小1生活「もうすぐ2年生」指導アイデア

執筆/青森県公立小学校教諭・川越久美子
編集委員/前・文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官/愛知淑徳大学准教授・加藤智、青森県六ヶ所村教育委員会・学務課指導グループマネージャー・木村智

期待する子供の姿

知識及び技能の基礎

自分自身の生活や成長をふり返る活動を通して、自分自身の成長や様々な人が自分の成長を支えてくれていることに気付く。

思考力、判断力、表現力等の基礎

自分自身の生活や成長をふり返る活動を通して、過去と現在の自分を比較したり、支えてくれた人々について考えたりすることができる。

学びに向かう力、人間性等

自分自身の生活や成長をふり返る活動を通して、これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもち、自分のこれからの成長に願いをもって意欲的に生活しようとする。

単元の流れ(9時間)

1年間をふり返り、「成長すごろく」をつくろう
(4時間+家庭での活動)

  • 写真や学習の記録を見ながら、入学以降の出来事をふり返る。
  • 家庭からも、1年間の出来事の聞き取りを行う。
  • 楽しかったことやできるようになったことを「メモリーカード」に記入し、季節ごとに整理していく。
  • 「メモリーカード」を季節ごとの台紙に貼ってつなげ、自分の「成長すごろく」をつくる。
  • 自分の成長をふり返り、感想を書く。

評価規準等
1年間の学校生活において、自分でできるようになったことが増えていることに気付いている。

※評価規準等の=知識・技能、=思考・判断・表現、=主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。

すごろく例
「~くんが『いっしょにあそぼう」といってくれました。おともだちができて、うれしかったです。」「うんどうかいでダンスをがんばりました。上手におどれたねと、うちの人にほめてもらいました。」

みんなで「成長すごろく」で遊ぼう(3時間)

  • 1年間でお世話になった人を招待して「成長すごろく」で遊ぶ。
  • すごろくを作った人の成長や思い出に対する感想を「メッセージカード」に書き、それを交換して伝え合い、すごろくに貼る。
  • 自分の成長をふり返り、感想を書く。
子供1「教えてもらったお手玉ができるようになって、うれしかったな」子供2「六年生にお掃除
を教えてもらってできるようになったね」

評価規準等
自分や友達の成長に関心をもち、自分の成長や友達の良さを見付けようとしている。
過去の自分と現在の自分を比べ、自分らしさや成長し続ける自分を捉えている。

もうすぐ2年生になるよ(2時間+家庭での活動)

  • すごろく遊びをして思ったことを発表し合う。
  • 2年生になってできるようになりたいことを「未来カード」に書き、「成長すごろく」の最後に貼る。
  • 家に「成長すごろく」を持ち帰って家族と遊び、家族からも「メッセージカード」を書いてもらい、すごろくに貼る。
  • 「もうすぐ2年生の自分へ」と題して、自分に手紙を書き、発表会をする。

評価規準等
自分の成長を支えてくれた様々な人との関わりをふり返り、自分の成長へ願いをもち、これからの生活について考えている。
自分の成長を支えてくれた人々と友達の存在や自分との関わりに気付いている。
これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもち、意欲的に生活しようとしている。

活動のポイント1 
温かい言葉がけでお互いの成長を認め合い、次へのやる気につなげよう

この単元は、自分の成長を実感することが大切です。子供たちが自分の成長に気付くことができるように、1年間で取り組んできた活動をふり返る資料や情報をなるべく多く準備します。

タブレット端末に撮りためておいた行事写真や生活科の観察カード、他の単元のふり返りカード、他教科の学習で作成した作品やプリントなども見返せるように整理しておきましょう。

そして、教師が「お掃除ができるようになったね」「漢字が書けるようになったね」などと声かけをし、目に見えるように掲示していきます。

「成長すごろく」で遊んだときの「メッセージカード」も、先ほどの掲示したお手本を例にして、アドバイスではなく、友達の良いところやがんばったことを見付けようという視点で書くことを共通理解します。

また、書いた「メッセージカード」は、必ず声に出して読んで相手に届けます。様々な人に声に出してほめてもらうことで自己肯定感が高まり、今後の活動へのやる気や自信につながります。

子供1「あさがおのお世話をがんばったから、きれいな花が咲いたね」子供2「学校探検でたくさんの
先生の名前を覚えたね」
子供「牧場に行った絵をがんばって描いたな」

活動のポイント2 
様々な人と再び触れ合い、感謝の気持ちをもてる活動にしよう

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小一小二』2022年2/3月号より

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