小1国語/算数・コロナクライシスを乗り越える!とっておきの授業アイデア
今年度は、クラスみんなでそろって学ぶ機会が減り、授業の遅れも気になります。そこで、二学期前半までの復習を楽しく行いながら、後半にも役立つ授業アイデアを紹介します。みんなで協力したり、一人でも取り組めたりするなど、学びが楽しくなるものばかりです。
執筆/東京学芸大学附属小金井小学校教諭・中村真也
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目次
小1算数のとっておき授業アイデア
学習のポイント
一年生の算数で重要なのは、「10を意識する」ことです。授業の遅れから、まだ「10をつくる感覚」が身に付いていない子もいるでしょう。この時期にしっかりとふり返り、身に付けておくことで、20までの数、10以上のたし算やひき算もグーンと理解しやすくなります。
トランプなどを使って、ゲーム感覚で楽しみながら、10をつくったり、10を分けたりすることで、数字にどんどん慣れましょう。10のかたまりを意識できるようになったら、今度は計算式カードなどを使って、10までのひき算や、20までのくり下がりのあるひき算にも、楽しく慣れていきましょう。
10までのたし算「ゲッ10 たし算」
- トランプのダイヤ、ハート、クラブ、スペードの1〜10のみを使用します。1班3〜4人になり、一人に3枚ずつ配ります。残りは束にして伏せ、机の中央に置きます。
- 一人ずつ、手持ちのカードに、中央のトランプの束から1枚補充します。まず一人目が、手元のカード1枚を、その数字を言いながら中央のトランプの束の横に出します。二人目は、自分の手元のカードのうちの1枚を選び、その数字と、一人目の数字をたした数字を言います。たした数が10にならなければ、一人目が出したカードの上に重ねます。10を超えてしまったら、束の横のカードは、すべて前の子のものになります。
- 3人目、4人目と順番に進め、見事10になった子が「ゲッ10」と言いながら、束の横にたまったカードをもらえます。手元のカードがなくなるまで、これを繰り返し行います。
- 最後に、ゲットしたカードの合計数が多い子が勝ちです(手持ちのカードの数は入れません)。
- 慣れてきたら、10を超えた計算にも挑戦してみましょう。さらに慣れてきたら、「5のカードはたしてもひいてもいいよ」「ジョーカーを入れて、ジョーカーをひいたら0にできる」など、子供たち自身でルールを工夫すると、さらに盛り上がります。
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10までのひき算「にょろにょろ暗算」
1 教師が10までのひき算カードを作り、図のように机の上にバラバラに並べます(裏に計算の答えを記載)。左端から右端、右端から左端へ、ヘビのように計算します(計算が終わったカードは裏返し、間違えたらはじめからやり直します)。ゴールしたら、順番を入れ替え、繰り返しやってみましょう。
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2 10までのひき算が、すらすらできるようになったら、20までのくり下がりのあるひき算カードを加え、10までのひき算同様、左端からヘビのように計算します。こちらも順番を入れ替え、何度も繰り返しやってみましょう。枚数が多くなるので、半分ずつに分けて行うのもよいでしょう。
小1国語のとっておき授業アイデア
学習のポイント
一年生では文字を読み書きできても、まだ文章を上手に読み書きできないという子供たちも少なくありません。それは、文章の意味がつかめていないからです。この時期たくさんの文章に触れることで、文章を理解する力が深まります。
まずは早口言葉を声に出して読む練習。その後、詩の音読に挑戦してみましょう。つっかえるところは、意味が分かっていない可能性があります。繰り返し取り組むことで解消できます。そのうえで、文章を書いてみましょう。好きなものを題材にすることで主体的に取り組むようになり、文章を理解する力が深まります。
読む力を付ける「早口言葉を復唱」
読む力を養うには、まず、短い文章を繰り返し声に出すことに慣れていくことが大切です。それには、昔ながらの早口言葉がおすすめ。朝の会で、「なまむぎ なまごめ なまたまご」や「青まきがみ 赤まきがみ 黄まきがみ」など、3フレーズほど、1日それぞれ3回、大きな声で復唱しましょう。早口言葉に慣れたら、少し長めの詩に挑戦! 私のクラスでは、「きりぎりすの山登り」(金子みすゞ作)などをみんなで音読します。
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書く力を付ける「みんなの好きなもの図鑑作り」
- 書くテーマを、「好きなもの」に絞ります。
- 「好きなもの」の特徴をたくさん書き出します。考えるだけでなく、本で調べたり、先生に聞いたりしたことなども書きましょう。
- みんなに、「自分の好きなものを紹介する」ことを想定しながら、B5の用紙に文章を書きます。文章は短くてかまいませんので、なるべくたくさん書きます。文章に沿った写真やイラストを添えると、書くことがより楽しくなります。
- 最後に、クラスみんなが書いた「好きなもの」を集めて、A4のノートにのりで貼り、世界に一つだけの図鑑にします。
イラスト/浅羽ピピ
『教育技術 小一小二』2020年11月号より