小3国語「人をつつむ形―世界の家めぐり」指導アイデア
教材名:「人をつつむ形―世界の家めぐり」(東京書籍 三年下)
指導事項:C読むこと(1)イ、オ
言語活動:ウ
執筆/香川大学教育学部附属高松小学校教諭・藤村まや
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、香川県公立小学校校長・川井文代
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、写真と絵の効果を叙述と関係付けて考える力をねらっています。説明されていることを写真や絵とつなげて理解していく力を育てるとともに、写真や絵の特徴を捉えて、その効果に気付くことをねらっています。
写真はリアリティがあり、実際に読み手が訪れたことがない場所であっても、その様子などを伝えることができます。絵は、意図的に伝えたい情報を補足したり、不要な箇所を省いたりして伝えることができます。
目的に応じて、それぞれの効果を踏まえ、文章と図表を関係付けて理解を深めようとする力を身に付けます。
②言語活動とその特徴
本単元では、文章と写真や絵とを関係付けて読み、写真や絵の効果を考えて説明文を書くという活動を行います。写真や絵が、文章中のどの言葉とつながっているかを整理することで、写真や絵が文章の理解を助けていることに気付けます。
また、説明するときに、写真と絵のどちらを使えば効果的かということも考えることができます。これらの活動を通して、社会科や総合的な学習の時間などの発表にも力が発揮できることが期待できます。
単元の展開(10時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①教材文のボリビアとルーマニアの家の文章だけを提示し、分かりづらいことを出し合い、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び
【学習課題】写真や絵のくふうを見つけながら、文章を読もう
第二次(2~6時)
②ボリビアとルーマニアの家の文章について、写真があることで分かる情報と、写真があっても分からない情報を整理する。
③モンゴルの家の文章について、写真や絵があることで分かる情報と、写真があっても分からない情報を整理する。
④⑤⑥チュニジアやセネガルの家の文章について、写真や絵があることで分かる情報と写真や絵があっても分からない情報を整理したり、絵や写真の効果を話し合ったりする。
→アイデア2 対話的な学び
第三次(7~10時)
⑦⑧写真や絵の役割を考えながら、紹介したい家の写真や絵を選んで文章を書く。
→アイデア3 深い学び
⑨友達と交流し、写真や絵の役割についてまとめる。
⑩単元のまとめとふり返りをする。
アイデア1 写真やさし絵の必要性に気付く
▼教科書のボリビアの家の説明文のみ提示
ボリビアってどんなところ?
高さ3500メートルの高原って何? どんぐりのような形? 塩分の多いこの土地にしっかりと根を張る草ってなんだろう? 絵や写真があると分かりやすいのにな。
▼教科書のボリビアの家の写真を提示
高原って草があまり生えていないんだね。とんがっているものが家かな。写真で見るとよく分かるな。
アイデア2 絵や写真の効果を話し合う
本文の叙述とつなぎ、絵があることで何がよく分かるのか、写真があることでどんなことを伝えたいのか、などを話し合うことで自分の考えを形成することにつながります。
【話合い①】写真と絵のそれぞれのよさを話し合う
イラスト/やひろきよみ・横井智美
『教育技術 小三小四』2020年1月号より