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25メートル泳げるように!楽しく安全な水泳指導

2019/7/1

水泳の指導は、安全にそして楽しく水泳が上達できるよう心がけたいたいものですね。クラス全員が25メートルを泳ぎ切ることを目標に、苦手な子どももぐんと上達できる指導のポイントや声かけ例などを紹介します。指導をしてくれたのは、元100m平泳ぎ日本記録保持者 不破 央(ふわ ひさし)さん です。

中央が不破 央(ふわ ひさし)さん
中央が、不破 央(ふわ ひさし)さん

け伸びを確認しよう

け伸びはあらゆる泳ぎで必要になる基本の形です。クロールや背泳ぎ、平泳ぎなど、どの泳法でもけ伸びの姿勢をベースとした練習があるので、正しい姿勢をしっかり確認しておきましょう。

STEP1 け伸びの正しい姿勢を確認

1.姿勢を正し、まっすぐなものを想像させる

け伸び1

頭の上に両手を伸ばし、重ねます。両腕で頭をはさみ、上から腕を引っ張られるように背筋を伸ばします。まっすぐなものをイメージしやすいように「槍のように」「刀のように」「ピーンと」などと声かけをしましょう。

2.あごの下に「おまんじゅう」

け伸び2

け伸びの姿勢では、あごを引くこともポイントです。あごの下におまんじゅうをはさんで、つぶすようにイメージさせると正しい形になりやすいでしょう。子どものあごの下に手を置いて、はさませてみましょう。

NG例 体の反りすぎや顔の入れすぎに注意
背筋を伸ばそうとするあまり全身に力が入りすぎると、体が反り、頭が腕の中に入りすぎてしまいます。こういう場合は、子どもの手を持って上に引っ張ると、まっすぐな姿勢になります。

NG例
NG例 体の反りすぎ

STEP2 け伸びで進む

1.壁を蹴って進む

け伸び3

片足が壁に付いている状態から、もう片方の足も壁に付けて強く蹴って進みます。STEP1で練習した姿勢ができているかを確認しましょう。

2.腕を水面に平行に付ける

け伸び4

スタート前は、腕を伸ばして手を重ね、壁に片足を付けます。あごを引いて顔を水面に付けてから壁を蹴ります。

NG例 体が曲がると沈んでしまう
ひじが曲がったり腕が開いたりすると、頭が浮いて体が沈んでしまいます。足も、まっすぐそろえて伸ばすように指導しましょう。

NG例 足が開いている

け伸び姿勢のチェックリスト
□ひじを曲げない
□あごを上げない
□手をしっかり重ねる
□足をまっすぐ伸ばす

水の抵抗を少なくすることができれば、効率よく泳ぐことができます。子どもたちにも分かりやすく声かけをすることを心がけ、正しいけ伸びの姿勢で進むことができるようになるまで反復練習をしましょう。

ストロークを練習しよう

手で水をかく、ストロークの練習をします。手だけ回すのではなく、肩を回す感覚で大きく腕を回すように指導しましょう。ストロークの形は身に付くまで、何度も練習しましょう。

STEP1 手の動きを練習

1.手をまっすぐ伸ばして体の中心線に沿って下ろす

ストローク1

両手をまっすぐ前に伸ばして、手が重なった状態からストロークを始めます。腕を伸ばしたまま、片手をまっすぐ下に下ろします。軸腕は前に伸ばしたままでキープ。体の中心のラインを意識させましょう。

2.お尻の横を触るように腕を回す

ストローク2

腕をそのまま下ろし続け、太ももからお尻の横を通します。水をかくほうの腕が軸腕と真逆の位置にくるとき、腕は伸ばし、手のひらは上を向くように意識させましょう。補助を入れるときは、後ろから子どもの両腕を持って伸ばしましょう。

3.腕を戻すときはひじの伸びが大事!

ストローク3

ひじは曲げずに、天井に向かって伸ばして大きく回すように指導しましょう。腕を回して元の位置に戻すとき、手から小さく回して戻してしまう子どもがいます。「ひじは伸びているかな?」と声をかけましょう。

STEP2 泳ぎながらストローク

先生の補助付きで泳ぎながらストローク

1.け伸びでスタートしてストロークする。

ストローク4

2.腕を回す。

ストローク5

3.腕を戻す。

ストローク6

4.前を向いて、息を吸う。

ストローク7

ストロークのポイント
水をとらえて強くかく感覚を身に付けます。ひじを伸ばしてしっかり水がかけているかを、声かけしながら確認しましょう。腕を戻すときは「遠くにある物を取る」イメージで、前に前に進むように意識させましょう。

補助を入れるときは、息を吸うタイミングで、子どものひじを下から支えましょう。子どもが前を向きやすくなります。手を持って支えると、ひじが曲がりやすくなってしまうので注意しましょう。

呼吸の練習をしよう

泳ぐ際の呼吸は、鼻から息を吐き、口で吸うことがポイントです。息継ぎをするときに軸腕となるほうの手でプールサイドにつかまり、呼吸の練習をしましょう。

1.息継ぎの直前は勢いよく息を吐く

呼吸1
「ブー」と息を吐く

水中では、鼻から「んー」と息を吐きます。息継ぎの直前には特に勢いよく「ブー」と息を吐くようにしましょう。

2.顔を上げたら、「パッ」と吐く

呼吸2
「パッ」と息を吐く

息継ぎをするときに息を出し切るように「パッ」と吐くと、同時に自然と息を吸うことができます。

クロールの息継ぎでは、軸腕に片耳を付けたまま、頭を「転がす」イメージをもちましょう!

クロールキックを練習しよう

水中で進むためのばた足を確認し、ストロークをしながら、息継ぎをするときに重要となるサイドキックの練習をします。クロールができるようになるためには、サイドキックでの顔の位置や姿勢をしっかり覚えることが重要です。

1.ひざとつま先は伸ばす

クロールキック1

ひざ、つま先をしっかり水の中で伸ばします。水の表面をたたくのではなく、水の中で水をキックすることがポイントです。正しくばた足ができていると、水しぶきが足先側に向いて立ちます。

2.ビート板でばた足の練習

クロールキック2

ビート板を水面に当てて、「足の甲でキックして、ビート板に地震を起こしてみよう」と声かけします。ひざや足首が自然と伸びて、水の中でキックする感覚が身に付きます。

NG例 足が曲がると力が伝わらない
ひざと足首が曲がってしまうと、水に力が伝わりません。「ドドドド」と重い音がするようにキックします。足が「前後」するより「上下」するように指導しましょう。

NG3
NG例 膝が曲がっている

STEP2 サイドキック

耳は軸腕に付ける

サイドキック

軸腕でビート板を持ち、かくほうの手の甲は太ももにくっ付けた状態で、ばた足をして進みます。耳が軸腕に付いた状態で、目線が真横を向くようにしましょう。

NG例 頭は起こさないよう注意!
頭が上を向いていると、体が沈んでしまい進みにくくなります。呼吸の練習でも触れたように、頭は上げるのではなく、転がすイメージをもつことがポイントです。

NG例 頭を起こしている
頭が上がってしまう子どもには「耳が腕に付いているかな?」と声かけをします。

STEP3 全ての要素を合わせよう

ここまで練習してきた要素を合わせて、クロールを完成させます。ばた足・ストローク・息継ぎを同時に行うのが難しい場合は、以下のように、先生が子どもの体を支えたり、要素を分けて練習したりしましょう。

1.ストロークと息継ぎを合わせた動きを指導

完成1

手を下ろし始めるのと同時に、息継ぎに向けて頭を横に動かし始めます。最後までしっかり水をかいて、腕を戻すのと同時に顔を戻しましょう。補助を入れるときは、先生のひざで子どものお腹あたりを支え、両腕を支持すると全体の流れを指導しやすくなります。

2.ばた足をしてからストローク&息継ぎ

完成2

最初にばた足をしてから、ストロークと息継ぎを合わせた動きをします。「ばたばた~」の合図でばた足をさせ、「せーの!」のかけ声で、ストロークと息継ぎのタイミングを知らせます。最初にばた足に集中できるので、推進力が確保されて体が浮き、ストロークと息継ぎがしやすくなります。

3.先生が手を引きながらクロール

完成3
不破 央さん

不破 央(ふわ ひさし) 水中パフォーマンス団体トゥリトネス主宰。元100m平泳ぎ日本記録保持者で、選手引退後はスイミング教室事業とともに、映画・ドラマの「ウォーターボーイズ」シリーズのシンクロ総合指導や、シンクロ日本代表チームの表現指導コーチなどを歴任。著書に『水泳の指導法がわかる本』(小学館)がある。

取材・文/浅海里奈・加藤隆太郎(カラビナ) 撮影/桑原健太

『教育技術 小三小四』2019年7/8月号より

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