授業力を高めたい!① 研究テーマをもとう|樋口綾香のすてきやん通信

Instagramでは2万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生による人気連載! 今回から新しく「授業力を高めたい!」というテーマで、授業力を高める手段や考え方についてお伝えしていきます。第1回目は「研究テーマをもとう」です。
執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香

目次
今の自分の課題と向き合う
国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育、外国語、道徳、総合的な学習の時間、特別活動。みなさんは、どの授業をしているときがいちばん楽しいですか。どの授業のことを考えているときに、わくわくしますか。
複数の教科を担当することの多い小学校教員ですが、教科によっては、どうしても得手不得手があるものです。
私は、国語や図画工作の授業が好きで、社会の授業が苦手です。14年前、当時勤めていた学校の研究教科が国語科になったときから、国語の授業が少しずつ好きになっていきました。そして10年前、附属小学校へ異動したことをきっかけに国語部に入り、研究するようになりました。
私が国語科を研究教科に選んだ理由は、
- 国語の授業が好き
- 子供がわくわくするような国語の授業がしたい
この二つです。
研究教科として国語と向き合う前の私は、国語は退屈な教科だと思い込んでいました。そんな授業を受けてきたし、そういう授業をしていたのだと思います。国語が子供たちに人気のない教科だと聞いても、疑問に思うこともなく、自然とその事実を受け入れている自分がいました。
しかし、ある学校の研究授業を見たことで、その意識は180度変わることになりました。
「もっとおもしろい授業がしたい!」「教材の奥深くまで読んで、自分の考えを伝え合える子供たちを育てたい!」と考えるようになったのです。
「授業力を高めたい」と教師が願うとき、そこには課題意識があります。
私の場合は、素晴らしい授業と出合って、自分に足りないものに自覚的になると同時に、子供が生き生きと発言する姿に憧れを抱いて、国語科についてもっと学びたいと思いました。
目の前の子供たちの姿を見て苦手な教科について学びたいと思う人もいるでしょうし、憧れの先生を見つけて少しでも近づきたいと思う人もいるでしょう。
どのようなきっかけにしても、その思いを抱いた後が大切です。つまり、思いを持続させること、思いを果たすために、行動に移すことが重要なのです。
しかし、どのように授業力を高めていけばいいかわからない、一人では不安、研究の仕方が分からない、という先生もいるでしょう。この連載では、授業力を高めるための手段や考え方についてお伝えし、いっしょに学んでいきたいと考えています。
まずはじめに、「思いを持続させる」ためにおすすめするのが、「研究テーマをもつ」ということです。