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6年算数「拡大図と縮図」指導例

2019/9/26

執筆/埼玉県さいたま市立木崎小学校教諭・清水武蔵
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・笠井健一、埼玉県さいたま市立大砂土小学校校長・書上敦志

本時のねらいと評価規準

(本時の位置7/8)

ねらい
縮図を描いて、実際の長さを求めることができる。

評価規準
・直接測れない長さを求めるには、縮図を用いればよいことに気付き、用いようとしている。(関心・意欲・態度)
・直接測ることのできない長さを、縮図を描いて求めることができる。(技能)

問題

下の図は、はるかさんが校舎から10mはなれた所に立って、校舎の上はしAを見上げている様子を表したものです。下の図の校舎の実際の高さは、何mですか。

問題の図

実際に測ることはできますか。

直接は測れない。難しいと思います。

どのようにすれば、高さを求めることができますか。

前の時間みたいに、縮図を描けばできそうです。

点A、点B、点Cを三角形と見て、縮図にします。

どの部分が高さになっていますか。

辺ACが高さになっています。

どのくらいの縮尺がよさそうですか。

[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] はどうかな。

[MATH]\(\frac{1}{200}\)[/MATH] なら、あまり大きくならなくて描けそう。

[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] や [MATH]\(\frac{1}{200}\)[/MATH] の縮尺で縮図を描いて、高さを求めましょう。

本時の学習のねらい

直接測れない長さを、縮図を描いて求める方法を考えよう。

見通し

問題提示の後に、実際に測れない場合は、どのようにして求めるかを話し合います。今回の問題では、点A、点B、点Cを頂点とする三角形ABCとして見て、縮図を描いて求める方法を考えることを課題とします。 前時までに縮尺を学習しているので、縮尺をどのくらいにするかについても触れるとよいでしょう。今回は、 [MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] と [MATH]\(\frac{1}{200}\)[/MATH] の縮尺で自力解決できるようにしています。

自力解決の様子

A つまずいている子
・縮図を描く際に、辺BCの10mを何㎝にすればよいか分からない。
・縮図をどのように描くかが分からない。
・1.4mを足していない。


B 素朴に解いている子
[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] の縮図を描いて解いている。
・辺BC= 10㎝
・角B= 50°
 角C= 90°
・頂点Aと頂点Cを結び長さを測る。
・辺AC=約12㎝
・12 × 100 = 1200
 1200㎝= 12m
 12m
・12 + 1.4 = 13.4
 約13.4m

素朴に解いている子

C ねらい通りに解いている子
長さに合わせて縮尺を選び、考え方を説明している。
辺BC=5㎝になって描きやすいので、[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] の縮尺で考えました。
角B= 50°、角C= 90°、頂点Aと頂点Cを結び、長さを測ると、辺AC=約6㎝なので、
6× 200 = 1200
1200㎝= 12m
12m
12 + 1.4 = 13.4
約13.4m

学び合いの計画

つまずいている子供に対しては、辺の長さや角の大きさ、既習の三角形の縮図の描き方を一緒に確認しながら描くようにします。全体での発表の際には、どの情報があれば縮図が描けるのかを考えられるようにするとよいでしょう。また、 [MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] と [MATH]\(\frac{1}{200}\)[/MATH] の縮尺の縮図を比べて、どちらの縮図が描きやすいかを考えます。子供によって描きやすさに違いがあるので、なぜ描きやすいのか、根拠を聞くとよいでしょう。

全体発表とそれぞれの考えの関連付け

どのようにして描きましたか。

[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] の縮尺なので、辺BCを10㎝にしました(縮図の描き方を説明する)。辺ACの長さが12㎝になりました。

12 × 100 = 1200 なので、実際の辺ACの長さは12 mです。

目の高さが1.4 mなので12 + 1.4 = 13.4 で、13.4 mです。

[MATH]\(\frac{1}{200}\)[/MATH] の縮尺の縮図はどうでしたか。

[MATH]\(\frac{1}{200}\)[/MATH] の縮尺の時は、辺BCが5㎝になります。 縮図を描くと辺ACは6㎝になりました。

6× 200 = 1200 で実際の長さは12 mで、12 + 1.4 = 13.4 で13.4 mになります。

どの部分が分かれば、縮図を描くことができますか。

どちらの縮尺も辺BCと角B、角C= 90°が分かれば描けました。

どちらの縮尺が描きやすかったですか。

[MATH]\(\frac{1}{100}\)[/MATH] の縮尺は、図が大きくて描きやすいし、見やすかったです。

[MATH]\(\frac{1}{200}\)[/MATH]の縮尺は、少し小さくてノートに描きやすく、長さを測るのも簡単でした。

ノート例

ノート例
クリックすると別ウィンドウで開きます

まとめ

直接測れない場合は三角形ABCとして見て、縮尺を考え、辺BCと角B、角C= 90°を調べて縮図を描くと、辺ACの実際の長さを求めることができる。

評価問題

川の幅ABの実際の長さは何mですか。縮図を描いて求めましょう。

評価問題

子供に期待する解答の具体例

今回はBC= 20 mで、4㎝にしたいので、縮尺を [MATH]\(\frac{1}{500}\)[/MATH]にしました。BC=4㎝、角C= 40°、角B= 90°になります。縮図を描くと、辺AB=3.4㎝になるので、3.4 × 500 = 1700
1700㎝  約17 m

解答の具体例

本時の評価規準を達成した子供の具体の姿

直接測れない長さを縮図に描いて、求めることができている。

感想例

縮図を描いて長さを測ると、実際の長さを求めることができました。

ノートに描きやすい縮尺を考えて、実際の長さを考えることができました。

ワンポイントアドバイス

埼玉県さいたま市立大砂土小学校校長・書上敦志

第六学年では、2つの数量の関係に関わる数学的活動を通して、比の意味や表し方を理解し、数量の関係を比で表したり、等しい比をつくったりすることを指導します。

本事例では、日常の事象における数量の関係に着目し、線分図や式などを用いて数量の関係の比べ方を考察します。等しい比の性質や比の値を日常生活に生かすことをねらいとしています。

また、第六学年では、平面図形に関わる数学的活動を通して、縮図や拡大図について理解することをねらいとしています。

本事例では、実際には直接測ることのできない長さを求める際に、拡大・縮小のアイディアを用いることで、解決できるよさを味わわせる場面です。実生活の中で算数の考え方が生かされる経験を積むことで、進んで生活に生かそうとする態度を育てていきます。

問題場面と同様に、校舎からの長さや角度を測って校舎の高さを求めたり、縮図を活用して求めた川幅が実際にその数値に近い値となるか、校庭に作図して確かめたりする活動を取り入れ、子供にとって実感を伴う学習が展開できるとより効果的です。

6年算数 比と比の値 もご覧ください。

イラスト/横井智美

『小六教育技術』2018年9月号より

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