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植物オンチ・理科が苦手な先生のための、子どもが夢中になる植物観察法 ~葉っぱ大集合! 仲間わけ大作戦! の授業実践〜【モンタ先生の自然はともだち】

【モンタ先生の自然はともだち】
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子どもたちがワクワクと楽しみながら学びを得ている姿。それはどんな絶景よりも教員にとっては素晴らしい景色なのではないでしょうか。外に出るのが楽しくなってきた季節、自然事象とのふれあいを通じて、そんな学びのために子どもたちを自然へと連れ出してみませんか? 学級づくりや、管理職の先生による補教にもピッタリのアイデアを、モンタ先生がご紹介します。

【連載】モンタ先生の自然はともだち #05

執筆/森田弘文

1.はじめに

植物オンチ・生き物嫌い、または、理科があまり得意ではないと思っている先生はいませんか?
校庭に植えられている木や道ばたの草など、名前を知らない先生はいませんか?
これまで、動植物を見たり育てたりする経験がなく、生き物教材の場合に、指導に自信がもてなくて、敬遠し尻込みしてしまうという先生はいませんか。
そんな先生方のために、植物の知識も大した準備も必要なく、すぐに、いつでも、どこでもでき、学習効果の高い植物観察法があります。
それは、子どもたちが葉っぱを自分たちが考えた観点で仲間分けする、という活動です。
筆者が校長職だった頃から日常的な補教の時間に行っており、あちこちの研修会や校内研究会、さらには大学の講義での模擬授業等でも紹介し、いつも大変好評だった実践です。
子どもたちが意欲的に生き生きと活動し、学びの喜びを感じることができ、さらに植物の多様性に気付いて、学習の目標も達成されます。専門的な知識のない先生の方が、むしろ子どもと一緒になって楽しめちゃいますよ。

イラストAC

2.指導案

⑴ 単元名
葉っぱの仲間分けを楽しもう!

⑵ ねらい
葉っぱを採集し、自分たちで仲間分けの観点をつくり、葉の形態の違いなどに着目しながら、仲間分けを行い多様性に気付く。

⑶ 展開

図表1

⑷ 準備するもの
ビニール袋…葉の採集用です。子どもの人数分
A全サイズ等大きな模造紙…子どものグループ分の枚数
太字・極太のマーカーペン…子どものグループ分の本数
セロハンテープ…葉を貼るのに使います。グループ分の個数。

3.実際の学習の様子

イラスト 学習の様子1・2

子どもたちは、自分で気に入った葉を集めるという活動なので、進んでいろいろな葉を1人7枚ずつ集めることができました。集めた葉について班で話し合い、仲間分けの観点を自由に決める作業が楽しかったようです。その結果、子どもたちは、葉の大きさや形、手触りなどの特徴に気付きながら仲間分けすることができました。それぞれの班が5~8つの観点を考えることができると共に、自分たちで自由にグループに名をつける作業に夢中になっていました。また、何かの物や動物などに例え、グループに名前をつける班もありました。
教員が指示する活動ではなく、子どもたちが自ら進んで学習活動に取り組める内容です。友達との活発な学び合いの場にもなり、様々な考えや情報を交換できました。

イラスト 学習の様子3

4.子どもの感想(6年生の授業後の感想より)

葉っぱ分け…Kくん
 ~たくさんのちがいとおもしろさ~
今日の授業では本当にいろいろなことが分かった。葉の手ざわり、形、大きさ、いろいろな観点で見て、たくさんのちがいを探し出すことが出来た。そして、それには共通点もあった。葉が緑色だということはあたりまえだが、分けるのには、分ける楽しさ、そしておどろきがあった。そして協力して考えることも出来たので、いろいろな意味でたくさんのことを教えてくれた。またこのような、楽しく協力する授業を校長先生とやりたい。

校長先生との初めての授業…Bさん
初めて校長先生との理科の授業がありました。校庭の葉についての学習です。最初、校庭のうらへ行きました。校長先生に草笛を教えてもらいました。音はならなかったけど、とにかく楽しかったです。次、校長先生に袋をもらいました。何をするか校長先生に聞くと、
「いろんな葉を7~10種類入れてね」と言われました。私はぎざきざしている葉と大きな葉を入れました。それを読書自習室へ持って行きました。そして、班に分かれて葉のグループ分けをし、もぞう紙にはりました。スリムグループ、わかんねえよグループなど、いろいろと自由に考えました。また、他の班では、ふつうすぎグループなど、とにかくおもしろい考えがたくさんありました。すっごくすっごく楽しかったです。また授業お願いします。

葉っぱグループに仲間分け…Mさん
グループに仲間分けしたときは、すごく楽しかったです。最初はあまりうかばなかったグループ名もやっているうちにどんどんアイデアがうかんできました。毎日、生きている中でこんなに身近にある植物についておどろいたことがあります。一つはこんなに私たちの身近にあるものをくわしく調べると色々なことに気付きました。色や形、さわった感じもすごくおどろきました。仲間分けをするとこんなにふ段気付かないことがたくさんあり、それまで興味がなかった植物についても関心ができました。ふ段関心しない葉のことについて関心できたのは、やさしく教えてくれた校長先生のおかげです。

イラスト/ミセスモンタ(元東京都公立小学校教諭)


森田弘文

森田弘文(もりたひろふみ)
ナチュラリスト。元東京都公立小学校校長。公立小学校での教職歴は38年。東京都教育研究員・教員研究生を経て、兵庫教育大学大学院自然系理科専攻で修士学位取得。教員時代の約20数年間に執筆した「モンタ博士の自然だよりシリーズ」の総数は約2000編以上に至る。2024年3月まで日本女子大学非常勤講師。その他、東京都小学校理科教育研究会夏季研修会(植物)、八王子市生涯学習センター主催「市民自由講座」、よみうりカルチャーセンター「親子でわくわく理科実験・観察(植物編・昆虫編)」、日野市社会教育センター「モンタ博士のわくわくドキドキ しぜん探検LABO」、あきる野市公民館主催「親子自然観察会」、区市理科教育研修会、理科・総合学習の校内研究会等の講師を担当。著書として、新八王子市史自然編(植物調査執筆等担当)、理科教育関係の指導書数冊。趣味は山登り・里山歩き・街歩き、植物の種子採集(現在約500種)、貝殻採集、星空観察、植物学名ラテン語学習、読書、マラソン、ズンバ、家庭菜園等。公式ホームページはこちら。

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