係活動と当番活動 Q&A
係活動と当番活動のねらいのひとつは「学級の役に立っている!」と思えるようにすること。つまり、自己有用感の高まりです。ここでは、どの子も自分の長所や特技を生かし、居場所をつくることができるような係活動や当番活動にするポイントを、Q&A形式で解説します。
執筆/東京都公立小学校教諭・吉井貴彦

目次
Q1 係と当番の違いって?
A このふたつの簡単な違いは次の通りです。

Q2 高学年で、どのように係活動、当番活動をするの?
A 学年の発達段階に応じて変化します。
高学年の活動優先事項は「学校学年→学級→自分」となることが多いです。委員会活動など、学校全体の活動が多くなり、中学年までのように休み時間に学級全員が集まることも難しくなります。入門期である1年生はひとり1役から始め、下の図のように学年が上がるにつれて自主性を伸ばす観点から当番的な活動は減り、創造的な活動が増えるのが理想です。ある5年生の学級では、当番は給食当番と掃除当番だけでした。

Q3 係活動を充実させるポイントは?
A ①道具、②場所、③時間がポイントです。
①道具
文房具コーナー
「自分たちで活動を工夫してね」と言っても、道具がなければ工夫できる幅は狭くなります。自由に文房具等を使えるスペースを設けましょう。

参照:『みんなで、よりよい学級・学校生活をつくる特別活動(小学校編)』(文部科学省編集)24ページ
②場所
係活動掲示板
教室の壁や背面黒板を利用し、掲示板をつくりましょう。係活動のポイントは「更新すること」です。更新しやすくするために、ホワイトボードやラミネートを活用するのがお勧めです。

- 画用紙をラミネートし、付箋紙などを貼りやすくする。
- 係付箋紙やノートを用意し、計画や振り返りを積み重ねる。
係付箋紙&ポスト
係がマンネリ化する原因は「フィードバックがないこと」です。そこで、子供が自由にコメントし合える仕組み(係付箋紙など)をつくると効果的です。担任がやり方を示すことで子供もどんどん貼っていくようになります。内容は、
- 係からみんなへのお願い、募集
- みんなから係へのコメント、アドバイス
などです。ポストに係への要望やアイデアを入れると、子供がうれしくなり、係活動が活発化します。

係ポスター
係の目的や活動内容を示します。否定的なことは書かせないことがポイントです。他の学級のポスターも参考にするとよいでしょう。
係ポスターの内容(例)

- 係名
- 係のメンバー
- めあて
- 活動内容
- アピール など
③時間
係活動の時間は、
- 係からの連絡(朝の会、帰りの会)
- 朝学習などのモジュール時間
- 休み時間
- 係活動発表会をする。
などの工夫があります。
隙間時間を活用し、子供同士の活動を確保することで人間関係を深める機会をつくりましょう。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2021年4/5月号より