温度の℃の「C」って何?【土作先生ミニネタ動画】

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土作彰先生のミニネタコーナー!!

奈良県公立小学校教諭

土作彰

【知っているか知っていないかで大違い! ツッチー先生のミニネタコーナー】第8回

授業ミニネタの達人・土作彰先生が、子供たちの疑問に答えます! なにげなく使っている単位記号「°」と「℃」の使い分けの理由。そういうものだから、で終わらせることなく、クイズ形式で雰囲気を盛り上げながら理科への興味を引き出し、他の単位や歴史的な観点への探求的な学びへとつなげます。

「°」と「℃」…なんでCなの?

今回は理科のミニネタです。子供たちからこんな疑問が出ました。

先生、『度』と書くとき、角度を表すときは「°」のみで、温度は「℃」。
「°」と「℃」はどう違うんですか?

結論から言うと、算数などで角度を表す場合は「°」、気温・温度の場合はそれに「C」を付けなければなりません。

なぜ、「C」なんでしょうか!?

Bでもいいじゃないですか?
Aでもいいじゃないですか?

なぜ、温度を表す場合は「C」を付けなければならないか、という理由を、子供たちの興味を引き出しながら話す方法を紹介します。

出来すぎじゃない!?「水は0度で凍り100度で沸騰」

みなさん、4年生以上でしたら、ものの温まり方を勉強しますね。そこで、「C」の由来の前に、そもそもですが、

「水は何度で凍り、何度で沸騰しますか?」

と子供たちに聞いてください。すると、

「水は0℃で凍り、100℃で沸騰する。」

という答えが返ってきますが…

そうだよね。
ところで上手く出来すぎと思わない?

「0℃で凍り、100℃で沸騰する」って、そんなピッタリに決まってるものなのですかね?

不自然だと思いませんか?

と聞いてみます。

上手く出来すぎと思わない?

すると、子供たちは、そう言われてみればそうだな、という顔をしますので、ここで言います。

なぜそのようにピッタリになったかわかりますか?
決めたんですね!

誰が…?
それは、スウェーデンの科学者であるセルシウスさんです。

セルシウスさんはアルファベットでこう書きます。
「Celsius」

Celsius アンデルス・セルシウス

例えば、気温の12度の場合は12℃と「C」を書きますが、

この「C」はセルシウスさんの決めた相対温度、温度の概念だから℃と書くんだよ。

と教えてあげます。

このような理由で「C」が要ります。

ちなみに、セルシウスさんを漢字で書くと「摂爾修氏」(セルシウス氏)となります。

「氏」を付けるのは、呼び捨てにしないで、「〇〇さん」という意味です。

長いので、「摂氏」と二文字を取ります。

ですから、先ほどのように、このような温度(12℃)を読むときは、セルシウスさんの姓なので、「摂氏12度(せっしじゅうにど)」、または「12℃(じゅうにどしー)」と読んで、角度の「°」とは違うんだ、ということを教えてあげましょう。

二文字を省いて「摂氏」

・  ・  ・

子供たちの多くが疑問に思っているであろう「℃」の「C」。学級で実際に質問が出てくるかはわかりませんが、「セルシウスさん」の話をすることで、単位への興味や、深い学びにつながる探究心をかきたれられそうですね!(「°F」のファーレンハイトさんにたどり着く子が出てくるかも…??)

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過去の「ツッチー先生のミニネタコーナー」はこちらから!

第1回 子供たちの心と頭を楽しくほぐす「漢字一字あてクイズ」
第2回 社会科ネタ! チーム対抗「都道府県ランキングゲーム」
第3回 社会科ネタ! 日本の反対側は本当にブラジルなのか!?
第4回 社会科ネタ! 地図帳でグリーンランドに謎の山を発見!!
第5回 学級経営につながる教師の語りネタ「今日という日は…」
第6回 手を挙げない高学年の子供たちへの語りネタ! 上級編
第7回 社会科ネタ! チーム対抗「都道府県ランキングゲーム」Part2

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土作彰教諭

土作彰(つちさくあきら)●1965年生まれ。奈良県公立小学校教諭。「学級づくり」改革セミナー主宰。『マンガでわかる 学級崩壊予防の極意: 子どもたちが自ら学ぶ学級づくり』(小学館)、『知っているだけで大違い!授業を創る知的ミニネタ45」(黎明書房)他多数。

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