小2生活「わたしの町のひみつを教えるよ」指導アイデア
執筆/宮城教育大学附属幼稚園教諭・片平みちる
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、宮城県公立小学校教諭・鈴木美佐緒
目次
期待する子どもの姿
【知識及び技能の基礎】
自分の町の施設や、町の人のために働いている人がいることが分かり、自分たちの生活はいろいろな人に支えられていることに気付くことができる。
【思考力、判断力、表現力等の基礎】
町の施設の役割や、働く人の思いについて考え、まとめ方や伝え方を工夫して、町の秘密を伝えている。
【学びに向かう力、人間性等】
町の施設や人に関心をもち、自分が住む町に愛着をもって生活しようとしている。
子どもの意識と指導の流れ
(7時間)
めざしたい子供の姿
これまで数回に分けて町探検を行ってきた子どもたちは、「いつも行っている児童館って、こんなにすごいところだったんだよ!」「スーパーの〇〇さんは、おすすめの野菜が分かるように、目立つ工夫をしているんだね」など、町のことをよく知り、自分たちが見付けた秘密を伝えたいという思いが高まってきています。
誰に対して秘密を伝えたいのかということを明確にし、市民センターや児童館、スーパーマーケットや病院など、様々な形で自分たちの生活を支えてくれている施設や、様々な人の存在に気付き、自分との関わりに気付くことができる学習活動を計画することが大切です。
こんなひみつを見つけたよ(1時間)
グループの中で振り返りをすることにより、ほかのグループにも秘密を教えたい、ほかの秘密も知りたいという思いが高まります。
みんなにひみつを教えよう(2時間)
タブレットやデジタルカメラを活用して、記録の写真や動画を撮っておくと、発表のときに役立ちます。
発表のときは、伝えたい秘密の写真や動画を厳選しておくと、相手にいちばん伝えたいことが伝わります。
もっとたくさんの人につたえたいな(2時間)
秘密を伝え合う活動を通して、自分の町の魅力が分かると、もっとたくさんの人に伝えたくなります。伝える対象は誰かということを明確にしておきましょう。
知ってほしいな町のひみつ(1時間)
誰に対して伝えるのかということを明確にすることで、どうすれば伝わりやすくなるのか、子どもが考えることが大切です。クイズ形式や劇化(インタビューの再現)など、クラスでの伝え合い活動から、相手を意識した伝え方、活動にステップアップできるといいですね。
すてきなわたしたちの町(1時間)
町探検を振り返りましょう。
「いろんな人が働いていることが分かりました。 」
「友達が見付けた秘密を聞いて、ぼくもそこに行ってみたくなりました。」
「今度お店に行ったときには、『こんにちは』と言います。 」
「この町に住んでいてよかったと思いました。」
「危ない場所があるので、気を付けて遊びたいと思います。」
「この町は、みんなで力を合わせて暮らしています。」
振り返り活動を通して、地域の人々や場所のよさに気付くとともに、それらを大切にする気持ちや地域に積極的に関わろうとする気持ちを一層強くもつことができます。そのことが、地域の方と適切に接したり安全に生活したりしようとする態度を育てていきます。
活動のポイント1
見付けた秘密をもとに、伝える活動への意欲を高めましょう
町探検では、「お店の秘密」「働いている人の秘密」など、みんなが知らないような秘密を探してくるという視点を定めておくと、活動が広がります。秘密を見付けて終わりではなく、それを人に伝える活動へつなげましょう。伝え合う活動を通して「まだ知らないことがたくさんある」「自分の秘密も教えたい」という意欲を高めましょう。
また、誰に伝えるのかを明確にすることも大切です。自分たちが見付けた町の素敵な秘密を余すことなく伝えることができるように、伝える相手に合わせて発表の方法を工夫させましょう。
タブレットやデジタルカメラを活用する
イラスト/熊アート
『教育技術 小一小二』2019年11月号より