小3理科「ゴムや風でものをうごかそう」指導アイデア

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執筆/福岡県公立小学校教諭・西村郁美
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、福岡県公立小学校校長・古澤律子

小3理科「ゴムや風でものをうごかそう」指導アイデア
写真AC

単元のねらい

風とゴムの力とものの動く様子に着目して、それらを比較しながら、風とゴムの力の働きを調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見いだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。

単元の流れ(二次 総時数 7時間)

一次 ものをうごかすゴム(4時間)

① ゴムの力とものの動き(1時間)
② ゴムのはたらきと車の動き(2時間)
③ やってみよう(1時間)

展開のヒント
本単元では、教科書によって「風」を先に学習する場合と、「ゴム」を先に学習する場合があります。今回は生活経験が多く、手応えなどの実感を伴いやすい「ゴム」を先に学習する展開で設定しています。生活科の学習経験など、子供たちの実態に応じて展開を考えるとよいでしょう。

二次 ものをうごかす風(3時間)

① 風のはたらきと車の動き
② 作ってみよう
③ たしかめよう

■単元デザインのポイント■

「量的・関係的」というメガネで見てみよう!

見方 主として「量的・関係的」

量的・関係的
ゴムを引く長さを変えると?
ゴムの数を変えると?
ゴムの太さを変えると?
風の強さを変えると?

ものの動き方は、どのように変わるのだろう。

考え方
風の強さやゴムの伸びの大小とものの動く様子を「比較して」考える。

準備

○ 新しい輪ゴムを用意しましょう。古い輪ゴムは切れることがあります。
○ 実験を行う教室にビニルテープで線を引くなどして、場づくりをしておきましょう。

輪ゴムを使った実験の場づくり
輪ゴムを使った実験の場づくり

これでばっちり! 単元の導入はこうしよう!

ゴムで動く車を使って、ピタッとゲーム!

エリアまでの距離が異なるスタート地点をいくつか設け、そこからストップエリアに入れるゲームです。ゴムの引っぱり方と動かしたい距離に着目させることで、気付きを引き出しましょう。

ゴムで動く車を使って、ピタッとゲーム
ゴムの引っぱり方による手応えの違いを体感させる

ゴムを長く伸ばしたら、遠くまで動いた!

ゴムの引っぱり方と進む距離は何か関係があるのかな。

活動アイディア 
~資質・能力の育成をめざして~

ゴムを引っぱる長さを変えることで、ゴムが元に戻ろうとする力の大きさが変わります。その結果、ものの動く様子が変わることを学習する場面です。結果を整理する際、視覚的に捉えやすいグラフなどを提示することで差異点や共通点が明らかになり、ゴムの力の働きについての問題を見いだす力の育成につながります。

授業の展開例(第一次 第2・3時)

ゴムのはたらきと車の動き

【自然事象へのかかわり】
導入の「ピタッとゲーム」をした経験を想起させ、ゴムの引っぱり方によって車の進む距離が違うことに気付く。

「主体的な学び」につなげるために!
生活科の学習との関連を考慮して、手応えなどの体感を基にした活動を取り入れたり、生活経験の想起を行ったりしましょう。

【問題】
ゴムを引っぱる長さを変えると、車の動き方はどのように変わるだろうか。

【予想】
ゲームのときに、長く引っぱると遠くまで動いたから、長く引っぱるほど車は遠くまで動くのではないか。

【解決方法の立案】
1mごとにラインを引き、ゴムを引っぱる長さが5㎝のときと10㎝のときでは、車がどのあたりまで進むかを調べる。

【観察、実験】
スタートラインから発車させ、車の進んだ距離を調べる。

【結果】
5㎝のときは4mのラインあたりに集中し、10㎝のときは7mのラインあたりに集中している。

クラスの結果のまとめ方

ゴムの引っぱり方によって車の進む距離はどう変わるか?実験結果
5㎝の結果は青の丸シール、10㎝の結果は赤の丸シールで示す。

数値にこだわらずに結果を視覚的に捉えられるようにします。

【考察】
ゴムを長く引っぱると、車の進んだ長さは長くなった。ゴムを短く引っぱると、車の進んだ長さは短くなった。長く引っぱるほど、ゴムが元に戻ろうとする力が大きくなったから大きく動いた。

「深い学び」につなげるために!

考察を行う前に、ゴムには「元に戻ろうとする力が働いている」ということを考えられるようにしましょう。

どうして引っぱる長さを変えると、こんなに違いが出るのかな。

長く引っぱると手応えが大きいよ

長く引っぱったほうがすぐに元に戻るからかな。

【結論】
ゴムを引っぱる長さを変えると車の動き方が変わる。ゴムを長く引っぱると、車は大きく動く。引っぱったゴムは元に戻ろうとするときにものを動かす。

ここが最大のポイント! !

●理科の見方・考え方を働かせるような発問を工夫しましょう

【新たな問題設定】

風の力の大きさを変えると、ものの動き方はどうなる?

【見方・考え方を働かせるような発問】

ゴムのときはどうでしたか。

【前時までの学習で得た知識】

ゴムを引っぱる長さを変えると、ものの動き方も変わる。

【量的・関係的な見方を働かせた予想】

ゴムは長く引っぱったほうが車が大きく動いたから、風が強いほうが車が大きく動くんじゃないかな。

このように、前時でより豊かになった量的・関係的な見方を働かせるような発問を工夫することが、理科の資質・能力の育成につながります。

●手応えなどの体感を基にした活動を取り入れましょう。

風だったら・・・

  • 扇風機・送風機に手をかざす
  • 風車に息を吹きかける
  • 凧揚げ

ゴムだったら・・・

  • ゴムを伸ばしたりねじったりする
  • ぱっちんガエル
  • 紙コップロケット
  • ゴムでっぽう

イラスト/たなかあさこ、横井智美

『教育技術 小三小四』2019年7/8月号より

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