小5国語「みんなが過ごしやすい町へ」指導アイデア

教材名:「みんなが過ごしやすい町へ」光村図書

指導事項:〔知識及び技能〕(1)カ 〔思考力、判断力、表現力等〕B(1)ア、エ
言語活動:ア

執筆/神奈川県公立小学校教諭・伊東有希
編集委員/茨城大学教育学部附属中学校副校長・菊池英慈、文部科学省教科調査官・大塚健太郎

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

目的や意図に応じて、書くことを選び、分類したり関係付けたりして、伝えたいことを明確にする力、および必要な資料を引用するなどして、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫する力を育成します。

②言語活動とその特徴

「調べて分かったことを、背景や経緯を含めて報告する文章を書く」という言語活動を位置付けます。調べたことを基に報告する文章を書く活動は、中学年でも経験しており、すでに多くの児童が、報告する文章に必要な構成を知っていると考えられます。

そこで、本単元では中学年で身に付けた〔知識及び技能〕や〔思考力、判断力、表現力等〕の資質・能力、言語活動の経験を活用させながら、ねらいとする資質・能力の育成を目指します。特に、次の二つが指導の重点になります。

一つは、手元の情報を関係付けながら、新たに取材すべきことは何か、取材を通して何が見えてきたのか、何を伝えるとよいのかをはっきりさせることです。もう一つは、報告するために、どの資料をどのように引用すると分かりやすいのかを考え、工夫することです。

題材は、児童が「自分が調べて明らかにしたことを、みんなに知ってもらいたい」と思えるものを設定することが重要です。校内行事や総合的な学習の時間の学習等で、児童が必要感をもって取り組んでいる題材があれば、時期を工夫し、積極的に関連を図るとよいでしょう。

単元の展開(8時間扱い)

主な学習活動

第一次(1・2時)

◎学習課題を設定し、学習計画を立てる。
・総合的な学習の時間と関連させ、自分が探究して明らかになったことを書いて報告するという見通しをもつ。
・モデル文を分析し、既習の報告文の特徴との異同を見いだす。
・既習と関連付けて、学習計画を立てる。
→アイデア1 深い学び

【学習課題】町のSDGs実現に向けた取組を調べて報告しよう。

第二次(3~7時)

◎報告に必要な内容を検討して取材し、報告する文章を書く。
・総合的な学習の時間に調べた情報カードを分類したり関係付けたりしながら、伝えたい内容を明確にするとともに、追加で取材すべきことや取材方法を検討する。
→アイデア2 対話的な学び

・追加の取材で分かった内容を含めて、情報カードを並べ替え、構成を考える。
・明らかになったことが分かりやすく伝わるように、どの資料をどのように引用するとよいかを考え、記述する。
→アイデア3 主体的な学び

第三次(8時)

◎報告する文章を読み合い、感想を伝え合う。
・内容や引用の仕方に注目して感想を伝え合う。

アイデア1 既習との比較を通して、付けたい力を明確にする

深い学び

学習課題を立てたところで、モデル文を分析し、必要な内容や手順を既習の内容を基に考えさせます。モデル文を分析する際には、下の学年の教科書の報告文モデルと横に並べて比較する活動を行うことも効果的です。

▼黒板例(ワークシートも同様)

イラスト/横井智美

『教育技術 小五小六』2021年6/7月号より

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