小6家庭科 「見直そう生活時間 チャレンジしよう家庭の仕事」

今回は、「見直そう生活時間 チャレンジしよう家庭の仕事」の授業実践を紹介します。自らの生活時間の使い方を振り返り、工夫することで、家庭実践において、家庭の仕事などに家族と協力して取り組むことを目指します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・日景佐和子
編集委員/東京都公立小学校校長・飯島典子
監修/元文部科学省教科調査官・筒井恭子
目次
年間掲載内容
04月 見直そう生活時間 チャレンジしよう家庭の仕事
06月 すずしい住まい方
08月 クリーン大作戦
10月 ミシンでソーイングⅡ
12月 持続可能な社会を生きる
02月 レッツトライ! 生活の課題と実践
1 題材名
見直そう生活時間 チャレンジしよう家庭の仕事
2 題材について
本題材は内容「A家族・家庭生活」における(2)「家庭生活と仕事」のア「家庭の仕事と生活時間」、イ「家庭の仕事の計画と工夫」を扱います。
生活時間の使い方を見直す過程において、家族が互いの生活時間を工夫し、共に過ごしたり、仕事を分担して過ごしたりするなど、協力し合って生活する必要があることについて理解できるようにします。また、家庭生活を支える仕事を家族が協力し、分担する必要があることに気付き、自ら進んで関わろうとする実践的態度を養います。
生活時間の有効な時間の使い方については、個人が自由に使う時間、食事などの家族と共に過ごす時間、家庭の仕事など家族と協力する時間などがあることを理解できるようにします。さらに、家族の生活時間を考えながら、自分の生活時間の使い方を工夫することによって、家庭生活が円滑に営まれることに気付くことができるようにします。時間の使い方を工夫することによって生じた時間を家庭の仕事に協力する時間にあて、家庭実践ができるようにします。
指導に当たっては、生活時間の有効な使い方と家庭の仕事の分担を関連付けて扱います。
多様化する生活の変化や地域の特色を把握するとともに、子供の理解に努め、一人一人の家庭環境に配慮しつつ指導することが大切です。また、保護者会や学年だよりで「生活時間の工夫」について学ぶことを知らせ、家族へのインタビューや家庭実践についての協力をお願いするなど、家庭と連携することで子供がよりよい生活を目指すことにつなげます。また、学習後には、協力のお礼と学習の成果を知らせることで、さらに子供がよりよい生活を目指すようにします。
3 題材の目標
〇家庭には、家庭生活を支える仕事があり、互いに協力して分担する必要があることや生活時間の有効な使い方について理解する。
〇家庭の仕事について問題を見いだして課題を設定し、解決方法を考え、実践を評価・改善し、考えたことを表現するなどして課題を解決する力を身に付ける。
〇家族の一員として、生活をよりよくしようと、家庭生活と仕事について、課題解決に向けて主体的に取り組んだり、振り返って改善したりして、生活を工夫し、実践しようとする。
4 題材の評価規準
●知識・技能
家庭には、家庭生活を支える仕事があり、互いに協力して分担する必要があることや生活時間の有効な使い方について理解している。
●思考・判断・表現
家庭の仕事について問題を見いだして課題を設定し、解決方法を考え、実践を評価・改善し、考えたことを表現するなどして課題を解決する力を身に付けている。
●主体的に学習に取り組む態度
家族の一員として、生活をよりよくしようと、家庭生活と仕事について、課題解決に向けて主体的に取り組んだり、振り返って改善したりして、生活を工夫し、実践しようとしている。
5 指導のアイデア
主体的・対話的で深い学びの実現
〇学びの見通しをもたせる
なぜ生活時間の有効な使い方について学ぶのか、学びの意図を明確にするために全体像と時間や流れ、向かう方向性などを明確に示すことで、子供は見通しをもち、ゴールを意識して学ぶことができるようにします。学びをスムーズにするために、1人1台端末を活用して学びの全体像を提示します。
〇家族のインタビューから考える
自分の生活時間の有効な使い方のヒントになるよう、家族へのインタビューを行います。家庭へはお便りなどで事前に学習のねらいを伝えておきます。
個に応じた指導
〇1人1台端末によるワークシートの活用
子供一人一人のつまずきや進捗状況を把握できるようにするために、1人1台端末のワークシートを活用します。一人一人の生活時間の使い方を一覧で把握することができ、より効果的な支援が可能になります。
〇無理なく取り組むことができる実践の工夫
実践計画を立てる際に「これならできそう」と子供が感じることから始めたり、選択肢をいくつか提示したりして、個々の子供が家庭環境に応じて実践できるようにします。