小5体育「体つくり運動」指導アイデア
執筆/広島県公立小学校教諭・濵田一旨
編集委員/国立教育政策研究所 教育課程調査官・高田彬成、広島県公立小学校校長・平岡弘資
目次
授業づくりのポイント
4 月、新しく高学年としてスタートする五年生は、心も体もやる気に満ち溢れていると思います。そのような子供には、年度始めに体つくり運動をすることをおすすめします。
その理由は3つあります。①仲間と協働して活動することで、よりよい学級の雰囲気作りにつなげられます。②学級開きをしたばかりの子供同士の理解を図るとともに、教師は人間関係を把握できます。③楽しい運動によって、体育の授業に対する前向きな気持ちを育めます。
体つくり運動は、「体ほぐしの運動」と「体の動きを高める運動」の2つの運動に分かれています。体を動かす楽しさや心地よさを味わい運動好きになるとともに、心と体との関係に気付いたり、仲間と交流したり、さまざまな基本的な体の動きを身に付けて、体の動きを高めたりして、体力を高めるために行われる運動です。
体つくり運動は子供にとって、仲間と楽しく運動することで運動や体育がますます好きになれるよさがあります。教師は、子供が学んだことを生かして授業以外でも取り組みたくなるような授業を行いましょう。
単元計画の例(全7時間)
※ 本単元では、主として体の柔らかさ及び巧みな動きを高めることに重点を置いた単元計画となっています。
体ほぐしの運動(単元前半)
人数を変えたりテンポを変えたりすることで、運動の楽しさや心地よさも変わってくるため、意図的に運動の組み合わせ方やテンポを変えて授業を行うことが大切です。また、自分や友達の体や心の変化への気付きを促すよう、発達の段階に応じた行い方や言葉がけを工夫することが必要です。仲間と関わりながら運動する楽しさが味わえるように、1人の場面、複数の場面を意図的に分けて、運動を通して感じたことを確かめながら授業を展開するとより効果的です。
①やや活動的な運動
風船運び
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一人ウォーキング
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手つなぎフープリレー
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②ゆったりと静的な運動
ボールストレッチ
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ボールペアストレッチ
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棒ペアストレッチ
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③気持ちを合わせて活動的な運動
馬跳びリレー
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シグナルランニング
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しゃがみウォーク
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あったら便利な教具
用具が揃わない時には新聞紙がおすすめです。
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授業の流れは、自分や友達の体や心の変化への気付きをもてるように①やや活動的な運動⇒②ゆったりと静的な運動⇒③気持ちを合わせて活動的な運動で構成し、その都度気持ちや体の変化について話し合う場面をつくるとよいでしょう。
体の動きを高める運動(単元後半)
運動のねらいに迫るため、子供や各学校の実態を踏まえながら、ある程度のまとまった時間を位置付けることが必要です。また子供自身が、自分や友達の体力の伸びがわかるように取組前後の結果や様子をワークシートに記録しておくとよいでしょう。ビデオを活用すると、自分自身を客観的に観ることができ、子供の気付きにつながります。また学習評価にも活用できます。
第5時では、子供が6つのグループに分かれて、次の6種類の運動をローテーションで回ります。第6・7時では、自分の体の動きに応じた運動を選んで取り組みます。
体の動きを高めるためには、人数、回数、距離、時間、姿勢、用具、方向などを変化させて運動を工夫しながら行うことが大切です。
ICT活用
- 音楽で静的な雰囲気や活動的な雰囲気をつくれます。
- 動き方を確認し、ポイントを見付けたり、工夫を考えたりできます。
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体の柔らかさを高めるための運動
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巧みな動きを高めるための運動
イラスト/たなかあさこ
『小五教育技術』2018年4月号より