小3らくらくUnit 7「This is for you.」④【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業
小3【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 1 Unit 7「This is for you. カードを送ろう」第4時のらくらく授業の進め方です。

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学校3年生の「Let’s Try! 1」のUnit 7「This is for you. カードを送ろう」全5時の4時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

【本時の目標】
受け取る人がよろこぶような「ありがとうカード」を作ろう!
【単元のゴール】
「ありがとう」を伝えたい人にThank youカードを作って、紹介しよう!
【単元の目標】
〇日本語と英語の音声の違いに気付き,形の言い方や、欲しいものを尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
〇欲しいものを尋ねたり答えたりして伝え合う。(思考力、判断力、表現力等)
〇相手に伝わるように工夫しながら,自分の作品を紹介しようとする。(学びに向かう力、人間性等)

【言語材料】
○相手に伝わるように工夫しながら、自分の作品を紹介しようとする。(学びに向かう力、人間性等)
○want, this, a, for 状態・気持ち (big, small) 形 (square, rectangle, star, diamond), bus, flower, shop, balloon, house, car, candy 動物 (dog, cat, panda, mouse, bear)
[既出]I like (blue). Do you like (blue)? Yes, I do. / No, I don’t. I don’t like (blue). What (sport) do you like? How many(apples)? 形、色、数 (1~30)、tree

単元の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. チャンツ
  3. めあての確認
  4. ありがとうカードの下書き
  5. ショッピング活動
  6. ふりかえり

各活動の流れ

本時では、前時でも使った形の色カードがたくさん必要になります。ワークシートをダウンロードできるようにしてありますので活用ください。たくさんの枚数が必要となりますので、事前に準備をするとよいと思います。

パワーポイントといっしょにダウンロードできます

①挨拶

挨拶のあとに Unit 5までに学習した What ○○ do you like? 等の質問を児童にしてみてもよいでしょう。

②チャンツ

第2時第3時で行ってきたチャンツです。これまでと同じように行いましょう。

③めあての確認

④「ありがとうカード」下書き

ありがとうカードの表、裏の例をいくつか提示し児童が活動のイメージを持てるようにしましょう。前時にクイズを作成するために、注文書の記入を行っているので、今回も同じように行うことでスムーズにショッピングの活動を進めることができると思います。

表側では名前を書くところの、 to 送る人の名前from 自分の名前、の部分はしっかりおさえておきましょう。

児童が作成した「ありがとうカード」裏側の例

ありがとうカードの裏の例は、どの程度見せるか実態に合わせて考えてみてください。

児童は今まで形を組み合わせたチャンツを行ったり、クイズを出すために形を組み合わせる活動を行ったりしてきていますが、ありがとうカードを作成する時に、どんな絵にするかは個人差があり時間がかかります。そのため工夫の一つとして、3時間目の最後に次時の学習内容の話をして、事前にある程度どんな絵にするか考えさせておくと、学習の継続性ができます。また、授業内での活動の時間短縮にもつながり、英語でのやり取り、つまりアウトプットに時間を割けるようになります。

イムラ先生のここがポイント
ブルームの認知スキル分類法Bloom’s Taxonomy

ベンジャミン・ブルーム(Benjamin Bloom)は共同研究者と、1956年に教育における「認知スキル分類法」を考案しました。Bloom’s Taxonomyと呼ばれるこの分類法は、以下6つの認知スキルから成り立っています。
1. remember 記憶する
2. understand 理解する
3. apply 応用する

4. analyze 分析する
5. evaluate 評価する
6. create 創造する

一般に、1から3はLOTS (lower order thinking skills)低次思考スキル、4から6はHOTS(higher order thinking skills)高次思考スキルと位置付けられています。言語教育において、まず理解したものを暗記し、さらにそれを使うというプロセスは欠かせませんが、言語を使ってある内容を分析し、評価し、さらに想像する活動につなげることで、習得がさらに促されます。
この授業では、色、形、数の英語を使いながら、児童がLOTSとHOTSの両方を使うように構成されています。覚えた単語やフレーズをショッピング活動で使いながら、色と形を組み合わせてThank you cardをつくるという、創造的な活動に発展させています。このように認知スキルをフルに使うことによって、より深い学びを促しています。
Bloom’s Taxonomy | This graphic, released under a Creative C… | Flickr

⑤ショッピング活動

ありがとうカードの絵の下書きと注文書を記入したら、会話のやり取りを全員で発話し、実際のショッピングの活動へ移りましょう。前時で、クイズを作る時にショッピングの活動をしているので、スムーズに行えると思います。

このような活動の場合にも、中間指導を行いましょう。児童同士のやり取りを見取り、よい例を発表させ、友達のよいところを後半の活動に生かせるようにしましょう。また、使用言語がある程度言えているなと感じた場合は、挨拶を最初にさせてみたり、リアクションを付け加えたりして、後半に表現の幅が広がるように中間指導を行えるとよいでしょう。

机間指導をしながら
欲しいものを尋ねたり答えたりして伝え合う。(思考力、判断力、表現力等)
相手に伝わるように工夫しながら、自分の作品を紹介しようとする。(学びに向かう力、人間性等)
を評価をしていきましょう。

⑥ふりかえり

本時のめあてから振り返りを行いましょう。児童の感想を全体で共有し、称讃しましょう

居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。

パワーポイント(スライド)ダウンロード

※ダウンロードデータのサンプルをご覧になりたい場合は、こちらの記事にある無料ダウンロードを参考にしてください。

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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