小3道徳「生命尊重」一休禅師の言葉に学ぶ指導アイデア

執筆/山形県公立小学校校長・佐藤幸司
目次
授業の設計図
第三学年・第四学年にある20の内容項目のなかで、「一番大切な項目は、なんですか」と問われたら、何を選びますか。
もちろん、どれも大切な内容項目ですが、そのなかで一つと言われれば、「D 生命の尊さ」を挙げる方が多いのではないでしょうか。命なくして、道徳はありません。希望をもつことも、礼儀正しく振る舞うことも、国や郷土を愛する心をもつことも、すべて命あってのことです。
教科書でも、「生命の尊さ」の項目は、重点的に扱われています。各社とも、三つ程度の教材を掲載しているようです。もちろん、ストーリーや登場人物は異なりますが、生命はかけがえのない大切なものであることを伝える内容になっていることは、共通しています。
また、この時期の子供たちは、現実性をもって死を理解できるようになってきます。命の対極にある死について考えることは、生命の大切さについて考えを深めることにつながっていきます。
本稿では、前半で教科書教材「お父さんからの手紙」(「3年 生きる力」日本文教出版)を扱い、かけがえのない命について学びます。そして、後半では、一休禅師の言葉から、家族の死(命の順番)を教材として、命についての考えを深めていきます。

教科書教材の活用
一年に一度、誰にでも必ずやってくる日はなんですか?
教材への導入として、こう問います。「お誕生日」という言葉を引き出し、教材への興味を引き出します。教材「お父さんからの手紙」を読みます。
①感想を発表しましょう
教材中の家族の様子や人物の心情だけでなく、自分の経験も入れながら発表させましょう。そのために、「○○君は、お誕生日にどんなことをしてもらったの?」など、子供の発言に問い返しながら進めるとよいでしょう。
②お父さんからの手紙を読んだ健一は、どんなことに気付いたか
子供たちから、「命の大切さ」に関する意見が複数出されます。それらの言葉をまとめる形で、黒板に【大切な命】と書きます。
③命と反対の意味の言葉はなんだろう
「死」という言葉を引き出し、「命」の文字と対比的に板書します。
※ 以上、本教材(日本文教出版)での展開例です。他社の教材の場合でも、(発問は変わるが)「命の大切さ」という言葉を板書し、その反意語の「死」という言葉を引出します。