小6社会「世界の課題と日本の役割」指導アイデア
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
国士館大学教授・秋田博昭
目次
年間指導計画
・日本国憲法とわたしたちの生活
・政治の働き・社会保障
・むらからくにへ
・天皇中心の国づくり
・日本風の文化
・源頼朝と鎌倉幕府
・今に伝わる室町文化
・織田・豊臣の天下統一
・江戸幕府と政治の安定
・町人の文化と新しい学問
・明治維新と新しい国づくり
・世界に歩みだした日本
・長く続いた戦争と人々のくらし
・戦後の新しい日本
・つながりの深い国々(国際交流)
・世界の課題と日本の役割
目標
グローバル化する世界と日本の役割について、地球規模で発生している課題の解決に向けた連携・協力などに着目して、地図帳や地球儀、各種の資料で調べ、まとめ、国際連合の働きや我が国の国際協力の様子を捉え、国際社会において我が国が果たしている役割を考え、表現することを通して、我が国は、平和な世界の実現のために国際連合の一員として重要な役割を果たしたり、諸外国の発展のために援助や協力を行ったりしていることを理解できるようにするとともに、主体的に学習問題を追究・解決し、学習したことを基に、今後、我が国が国際社会において果たすべき役割について考えようとする態度を養う。
評価規準
知識・技能
①地球規模で発生している課題の解決に向けた連携・協力などについて、地図帳や地球儀、各種の資料で調べて、必要な情報を集め、読み取り、国際連合の働きや我が国の国際協力の様子を理解している。
②調べたことを図表や文などにまとめ、我が国は、平和な世界の実現のために国際連合の一員として重要な役割を果たしたり、諸外国の発展のために援助や協力を行ったりしていることを理解している。
思考・判断・表現
①地球規模で発生している課題の解決に向けた連携・協力などに着目して、問いを見いだし、国際連合の働きや我が国の国際協力の様子について考え、表現している。
②地球規模で発生している課題の解決策と我が国の国際協力の様子を関連付けて、我が国が国際社会において果たしている役割を考え、適切に表現している。
主体的に学習に取り組む態度
①グローバル化する世界と日本の役割について、予想や学習計画を立てたり、学習を振り返ったり見直したりして、学習問題を追究し、解決しようとしている。
②学習したことを基に、グローバル化する国際社会において、今後、我が国が果たすべき役割について多角的に考え、自分の考えをまとめようとしている。
学習の流れ(8時間扱い)
問題をつくる 2時間
- 地球規模で発生しているさまざまな課題について話し合い、学習問題を設定する。
(学習問題)
課題を解決するために、世界の国々や日本はどのような役割を果たしているのだろう。
- 学習問題に対する予想を基に話し合い、学習計画を立てる。
追究する 4時間
- 国際連合の仕組みや取組を調べる。
- ユニセフの取組や日本との関わりを調べる。
- 日本のODAの取組について調べる。
- ODA以外の日本の国際協力の取組を調べる。
まとめる 2時間
- 調べてわかったことを基に、学習問題に対する自分の考えをまとめる。
- これからの日本が、国際社会において果たすべき役割について話し合う。
問題をつくる
地球規模で発生しているさまざまな課題について、気付いたことや考えたことを話し合い、学習問題を設定する。(1/7時間)
導入のくふう
紛争、環境破壊、貧困、自然災害などの様子について話し合うことで、世界には解決すべき課題が多くあることに気付くとともに、関心をもって主体的に追究できるようにする。
1時間⽬
地球規模で発生しているさまざまな課題について話し合い、学習問題を設定する。
この写真を見て、気付いたことを話し合いましょう。
舟から荷物を降ろしています。船にはたくさんの人が乗っています。
これはいつの写真なんだろう。船の形をみると、ずいぶん古い船のように思えます。
この人たちは「難民」といって、紛争などによって、自分たちが暮らしていた国や地域から逃げなくてはならなくなってしまった人たちです。世界には、この難民問題のようにさまざまな課題があります。みんなで見ていきましょう。
世界の各地で、多様な課題があることがわかりました。自然の力によって起こるものもあれば、人間が協力して変えられそうなものもありますね。
開発途上国では食料不足などの問題があります。自然災害や環境破壊、感染症は世界中で起こっています。こうした問題は、世界の人々のためにも、解決しないといけないと思います。
SDGsの取組は、これらの課題と関係していると思うよ。だれが、どのような取組をしているのか、調べていきたいな。
世界の課題を解決するために、だれがどのようなことをしているのだろう。
※2時間目は、学習問題に対する予想を基に話し合い、学習計画を立てる。
追究する
国際連合の働きや我が国の国際協力の様子について調べる。(3、4、5、6/8時間)
調べ方のくふう
ユニセフやODAの働きを調べる際に、日本も戦後や災害発生時に支援を受けたことや、拠出額が変化してきていることなどを示すことで、国際社会の中で我が国の役割が変化していることや、現在、大きな役割を果たしていることを捉えることができるようにする。
5時間⽬
日本のODAの取組について調べる。
イラスト/高橋正輝、横井智美