小4社会「伝統文化を今に伝える東京都」指導アイデア

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執筆/東京都公立小学校主任教諭・新宅直人
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都教育庁指導部義務教育指導課・秋田博昭

小4社会「伝統文化を今に伝える東京都」指導アイデア

目標

都内の文化財や年中行事について、歴史的背景や現在に至る経過、保存や継承のための取組などに着目して、見学・調査や資料を通して調べ、それらの保存・継承に関わってきた人々の願いや努力と関連付けて考え、都内の文化財や年中行事は、地域の人々が受け継いできたことや、そこに地域の発展などの願いが込められていることを理解できるようにする。

学習の流れ(10時間扱い)

問題をつくる(2時間)

○東京都内には、どのような文化財や年中行事があるかを調べる。
○江東区に残る深川八幡祭りの昔と今の様子を比べ、気付いたことを基に、疑問に思ったことを話し合う。

学習問題
多くの人が参加する深川八幡祭りは、いつから始まり、誰がどのようにして続けてきたのだろう。

矢印

追究する(6時間)

○深川八幡祭りはどのような祭りで、いつごろ始まったのかを調べる(2時間)
○深川八幡祭りは、これまで誰が、どのように続けてきたのかを調べる。(2時間)
○深川八幡祭りを守ってきた人々の取組や願いを調べる。(2時間)

矢印

まとめる(2時間)

○深川八幡祭りについて調べたことを年表にまとめ、深川八幡祭りを続けてきたことの意味を話し合う。
○東京都の文化財や年中行事を保存・継承していくために、自分たちにできることを考える。

導入の工夫

江戸時代と現在の「深川八幡祭り」の様子が分かる写真や資料などを比べ、神輿の形や装飾が同じであることや多くの人が参加していることなどを基に話し合うことで、保存・継承の取組やこれまでの経過に関心をもち、主体的に追究できるようにする。

第2時

※第1時では、都内にはどのような文化財や年中行事があるのかを学習する。

深川八幡祭りの様子

これらの資料から、江東区で行われている「深川八幡祭り」について、何か気付いたことはありますか。

今だけでなく、昔から多くの人が参加していたことが分かります。

昔も今も、豪華なお神輿をかついでいたことが分かります。

お神輿

お神輿についている「しるし」が同じで、お神輿の形も似ているので、江戸時代から同じものを使っているのかもしれません。

資料を比べて気付いたことを基に、深川八幡祭りについて疑問に思ったことなどを話し合ってみましょう。

こんなにたくさんの人が参加している深川八幡祭りは、いつ、誰が始めたのだろう。

江戸時代から今まで、誰がお祭りを続けてきたのかな。苦労したことはなかったのかな。

深川八幡祭りのお神輿は、いつからあるのかな。今のお神輿は江戸時代のものと同じものなのかな。

昔から続いているから、地域の人たちにとっては、大切なお祭りなのかな。どのような思いで参加しているのかな。

問題をつくる(1、2/10時間)

江戸三大祭りの一つである「深川八幡祭り」の今と昔の様子を比べて気付いたことを基に、疑問に思ったことについて話し合う。

学習問題
多くの人が参加する深川八幡祭りは、いつから始まり、誰がどのようにして続けてきたのだろう。

まとめる(9、10/10時間)

学習してきたことを整理して年表にまとめ、深川八幡祭りを続けてきたことの意味を考えるとともに、自分たちの関わり方を選択・判断する。

まとめ方の工夫

学習してきたことを基に、東京都にある文化財や年中行事をこれから先も残していくために、自分たちにはどのようなことができるかを話し合い、自分たちの考えとして地域へ発信する。

第10時

深川八幡祭りのほかに、東京都にある文化財や年中行事を守ってきた人たちの願いや思いを調べましょう。

中央区にある日本橋では、地域の人やボランティアの人たちとともに橋の清掃作業をしたり、区や都、国とも協力して日本橋・京橋通り整備事業や記念行事に取り組んだりするなどして、日本国道路元標がある日本橋の保存に取り組んでいます。

府中市では、毎年5月5日を中心に、都指定無形民俗文化財「武蔵府中のくらやみ祭」として指定された祭りが開かれます。神輿や大太鼓、山車とともに子供神輿も登場します。これからも府中の名物祭として続けていってほしいです。

文化財や年中行事には、その地域の人々の願いや思いが込められているのですね。受け継いでいくことの大切さが分かりました。

東京都の伝統や文化を、これから先も残していくために、私たちにはどのようなことができるかを話し合い、地域へ発信しましょう。

私たちが地域のお祭りに参加することが大事だと思います。私たちが受け継いでいくことで、これからも地域に残っていくと思います。

地域の人たちがどのような思いで受け継いできたのか、話を聞いてみたいと思います。

地域の人たちがもっとお祭りに参加するためにどのような工夫ができるかを話し合って、アイディアを発表したらいいと思います。

保存・継承に携わってきた人々の思いや現状の課題などを把握したうえで、自分たちの関わり方を選択・判断できるようにすることが重要です。

単元づくりのポイント

★都道府県内の主な文化財や年中行事について調べる

本単元では、自分たちが暮らす都道府県内にはどのような文化財や年中行事があるのかを捉えることができるようにしていく必要があります。そのため、単元の冒頭の時間などにおいて、都道府県内に残る主な文化財や年中行事の様子を調べ、白地図にまとめるなどの活動を設定することが大切です。その際には、県などが作成している文化財や年中行事マップや県のホームページなどを活用することで、都道府県内の主な文化財や年中行事の名称や位置などが大まかに分かるようにすることが大切です。


イラスト/横井智美、佐藤雅枝

『教育技術 小三小四』2019年10月号より

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