小6社会「天皇中心の国づくり」指導アイデア

執筆/東京都公立小学校主任教諭・清水隆志
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都公立小学校校長・杉渕尚

目標

大陸文化の摂取、大化の改新、大仏造営などの歴史的事象について、世の中の様子、人物の働きや代表的な文化遺産などに着目して、遺跡や文化財、地図や年表などの資料で調べまとめて、天皇を中心とした政治が確立されたことを理解する。

問題をつくる
大仏の大きさを実感し、造られた背景について関心をもつ。(1・2/6)

導入の工夫

大仏の大きさを実感することで、造った人物や目的、ここまで大きなものを造ることができた背景などについて関心を高め、この時代の政治体制について追究する意欲をもてるようにする。

(大仏の画像等を見せ)これは何か、知っていますか。

あっ、奈良の大仏だ。

大仏の高さは、校舎より高い。○か×か。

校舎って、かなり高いよね。×かな。

大仏の手のひらに、六年生が10人乗れる。○か×か。

えっ、どうだろう?

実際に、校庭に大仏の実物大の手のひらを描き、何人乗れるか試してみましょう。

実際に、校庭に大仏の実物大の手のひらを描き、何人乗れるか試してみている様子
〈東大寺の大仏の実際の大きさ〉
手のひらの長さ約250㎝ 顔の長さ533㎝ 顔の幅320㎝ 目の長さ201㎝ 耳の長さ約250㎝

手のひらだけで、こんなに乗れるんだ。大きいね。

こんなに大きいものを、どうやって造ったのだろう。

誰が、何のために造ったのだろう。

前に学習した古墳も大きかったですね。古墳は、誰が何のために造りましたか。

王や豪族が、自分の大きな力を示すために造りました。

大仏は、どうなのでしょうか。大仏が造られた頃の時代について、知りたいことや調べてみたいこと、疑問に思うことなどを書きましょう。

【第2時】

  • 子供たちから出た疑問を基に、クラスで学習問題を設定する。
  • 年表などの資料を基に、学習問題に対する予想を立てる。
  • 子供たちの予想を基に、学習計画を立てる。

学習問題
大仏が造られたころの時代は、どのような国づくりが進められていたのだろう。

学習の流れ(6時間扱い)

問題をつくる(2時間)

◯大仏の大きさを実感し、当時の政治体制などについて疑問を出し合う。
◯学習問題を立て、年表などを見て予想し、学習計画を立てる。

追究する(3時間)

イラスト/ 栗原清 横井智美

『教育技術 小五小六』2019年4月号より

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