学校生活で今だからこそ取り組みたい感染症予防のポイント
新型コロナウイルスの影響で、いろいろなことがこれまでのように進めることができなくなっています。各学校でも当番活動などの取り組み方の見直しを迫られていることでしょう。感染症対策のポイントを押さえながら、よりよい活動ができるような工夫をしていきましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵
目次
掃除では…
みんなが触る場所に注目する
ドアの取っ手や電気のスイッチ、階段の手すりなど、みんなが触る場所はウイルスが付着しているかもしれず、要注意です。
そこで、自分たちが掃除をする場所の中で、みんなが触る場所はどんなところか考える機会を設けます。そうすることで、普段何気なく触れている場所でも注意する必要があることに気付くことができます。また、みんなが触るような場所を避ける姿勢が掃除の際に身に付くことが期待できます。
みんなが触る場所に注意喚起するポスターを貼ったりする活動もできるでしょう。
話さずに掃除を行う
掃除の時間には、互いに声をかけ合って進めていくことが一般的ですが、どうしても子供同士の距離が近付いてしまい、飛沫飛散が心配になることがあります。
そこで、話さずに掃除を行うことにチャレンジしてみましょう。はじめは「掃除に関係のないことは話さない」という約束からスタートします。慣れてきたらだんだん「なるべく話をせずに掃除をする」という約束に取り組んでいきます。すると、子供たちはジェスチャーで相手に伝えようとするなど、工夫して取り組み始めます。
さらに慣れると、互いにアイコンタクトで意思疎通できるようになります。これまでの掃除の経験で見通しをもって進められるため、会話でのコミュニケーションがなくてもできるのです。静かな教室で、集中して掃除に取り組むよさを感じることができるでしょう。
給食では…
1列ごとに取りに来る
給食の時間でもさまざまな感染症対策が各学校で行われていることでしょう。給食でどんなときに密になりやすいかを考え、対策を取ります。
一般的に給食を取りに行ったり、返しに行ったりする際には列に並びます。そのときに子供同士の距離が近くなることが多いのではないでしょうか。そこで、1列ごとに取りに行ったり返しに行ったりするようにします。そうすることで、列に並ぶ人数も少なくなり、間隔を空けやすくなります。
「列の一番後ろの人がここまで並んだら、次の列が立つ」のように、並び方のルールを決めておくと、子供たちが自分で動けるようになります。
教室移動では…
静かに右側通行
専科の授業などで特別教室に行く際に、おしゃべりをせずに行くことは当然ではありますが、どうしてもうきうきしておしゃべりをしてしまう子供が出てきます。この機会にもう一度感染症予防のためにも、しゃべらずに、列を整えて廊下の右側を歩くことの大切さを考えるのもよいでしょう。けがの防止やマナーなども指導していきましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年8/9月号より