてもらうようにします。
【国語】つまずきポイント②「複雑な漢字が覚えられない」
漢字自体が覚えられないという場合、さまざまな要因が考えられるため、原因を一つに決め付けるのはやめましょう。その前提で、画数が多く、複雑な漢字がなかなか覚えられない場合は、細かいところまでよく見えておらず、漢字自体を認識できていない可能性があります。
指導ポイント②
「拡大して、見やすく提示しよう!」
複雑な漢字も増えてくる時期です。まずは、新出漢字の提示を大きくしましょう。黒板に大きく書くだけでなく、子供の手元にも、1文字をA4判に印刷して配ります。手元で大きく見られることが大切です。そのうえで、板書で大きく書いた漢字をパーツごとに色分けし、提示します。ポイントは、1画1画で色を変えるのではなく、パーツで色を分けます。
例えば、「園」という漢字では、「口・土・口・イ・く」と、それぞれに色を変えて提示します。最後の「く」は2画で書くので、1画ずつ色を変えてもよいですね。複雑なものを固まりでとらえることによって、視覚的に見やすくします。「糸」の場合、「く・く・、・小」と一度教えたら、次からは、「いとへん」のくくりで教えます。
【国語】つまずきポイント③「読解力がない」
漢字がなかなか覚えられないのと同様、読解力がない子にも、さまざまな要因があります。そもそも文字を読むのに苦労している子は、読解力以前の問題です。また、語彙力がないと、読んでも意味は分かりません。語彙力を豊かにするような活動が必要です。
ただ、文字も読むことができ、語彙力もそれなりにあるのに読解力がない子は、どうしたらよいでしょうか。物語を読む際に、一文字一文字追っていたり、出てくる単語についてじっくり考えたりしてしまうため、内容理解にまでなかなか到達することができない場合が多いようです。
指導ポイント③
「読む活動と理解する活動を分けてみよう!」
まずは、読むことだけに集中し、すらすらと文章を読めるようにしましょう。次に、読み聞かせをします。読み聞かせのポイントは、物語を聞いている際、何が書いてあるか考えながら聞くように子供たちに伝えることです。これを繰り返すうちに、何について書かれた物語なのか、考えることができるようになります。読むことから解放されているので、内容理解に全力を使うことができるからです。
イラスト/みながわこう
『教育技術 小一小二』2021年10/11月号より