小3らくらくUnit 2「How are you?」②【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業
小3【モトヨシ先生のスライドde外国語活動】

ゆたかな言語活動を行うためにICTを活用した授業が求められる外国語活動。しかし、様々なツールや教材を切り替えながらでは、手惑う場面もしばしばでしょう。本好利彰先生がこれまでの授業で作成してきたパワーポイント(スライド)教材は、これひとつ、授業の導入から終末までモニターに映すだけで授業を組み立てられる”お助け教材”です。「モトヨシ先生のスライドde外国語活動」で外国語活動の授業を、らくらくクオリティアップ!
今回は、Let’s Try! 1 Unit2「How are you? ごきげんいかが」第2時のらくらく授業の進め方です。

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学准教授・居村啓子

スライドは学級の実態にあわせて修正して使いましょう

小学校3 年生の「Let’s Try! 1」のUnit2「 How are you? ごきげんいかが 」全2時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

【目標】
How are you?の表現を使って、友達にインタビューをしよう。
○表情やジェスチャーの大切さに気付き,感情や状態を尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。(知識及び技能)
○表情やジェスチャーを工夫しながら挨拶をし合う。(思考力、判断力、表現力等)
○表情やジェスチャーを付けて相手に伝わるように工夫しながら、挨拶をしようとする。(学びに向かう力、人間性等)
【言語材料】
◎How are you? I’m (happy).
○状態・気持ち (fine, happy, good, sleepy, hungry, tired, sad, great)
[既出]挨拶・自己紹介

  1. 挨拶
  2. Let’s Sing①(Hello Song)2パターン
  3. Let’s Watch and Think②
  4. めあて→単語の練習
  5. Stereo Game
  6. Listening Activity
  7. インタビュー
  8. レポートタイム
  9. Let’s Sing②(Goodbye Song)
  10. ふりかえり&教師の話

各活動の流れ

①挨拶

Unit1で学習した他の国々の挨拶を使って授業をスタートしてみましょう。本時の後半の活動でも他の国の挨拶は使います。

②Let’s Sing①(Hello Song)

デジタル教科書のP8の歌です。前時に扱っているので、スピードが普通版とスピードアップ版の2つをやりましょう。

③Let’s Watch and Think②

教科書は開かずに行いましょう。指導者がジェスチャーをして、児童にそのジェスチャーが何であるか当てさせると児童が主体的に活動します。パワーポイントに文字と日本語訳が入っているので、そのスライドを見せながらジェスチャーを行いましょう。

Attention!

Come here.については、日本式に指先を下にしてジェスチャーをすると、人を払うという逆の意味にとられることが多い。日本と外国の文化や習慣の違いについて体験的に理解し、多様な考え方があることに気付く機会としたい。

(指導書から抜粋)

すべてのジェスチャーの6問を終えたところで、日本式に指先を下にして呼ぶジェスチャーと、外国式に指先を上にして呼ぶジェスチャーの2パターンを行い、児童に違いを考えさせるのもよいと思います。

たとえば、教師がALTに対して、まず日本式の呼ぶジェスチャーをしてALTが困惑したような表情をしたところで
「なんかALTの○○先生、笑ってないね」
と言った後、
「教科書に載っているジェスチャーでもう1度よんでみようかな」
とやり直し、児童に
「このジェスチャーの違いって何だろう」
と問うなどがよいでしょう。ふりかえりの時間に、もしそのことを書いている児童がいれば、取り上げて称賛しましょう。

④単語の練習

前時に扱った表現をLet’s say it together.と言ってALTの先生、もしくは教師のあとに続いて児童と一緒に言ってみましょう。

⑤Stereo Game

前時と同じ活動です。ルール説明をしなくてもできるでしょう。

⑥Listening Activity

児童に関わりのある先生(学年の先生、専科の先生、去年教えてもらった先生、教頭先生、校長先生など)の動画を撮っておき(ALTに録画を頼みましょう! ALTと先生のコミュニケーションを深める機会ともなります。)パワーポイントに挿入しておきましょう。

What’s his name? (What’s her name?)

○○先生

○○先生はどんな気分かな? Get your pencils and please circle the picture like this.

と言ってモニターなどに○をつけましょう。机間指導をしながら今やるべきことが分かってない児童には個別で支援しましょう。全体には英語で指導し、1人、2人が理解していない場合は個別に日本語で支援するとよいでしょう。また児童がどんな予想をしたか、答えの動画を見せる前に児童とこんな形でやりとりしてみてはどうでしょうか。

I think 〇〇先生 is hungry. いつも給食たくさん食べているからね。

Aさん, what do you think?  Is 〇〇先生 happy? sad? tired? sleepy?

Happy.

Very good, you think 〇〇先生 is happy. How about you, Bさん?

Tired.

とやりとりをしながら児童の予想した答えを全体でシェアしていくとよいでしょう。その後に児童全体にどれかに手を挙げるように英語で指示してから、答えの動画を視聴しましょう。

If you think 〇〇先生 is happy, please raise your hands!

と言いながらワークシートに記載されている表現をすべて確認していきましょう。

Now, let’s watch the movie!

ワークシートは、パワーポイントといっしょにダウンロードできます。

これまでこの活動を何度もやってきましたが、以前はポイント制で行っていました。しかし、ある時に児童がポイントがなくても自分の予想が当たったか当たらなかっただけで十分に楽しんでいる様子を見ることができました。ポイントが必要でない活動の時にあえてポイント制にすると児童が毎回ゲーム的な要素をより求めるようになったりします。ワークシートはポイントあり、なしの2パターンあるので実態に合わせて使用してください。

また、この動画では、ALTの先生がhappyと言った後に理由も分かるようにしてみました。なんでhappyなのか児童に聞くと、天気が晴れだからと既習事項を振り返って答えてくれるでしょう。

同じ要領で他の先生のリスニングも行ってみましょう。

⑦インタビュー(どんな様子かをたずねて友達の名前を書こう)

ALTとデモンストレーションをしましょう。児童が実際に行うように簡単にやりとりをしましょう。

Hello, how are you?

I’m hungry. How are you?

I’m fine, thank you.

お互いにワークシートに名前を書くところまで行うと分かりやすいでしょう。

代表児童とALTで2回目のデモンストレーションを行ってもいいと思います。

中間指導では、児童のよかった場面を具体的に共有することが大切です。前半のインタビューの様子から児童を意図的に指名して、教師やALTとやりとりをさせましょう。発表児童のよさを全体の場で気付かせる機会としましょう。

この活動では、

  • 表情やジェスチャーを工夫しながら挨拶をし合う。(思考力、判断力、表現力等)
  • 表情やジェスチャーを付けて相手に伝わるように工夫しながら、挨拶をしようとする。(学びに向かう力、人間性等)

が評価項目となっているので、児童に「どんな工夫をしていたかな」と問い、後半の活動につなげるようにしましょう。

また、後半の活動では、挨拶を他の国のものにしてもよいと思います。既習事項を意図的に取り入れていきましょう。学級の実態にもよりますが、リスニングで、ALTの先生が「天気がよいからhappyだ」という理由も付けて話せると、さらに素敵なインタビューになると思います。理由に関しては、日本語で言わせてもよいでしょう。こんなデモンストレーションをしてみてはどうでしょうか。

ジャンボ, how are you?

I’m hungry.

Why?

4時間目だから

I see.

⑧レポートタイム

時間があれば、友達のことを報告する時間を設けてもよいでしょう。事前に報告するようになることを伝えれば、そこになぜその活動をするのか、より明確になります。〇〇先生 is happy.など、まずは教師がお手本を見せることが大切です。全員を起立させ、言えた児童から座らせるなどの工夫もできます。

⑨Let’s Sing② (Goodbye Song)

前時にも歌った歌です。歌えるところだけ歌うように指示しましょう。

⑩ふりかえり&教師の話

めあてを再度確認し、ふりかえりをするようにしましょう。今回の授業では、めあて以外でも日本とのジェスチャーの違いなども記載している児童がいれば、その児童の気付きも大切にしてあげたいですね。

教師の話では、「How are you? は挨拶と一緒に聞くことが多い」ことや、日本では「『元気?』って毎日聞く?」などと問い、日本語と英語の違いを話してあげることも、言語が違うだけでなく同じような表現でも使い方が違うことを知るよい機会となるでしょう。

居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科准教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ  アニメーション/鶴岡信治

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