中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう①~考えを整理して、テーマを決める~


中学校や高等学校(特に高等学校)では、課題研究という形で探究に取り組む事例が非常に多くなってきています。課題研究という名前のとおり、まさに「研究」ですので、科学者が行うような手順や作法などもある程度意識しながら、指導をしていきたいものです。本方法論編では、そうした手順や作法のようなものにも触れながら、課題研究の進め方についてお話ししていければと思います(やや理系分野寄りのイメージでお話しすることがあるかもしれませんが、文系分野の課題研究であったとしても大きく異なることはないでしょう)。なお、課題研究を含めた「研究」の方法論は画一的に語れるものではなく、実際には極めて多種多様なアプローチがあります。そのため、今回からの内容は、あくまで方法論の一つということでご参考にしていただく程度で良いかと思います。初回となる今回は、研究テーマをどう見いだしていくか、について考えてみましょう。
【連載】探究のすすめ方 ~方法論編~ <中学校・高等学校>①
目次
自分の「好き」や「気になる」を整理してみよう
生徒が何かを「研究」するためには、まずその研究テーマに興味や関心があることが大切です。でも、いざ「何に興味があるの?」と聞かれて、すぐに答えられる生徒は多くありません。「なんとなく気になること」はあっても、頭の中で整理したことがないと、なかなか研究テーマにはつながりません。そのようなときに役立つのが、「思考の『見える化』」です。考えを書き出すことで、頭の中が整理され、アイデアが形になっていきます。
まずはマインドマップから
思考を「見える化」する方法の一つが、マインドマップです。真ん中に「興味のある言葉」を書いて、そこから枝を伸ばすようにして、関連する言葉やイメージを自由に広げていきます。たとえば「水」と書いたら、「川」「飲み水」「環境問題」など、どんどん連想していきます。この作業だけでも、「あ、これ興味あるかも!」という気づきにつながることがあります。
<マインドマップを使うときのコツ>
●長い文ではなく、短い「言葉」で書く
●色を使ったり、手書きで自由に
●大きな紙に、たくさん書く