小5らくらくUnit 7「Welcome to Japan.」⑦⑧【モトヨシ先生のスライドde外国語】
パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 7「Welcome to Japan. ~日本の四季ポストカードを紹介しよう」第7、8時(いわき市にはどんな行事があるかを考えよう)の授業案です。
※本時(第7時、8時)のパワーポイントはありません。
執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
授業提案/福島県公立小学校教諭・木田智子・佐藤有美・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子
目次
目標と授業の流れ
○単元のゴール
留学生に「〇〇市のすてき」を紹介しよう。
○本時の目標
(第7時)いわき市にはどんな行事があるかを考えよう。
(第8時)留学生に「いわき市のすてき」を紹介しよう。
【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・What do you like ~? We have ~. I usually ~. You can ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・日本の四季や文化などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。
【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。
【話すこと】やりとり・発表
●知識・技能
〈知識〉
・What do you like ~? We have ~. I usually ~. You can ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
・日本の四季や文化などについてWhat do you like ~? We have ~. I usually ~. You can~. およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
・自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、日本の四季や文化などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを話そうとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本文化について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
・アルファベットの活字体の大文字・小文字を書く技能を身に付けている。
○言語材料
(表現)Why do you like ~? We have ~ in 〜. What do you do on ~? I usually ~. You can ~. It’ s ~.
(語彙)季節(springなど)、形(circleなど)、遊び(campingなど)、年中行事(birthdayなど)
本時の流れ(例)
<第7時>
- 挨拶
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- いわき市にはどんな行事や場所があるか考えよう
- Over the Horizon
- ふり返り
<第8時>
- 挨拶
- 留学生の自己紹介
- 単元のゴール、本時のめあての確認
- Small Talk
- 留学生に「いわき市のすてき」を紹介しよう
- 留学生の出身国の紹介を聞く
- ふり返り
各活動の流れ <第7時>
①挨拶
元気に明るく挨拶して、授業をスタートしましょう。
②単元のゴール、本時のめあての確認
単元のゴール「留学生に『いわき市のすてき』を紹介しよう」と本時のめあてを確認しましょう。
③いわき市にはどんな行事や場所があるか考えよう
本時(第7時)は、単元のゴール「留学生に『○○市のすてき』を紹介しよう」に向けた学習になります。5、6時間目では児童は学習した表現を駆使して、ALTに「日本の行事」を英語で伝える活動を行いました。本時は、児童の視点を「自分たちの地域」に向けて、いわき市にはどんな行事があるか、どんなおすすめの場所があるかなどの表現について、児童と学習を進めていきましょう。
前時と1点違うところは、「おすすめの場所」を学習内容に加えたことです。留学生も児童と同じ地域に住んでいます。定番の年中行事だけでなく、児童が実際に行ったことがあって、留学生にも行ってほしいなと思うおすすめのイベントや場所を紹介する活動は、「本物」の場面設定が成立する学習となります。また、児童が経験したことのある行事、イベント、場所は、そこに児童の「想い」があるので「伝えたいな」「言いたいな」という気持ちのこもった表現が増えます。
例えば、経験したことがある場合の It’s fun. と経験したことがない場合の It’s fun. では、言い方も伝え方も変わるでしょう。そのような細かなことでも児童に意識させることで、授業の質は一気に高くなります。
児童から出てきた、いわき市の行事やイベント、おすすめの場所の写真を、第8時では以下のように黒板に貼って使うので、印刷して準備しておきましょう。
児童には、What events and festivals do you have in Iwaki? と聞き、児童から知っている行事やイベントを引き出し、黒板に書いていきます。また、同じように、おすすめの場所も児童に聞いてみましょう。英語のみでは難しいので、What “おすすめの場所” do you have in Iwaki? と聞いてみてもよいと思います。児童がこれまでに学習してきた表現 We have ~. の形で言えるように促しましょう。学習形態は個人・ペア・グループ、いずれでもよいと思います。実態に合わせて行ってみましょう。
おすすめの場所に関しては、いわき市でいえば「スパリゾートハワイアンズ」のような有名な場所だけでなく、地域にあるおいしいパン屋さんなどを児童が「おすすめの場所」として伝えたいと考えることもあるでしょう。例えば、パン屋さんにその児童が大好きなメロンパンがあるとすれば、You can eat delicious melon bread. と紹介する児童もいると思います。また、いわき市の中でどの地域にあるのか、It’s in 場所. で表現することを指導することで、次時に向けて1つ表現を増やすこともできます。また、前もって、おすすめしたい場所に行って見てくるのも、よい事前学習になると思います。
④Over the Horizon
③の学習の進み具合によっては、ここで教科書の Over the Horizon を行うこともできます。
⑤ふり返り
本時の学習をふり返り、全体で共有しましょう。
各活動の流れ <第8時>
①挨拶
元気に明るく挨拶をして、授業をスタートしましょう。
②留学生の自己紹介
本時(第8時)では、留学生2名に来てもらって、児童は留学生に「いわき市のすてき」を伝える活動を設定しました。このときの授業では、ウクライナの学生2名が来てくれました(留学生にお願いするのが難しい場合は、ALTに伝えるという活動でもよいでしょう)。
まずは、留学生に自己紹介をしてもらいましょう。
ここでできる工夫は、留学生に自己紹介をしてもらう前に、児童から英語で、留学生にたくさん質問をさせてみることです。スタートはきっと、What’s your name? から始まるでしょう。今まで学習したことをここで活用する場面にすることもできます。When is your birthday? とUnit 2 の学習から誕生日がいつか尋ねる児童もいれば、What ○○ do you like? と、3、4年生で学習した表現で好きなものを聞く児童もいるでしょう。留学生からの自己紹介にするか、児童の質問形式にするかは、実態に合わせて判断してください。
③単元のゴール、本時のめあての確認
単元のゴール「留学生に『いわき市のすてき』を紹介しよう」を確認しましょう。また、本時はどんなことを目標にがんばるか、児童といっしょに「めあて」を考えることもできます。
④Small Talk
5時目に行ったペアでのやり取りを行います。ただし、本時は留学生がいるので、留学生とのやり取りも行いましょう。以下のように工夫して行うことができると思います。
- Small Talkを行う前に、留学生に好きな季節や理由を聞く。
- Small Talkのペア学習に入ってもらい、多くの児童が留学生とやり取りをすることができるようにする。
- Small Talkの終わりに留学生と児童のペアでやり取りを発表する。
⑤留学生に「いわき市のすてき」を紹介しよう
これまでに学習してきたことをいよいよ留学生に伝える活動です。自分たちの住んでいる地域を紹介するために、児童がどのように伝えるか楽しみでもあります。ここまで学習が進むと、「がんばれ!」と児童を応援し、そして児童を信じる一心でいる自分に気付くこともよくあります。児童の様子を見取りながら5、6時目と同じように授業を進めていきましょう。
英語で進めるには、以下のように行ってみてはいかがでしょうか。黒板には、前時に用意した行事・イベントのカードを春夏秋冬の順で貼っておきましょう。
We have many festivals and famous places in Iwaki. Do you know all of those festivals and places?(黒板に貼ってある行事・イベントカードを指さしながら留学生に聞く)
(留学生)I know this one. This is a firework festival.
That’s right.
(留学生)But I don’t know this one. What is this?
いわきおどり!
(留学生)What is that?
留学生の〇〇さんが「いわきおどり」について教えてほしいって言ってるね。どうやって伝えればいいかな。グループで考えてみましょう!
この後の流れは5、6時目と同じようになります。詳しくはこちらで確認してください。3つか4つの行事やおすすめの場所を扱い、授業を進めていきましょう。
⑥留学生の出身国の紹介を聞く
授業の最後に、留学生にこの単元で学習した表現を使ってもらって、出身国の行事やイベントなどを紹介してもらう時間を設けました。留学生は持参したウクライナの写真などを見せながら紹介してくれました。児童は、日頃見ることがない外国の行事の様子などに、目を輝かせて聞いていました。
⑦ふり返り
本単元の学習をふり返り、全体で共有しましょう。日本の行事や地域のイベントなどを紹介し、ALTや留学生に「すてきだね」「行ってみたい」などの感想をもらうことで、児童自身も日本や地域のよさを改めて感じることができたと思います。そのような内容を教師が話して授業を終えるとよいでしょう。
※本時(第7時、8時)のパワーポイントはありません。
居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。
本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。
構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美 アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子