小2生活「大きくなあれ!わたしの野さい」指導アイデア
執者/宮城県公立小学校教諭・石垣佐季
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典 、宮城県公立小学校教諭・鈴木美佐緒
目次
期待する子どもの姿
【知識及び技能の基礎】
野菜は生命をもっていることや成長していること、それに合った世話の仕方があることや上手に世話ができるようになった自分に気付く。
【思考力、判断力、表現力等の基礎】
野菜の変化や成長の様子に関心をもって働きかけ、世話の仕方を工夫したり、関わりを振り返ったりして、自分なりに表現する。
【学びに向かう力・人間性等】
野菜を育てる活動に継続的に取り組み、大切に育てようとする。
子どもの意識と指導の流れ
一年生で花の栽培を経験している子どもは、季節ごとに育つ花が違うことや、種や球根で育つ花があることなど、種類による違いや花の成長の様子に気付いたり、「もっと育ててみたい」という思いをもったりしています。このような思いや願いを、野菜の栽培活動につなげていくようにしましょう。
○単元に入る前に
活動の振り返りを行うことで、新たな栽培活動への意欲を高めることができます。
○わくわく どんな 野さいに しようかな
自分たちで育てる野菜を調べて決めることで、栽培活動への関心を高めることができます。また一人一鉢で取り組むと、自分の野菜を大切に育てたいという思いが高まります。
• 図鑑で調べよう。
• 近所の野菜名人に聞いてみよう。
○はじめまして ぼく・わたしの 野さいさん
自分たちで苗を買う活動を取り入れることもできます。植えたら、視覚や触覚など諸感覚を使った観察を行い、友達と伝え合いましょう。
○元気に ぐんぐん おいしくなあれ
名人のお話を聞くことで、野菜のお世話の仕方を自分なりに考え工夫できるようにしましょう。
○できたね おいしいね
野菜の成長や変化、自分ができるようになったことへの気付きにつながるような振り返り活動を行いましょう。
アイディア1 子どもの思いや願いを生かし、栽培活動への意欲を高めましょう。
野菜への思いを高めることができるように、自分の鉢で育てることができる野菜を一つ選びましょう。自分の野菜に名前を付けることも、愛着をもって栽培活動に取り組むのに有効です。トウモロコシやサツマイモなど、鉢で育てることが難しい野菜もあるので、畑にも植えられるような環境を準備しておきます。
野菜の栽培に詳しい地域の方に「野菜名人」として協力を得られれば、栽培を工夫する活動も期待できます。お世話の仕方を工夫することは、収穫時に自分の思いや願いを実現した喜びをより味わうことや、冬野菜栽培への発展的な活動にもつながるでしょう。
○名前を付ける。
自分の野菜に名前を付けることで、 野菜への愛情をより深めることができます。名札をつくり、ラミネート加工をして鉢に挿しておくとよいでしょう。
○野菜の世話について考える
本や図鑑で調べた知識、家で聞いてきたこと、野菜名人から教わったことなどをもとに、自分なりのお世話を考え、工夫できるようにしましょう。
- アブラムシに効く牛乳スプレー
- CDで作った鳥予防対策
- 野菜と対話する
- 野菜のうたを歌ったり、手紙を書いたりする
朝の会や帰りの会に「野菜のお世話コーナー」を設け、日常的な情報交流を行うのも有効です。
○冬野菜の活動へとつなげる。
夏野菜の後は、「もう一度、違う野菜を育ててみたい」という子どもの思いが高まっています。冬野菜の栽培活動へと発展させ、野菜への興味・関心をさらに高めましょう。
アイディア2 体験活動・表現活動の相互作用を大切にしましょう。
イラスト/熊アート、横井智美
『教育技術 小一小二』2019年5月号より