小6国語「私たちにできること」指導アイデア
教材名:「私たちにできること」光村図書
指導事項:〔知識及び技能〕(1)カ 〔思考力、判断力、表現力等〕B(1)ア・イ・ウ
言語活動:ア
執筆/京都府公立小学校教諭・樫原貴博
編集委員/前・文部科学省教科調査官・菊池英慈 前・京都府公立小学校校長・藤本鈴香
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、具体的な事実や考えを基に、筋道の通った文章になるように文章全体の構成や展開を考える力の育成を目指します。
また、目的や意図に応じて書くことを選び、集めた資料を分類したり関係付けたりして、伝えたいことを明確にすることや、事実と感想、意見と区別して書くなど、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することも大切です。
②言語活動とその特徴
本単元では、「身近な問題を取り上げて、具体的な事実や考えを基に、提案する文章を書く」という言語活動を位置付けます。身近な問題をテーマにすることで、子供たちは積極的に調べたり書いたりできると考えられます。
また、取り上げる問題が、自分たちで達成したり、仕上げたりすることが可能となるものにすることにも留意しましょう。総合的な学習の時間で扱ったことと関連付けて提案することも考えられます。
提案する文章とは、問題がある状態のものを解決に導くという目的があります。その意味でも適切に問題を設定することが重要です。提案する文章として書いたものを基に実践することで、学んだことが役に立ったという自己有用感を得ることも期待できる言語活動です。
単元の展開(10時間扱い)
主な学習活動
第一次(1・2時)
①自分たちの周りにある様々な問題を出し合い、「身の回りの問題について、解決策を提案し、よりよいくらしにする」という学習課題を設定し、学習計画を立てる。
→アイデア1
【学習課題】自分たちの暮らしをよりよいものにするため、身の回りの問題について、解決策を提案する文章を書こう。
②提案文のモデルを見て、提案文の書き方を考える。
第二次(3~9時)
③提案する文章を書くための資料を集める。
④問題点や解決策など具体的な事例を取り上げながら、提案内容についてアドバイスし合う。
→アイデア2
⑤提案文の構成を考える。
⑥提案文の下書きをする。
⑦下書きを検討して推敲し、清書する。
第三次(10時)
⑧書いた提案文を友達と交流する。
→アイデア3
⑨学習を振り返り、自分に身に付いた力を確かめる。
アイデア1 自分の考えを座標軸で整理し、書きたいことや目的を明確にしよう
高学年の書くことの学習では、書く目的や意図が重要になります。何のために書くのか、自分の考えは何なのかを明確にすることで、子供たちが主体的に書こうとする姿につながっていきます。
書くことが苦手な子供は、何を書けばよいか思い付かないことがあります。下の座標軸の例のようにして考えを整理すると、この中から提案のための資料を選ぶこともできます。
▼座表軸
付箋紙を使って、操作できるようにしましょう。また、この座標軸に貼付した付箋紙をもとにグループで話し合い、提案する文章にしていきたいことを選んでいきましょう。
アイデア2 提案する内容をグループで話し合い、内容をよりよいものにしよう
イラスト/斉木のりこ 横井智美
『教育技術 小五小六』2020年6月号より