子供に発想力を身に付けさせるには?|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

子どもに、自分の言葉で意見を述べさせるのは、なかなか難しいものです。「間違ってもよいから、思ったことを言おう!」と声をかけても言葉が出てこず、ようやく絞り出した意見も優等生的で、抽象的なものになりがちではありませんか?
そこで何度も質問して考えさせようとすると、やり取りが増えて時間がとられます。どうすれば子どもに想像力・発想力を身に付けさせられるでしょう? そんな、【のんきなめだかさん】からの質問にぬまっちがアドバイスします!

目次
話したい・書きたいと思う状況をつくることが肝心
先生たちは、「好きなことを書こう」「間違ってもいいから思ったことを言おう」と言えば、子供たちが喜んで、自由に、想像力を働かせて、自分なりの意見を書いたり、発言してくれると思っていないだろうか。
そして、大方の場合、そんな期待を見事に裏切られ、子供たちが何も書いてくれなかったり、発言内容がありきたりで、同じようなものだったりするので、落胆する。
それはなぜか。
「子供たちの興味を引き出す」という作業を忘れているからだよ。
子供たちはもし言いたいことがあれば、「好きなことを言っていいよ」と言われる前にしゃべり始めるはず。話さないのは、恐らく、課題や質問そのものに興味をもっていないんだよね。
これは作文を書かせるときにもよくあること。
「好きなことを書いていいよ」と言っても、そもそも作文を書きたくないから、好きなことがあっても書けない。まずは、子供が「書きたい」「話したい」と思う状況をつくるところからプロデュースしていかないとダメなんだ。
子供の発言を価値付けすることが大切
子供でも大人でも、「間違ってもいいから思ったことを書こう」と言われると、「間違うな」と言われているように聞こえることも覚えておこう。
また、子供が「間違っているかもしれないから書かないでおこう」と考えてしまう事実があるなら、子供がちょっとでも何か書いた瞬間に価値付けをしていく必要がある。
ボクは時々、「何も書かなかったら、丸が付かないけれど、何か書いたら丸が付くかもしれないよ」などと伝えたりする。「間違っているかもしれないけど、丸をもらえる可能性があるなら、とりあえず書いておこう」という動機づけをして、何か書いてくれたら、その瞬間を見逃さずほめて価値付けする。それを繰り返す。
さらに、「間違えることも、できないことも悪ではない。それを隠したり、できないから諦めるほうが悪だよ」という話も合わせてするといいだろう。
想像力・発想力を身に付けさせるには、子供たちのつぶやきに耳を傾けてすくい上げてあげることがとても大事なんだ。
子供がポロっと何かをつぶやいた時に、先生が「なになに? どういうこと? おもしろそうじゃん」と食いついてあげる。ちょっとした子供たちの発言にも価値付けしていくと、こんな発想も評価してくれるなら、どんどん言ってみようと思うだろう。
こういうことを繰り返すことで、子供たちは自分の意見を発する力がついてくるし、クラスの中に安心して自分の意見が言える雰囲気もできるだろう。