学級締めくくりの集会 〜次の学年へのステップ&総決算
1年間の最後に行う集会は、これまで行ってきた集会の経験を生かし、子供たちの力が十分に発揮できるものにしていきましょう。また、この集会を通じて、子供たちが「楽しかった」ということを思いきり感じることができるようにしたいものです。「楽しかった」という思いが、この1年間に対する達成感や満足感につながるからです。まずは、集会が終わったとき、「この学級でよかった」「自分ってよいところがあるな」と笑顔になっている子供たちを想像してください。そのために、集会の方法や内容について工夫していくことが大切です。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・木村綾子
目次
集会のめあてを決める
学年最後の集会をどんな集会にしたいかを子供たちと決めていきます。
「集会が終わったときにみんなが笑顔でいられる集会にしたい」「みんなの力を合わせて、集会を大成功させたい」「みんなのよいところを集めた集会にしたい」などといった、子供たちの思いを入れためあてにしていきましょう。
集会のめあて
『みんなのもち味を集めて、なかよしパワー全開集会をしよう』
集会の内容を決める
1年間の思い出をふり返るアイデア
- 思い出ランキング
- 思い出ビンゴ
- 思い出すごろく
- 思い出バスケット など
その他のアイデア
- 一人一人、クラスのみんなに一言メッセージを伝える
- 保護者や学校で関わった教職員、地域の方などから、「○○をがんばっていたね」というメッセージを事前にもらっておき、子供たちに伝える
- 学級目標をみんなで言う(学級の歌やポーズがあれば、それも一緒に)
- みんなで記念撮影をする など
子供たちに、事前に思い出アンケートをとっていくのも一つの方法です。
役割を決める
あてや内容が決まったら、次は役割分担をします。学級全体での一体感を味わえるよう、1人1役で参画するなど全員が活躍できるようにしましょう。
- 普段行っている係活動のグループを使う
- 生活グループを使う
- やりたい役割ごとに新しくグループをつくる
役割分担の方法はいろいろあります。学級の実態に合わせて決めていきます。この小グループで自分たちの役割をしっかりと果たせるように、教師は支援していきます。
活動計画を立てる
集会までに準備しておくことを確認します。
見通しをもって活動に取り組めるように、「いつ、誰が行うのか」ということまで記入できる計画表を準備しておき、計画を見える化します。
この計画表は、いつでも子供たちが見られるように教室内に掲示しておきます。準備の様子を自分たちで確認できるようにしたいからです。
また、はじめに立てた計画を変更したり、新たにやることが出てきたりすることもあります。そのようなときには、計画表に書き込めるようにしておくとよいでしょう。
リーダー会議
それぞれの役割で準備を進めますが、できればグループのリーダー会議を行うことをお薦めします。会議の中では、それぞれ行っていることを伝え合います。そうすることで他のグループにも目を向けることができるでしょう。
他のグループの活動が見えると、他のグループのがんばっているところを見付けることができます。「どのグループも楽しいことを考えて準備してくれているね」「○○グループの人たちのアイデア、いいね」など、互いに認め合う発言が生まれることが期待できます。
集会のあとに、互いにメッセージを贈り合う活動を考えている場合には、リーダー会議を通して「よさ見つけ」を行っておくことで、より具体的ながんばりを見付けることができます。
学級会
準備を進める中で、「どうしよう。みんなに聞いてみたいな」と思うことが出てきたときは、学級会で取り上げて、学級全体で決めていくようにします。
その後、みんなで話し合って決まったことを実行します。
集会
「思い出いっぱい4の1フラワー なかよしパワー全開集会」
子供たちが、「あのとき、○○だったよね」「そうそう、△△で楽しかったね」などと言い合い、思いを共有できるようにしましょう。
このような共通体験が子供たちの一体感を深めていきます。そのためにも、共通体験をクラス全員で共有できる場を設定します。
1年間の最後に、「このクラスでよかった」「自分もがんばったな」「みんなのおかげで楽しかった」という思いがもてるようにしましょう。
学級の集会だけでなく、学年の集会に広げていくこともできるでしょう。
また、自分たちが楽しむことはもちろんですが、「この1年間でお世話になった方たちに感謝の気持ちがもてる」内容を入れるのもお薦めです。
学級や学年、学校の実態に合わせて工夫していけるとよいでしょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2022年2/3月号より