小4国語「未来につなぐ工芸品」京女式板書の技術

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見やすく理解しやすい「単元別 板書の技術」元京都女子大学教授・同附属小学校校長 吉永幸司監修
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今回の教材は、説明文の「未来につなぐ工芸品」です。本単元では、「中心となる語や文を見つけて要約し、調べたことを書こう」が目標になります。そのため、本時では、中心となる語句や文を見付け、要約の仕方を学習します。子供たちに要約の仕方が理解できるような板書の工夫を紹介します。

監修/元京都女子大学教授
 同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/京都女子大学附属小学校教諭・酒井愛子  

 

単元名:中心となる語や文を見つけて要約し、調べたことを書こう
教材名:「未来につなぐ工芸品」(光村図書出版)

単元の計画(全12時間)

  1. 題名やリード文から工芸品に対するイメージを広げ、学習の見通しをもつ。
  2. 要約の仕方を学ぶ。
  3. 中心となる語や文を見付けて、要約する。
  4. 要約をもとに筆者の考えについてまとめ、考えたことを伝え合う。
  5. 工芸品に関する資料や図鑑を読み、友達に伝える。
  6. 学習を振り返り、リーフレット作りへ興味をもたせる。
  7. 工芸品についてのリーフレット作りの流れを確かめる。
  8. 紹介したい工芸品について詳しく調べ、分かったことを書き出し、整理する。
  9. リーフレットの組み立てや資料の使い方を考える。
  10. リーフレットを作る。
  11. (※10と同様)
  12. リーフレットを紹介し、感想を伝え合い、学習を振り返る。

板書の基本

〇「未来につなぐ工芸品」「工芸品のみりょくを伝えよう」という2教材から構成されている単元です。単元目標は「中心となる語や文を見つけて要約し、調べたことを書こう」となっています。つまり、読むことを通して習得した力を生かして、書くことに発展するという意図があります。

「工芸品」という話題のつながりがよく分かるので、子供たちにとって主体的に学習活動に取り組むことができます。しかし、ここで留意することは「中心となる語句や文」と「要約」です。話題の興味を深めながら、国語科の授業として言語力に配慮して板書を工夫する必要があると考えています。

〇主体的に文章を読む、書くという活動を促すポイントの1つに第1段落があります。説明文では、話題となることに読み手を引きつけるという工夫が必要です。「この説明文はおもしろい」や「よく分かる」という感想をもつ背景が第1段落にあるということです。工芸品という子供たちにとって身近ではない対象へ巧みに導いています。そのため、第1段落を丁寧に読ませるということを考えました。そこには、中心となる語や文の導きがあるからです。板書において「中心となる語や文を見つける」「要約の仕方」を理解させたいと考えています。

板書のコツ(2/12時間目前半)

小4国語「未来につなぐ工芸品」京女式板書の技術 2/12時間目前半の板書
2/12時間目前半の板書

板書のコツ①

日付、題名、めあてを書きます。めあては、「中心となる語や文をみつけ、要約しよう。」とし、「中心となる語や文」「要約」を明確にしました。

板書のコツ②

第1段落の教材文をカードにして、黒板に貼り、①何が書いてあるか、②どのように書いているかという2つの面から考えさせました。共通理解させることを目的に、第1段落は3つの文で成り立っていることを補足しました。「大事な言葉」「中心となる文」「中心となる語」の3つの観点で叙述を確かめることを促しました。子供からの「『工芸品』という語句が3回出てきているので、大事な言葉だと思います」という発表を受けて、「工芸品」と板書し、「何度も出てくる言葉」と板書しました。また、「題名にも『工芸品』という言葉が使われている」との発言があったので、「題名と関わりがある言葉」として指導しました。

板書のコツ③

次に「中心となる文」は3つの文のどれかを考えました。子供たちの意見は、2文目「みなさんが~とよばれています。」と3文目「日本各地で~売られています。」の2文に分かれたので、2つの文を板書しました。

さらにこの2文から「中心となる語」をしぼるという学習活動の場を設けました。「職人の手仕事で一つ一つ作られている工芸品」「その土地の気候やしげんをいかした伝統的な工芸品」にしぼられました。どちらにも出てくる語句「工芸品」に黄色チョークで二重線を引き、線で結びました。「その土地」の指示語について確認し、「日本各地」と緑チョークで書き込みました。

板書のコツ(2/12時間目中盤)

小4国語「未来につなぐ工芸品」京女式板書の技術 2/12時間目中盤の板書
2/12時間目中盤の板書

板書のコツ①

第1段落で学習したことを生かして第2段落を読むことを目的にしました。そのために、第2段落の文をカードにして黒板に貼りました。

板書のコツ②

第1段落で学習した「大事な言葉」「中心となる文」「中心となる語」を見付けさせました。繰り返し出てくる大事な言葉として「職人」が挙げられたので、カードに赤丸をしました。「中心となる文」は、「わたしは~仕事をしています。」「日本人の生活~考えています。」が大事な文であると意見がまとまりました。この2文からさらに「工芸品のよさを伝える仕事」「工芸品を未来の日本に残していきたいと考えています。」にしぼりました。

板書のコツ(2/12時間目後半)

小4国語「未来につなぐ工芸品」京女式板書の技術 2/12時間目後半の板書
2/12時間目後半の板書

板書のコツ①

学習した第1段落と第2段落を要約しました。それぞれの段落の中心となる語を用いて、要約文をノートに書かせました。要約をまとめるときのポイントとして次のことを押さえました。

1 職人は、丁寧に工芸品を作っていること。
2 筆者は、工芸品のよさを伝える仕事がしたいこと。
3 工芸品が減り、職人も少ないが工芸品を残していきたいこと。
4 工芸品を残したい理由が2つあること。

板書のコツ②

要約を書いた後、グループで要約を伝え合いました。各グループの発表を板書にまとめました。大事な言葉として「工芸品」「日本各地の」「筆者は考えている」は、チョークの色を変えて板書しました。

 

構成/浅原孝子

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