次年度に向けて保護者が気にしていることに、どう対応する?
学年末まで2か月弱となり、子供も保護者も次年度が気になってくる頃です。特に、心配事や不安を抱えている家庭の場合、この時期に悩みや課題を共有して、次年度につなげていくことが大切です。次の学年を見通して、子供や保護者が少しでも安心できるようにしていきましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵

目次
保護者が気になっていること
保護者が気になっていることを分類すると、次のようなものがあります。
友達関係
クラス替えをして新しい友達ができるか、友達とうまくやっていけるかなど。
学習関係
新しい学年の学習に着いていけるか(三年生から始まる社会科、理科についてなど)。
行事関係
次年度の学校行事、学年行事はどうなるか。
その他
新しい学年で必要になる学用品(習字セット、絵の具セットなど)、担任や学習環境についてなど。
保護者の安心と信頼を得るために
保護者の思いを聞く
保護者は次年度のことが気になっていても、なかなか担任にそれを伝える機会がありません。個人面談などで直接話すことができればよいですが、今年度は実施できなかったり、タイミングが合わなかったりすることもあります。意図的に保護者の思いや悩みを聞く機会を設けるとよいでしょう。

保護者の思いを聞く方法としては、電話や連絡帳でやり取りをしたり、アンケートや学級だよりで募ったりすることが考えられます。
学校全体や同じ学年の教師同士で相談しながら進めていきましょう。
保護者の思いに応える
保護者の思いを聞いたら、その思いに応えていきます。すぐに対応できそうなことは、連絡帳などで伝えていけばよいでしょう。ただし、友達関係などは担任だけで済ませず、学年主任や児童指導担当の教師、管理職などにも相談したほうがよいこともあります。保護者の期待にすべて応えることは難しいので、慎重に進めていきましょう。状況に応じて電話や面談など、直接話す機会を設ける必要があります。
このように保護者の思いに対応する姿勢を見せることで、保護者は安心することができます。同時に「この先生なら大丈夫」という信頼を得ることができるでしょう。

保護者の思いを共有する
同じような思いや悩みをもっている保護者もいることが考えられます。学級だよりなどを活用して、次年度に向けて心配なことや思いを保護者全体で共有すると、安心する保護者が増えるでしょう。このとき、全体に知らせてよいか確認を取ることや、個人が特定されないような配慮を忘れないようにしましょう。