【個人面談】保護者から信頼を得る回答とは

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「保護者対応の達人」近道はこちら!

子どもの成長は、家庭と学校との両方のサポートがあってのもの。保護者が家庭で何か困ったときに、担任へ相談してもらえる関係づくりをこころがけましょう。ここでは、学期の個人面談でよく出される保護者からの質問と、そのベストな回答例を紹介します。

監修/千葉県私立小学校教諭 松尾英明
兵庫県神戸市立公立小学校教諭 中村 力
東京都公立小学校教諭

「朝、自分で起きられないのですが、どうしたらいいですか?」

×NG回答例

ご家庭でしっかりしつけてください。だらしないのは、普段の生活習慣のせいです。

◎BEST回答例

子どもの課題がお母さんの課題になっていますね。本人を困らせましょう。遅刻してもかまわないので、自分で目覚ましをセットして起きるのを待っていてください。子どもが怒っても「自分のことは自分でね」と放置してください。遅刻に対しては、それを理解したうえで、こちらで指導しますのでご安心ください。

保護者に責任を押し付けたり、負担を求める回答は避けましょう。あくまで学校でもサポートする姿勢を見せることが大事です。(松尾英明)

「子どもにもっと本を読ませたいのですが、どうすればいいですか?」

×NG回答例

たくさん本を買って与えてください。家庭学習に読書の時間をとりましょう。

◎BEST回答例

寝る前に毎日家で読み聞かせをしてはいかがでしょうか。まずは本が楽しいものであると認識させることが先です。できるだけ両親が読書している姿を見せ、リビングにも本を置いてあげてください。でも、子どもが自然に手を伸ばすまでは、放置します。文学作品を無理にすすめたりすると、押し付けを感じて二度と読まなくなるので注意してください

子どもに読書を強制したり、大人が選んだ本を押し付けるのは逆効果であることを、ていねいに伝えてあげましょう。(松尾英明)

「忘れ物をしていませんか?」

×NG回答例

忘れ物が多くて学校でも困っています。おうちでもっと見てください。

◎BEST回答例

確かに忘れ物は多いのですが、学校では、朝の会でチェックをしたり、連絡帳に忘れ物を書かせたりといった指導を続けています。最近は自分で意識できることも増えてきました。ただし、授業に関係するものが揃わずに困る場面もあるので、もうしばらく、学校と家庭両方での声かけが必要だと思います。連絡帳にも引き続き書かせますので、おうちでもチェックする習慣づくりをしていただけると助かります。

忘れ物が多くて・・・。学校とご家庭と両方で声かけしていきましょう。
イラスト/大橋明子

保護者が仕事で忙しいなど、さまざまな理由があって、忘れ物が多いのかもしれません。改善を家庭に丸投げしても解決しません。保護者が忘れ物を気にかけていること自体がチャンスだと捉え、保護者ごとサポートする気持ちで、担任との協力を仰いでみることが大切。(中村力)

「うちの子、ちゃんと友達の輪に入れているでしょうか?」

×NG回答例

ちょっと心配ですね。人間関係が苦手みたいですし。もっと積極的に輪に入るようにご家庭でも話してみてください。

◎BEST回答例

大丈夫です。学習中には、さまざまな子どもが交ざるように活動していますし、その中でも自然に交流ができています。特に中学年以降は、特定のグループに所属しているほうが、実は友人関係のトラブルが増えます。一人でいられるのも、立派なことです。必要なところでは交流しているので、ご安心ください。

一人でいられるのも立派ですよ
イラスト/大橋明子

友達の輪に入れないこと自体を問題と捉えた回答は全てNGです。学校での様子を具体的に伝えつつ、中学年ならではの交友関係の特徴も説明してあげるようにしましょう。(松尾英明)

「宿題はちゃんとやれていますか? 授業中の態度はどうですか?」

×NG回答例

宿題は時々忘れてしまうようなので、家庭でもよく見てください。授業中は問題ないようです。

◎BEST回答例

宿題は、毎回きちんと出してくれていますよ。時々提出するのを忘れてしまうこともありますが、連絡帳に書かせると、翌日ちゃんと提出してくれます。授業中は、発言も多く、特に話合い活動では活発に発言をし、他の子の刺激になっています。半面、調べ学習の場面では消極的なところもあるので、苦手意識をもたせないように指導しています。

子どもは宿題をやっていると言うが本当はどうなのかも気にしているので、日々の様子を具体的に伝えてあげるとよいでしょう。授業の様子もがんばっていることをできるだけ細かく伝えると保護者の信用を得られます。さらに課題のところを中心に指導していること、成長していることを伝えることで、保護者は話してよかったと思い、相談し合える関係を築くことができます。(東京都公立小学校教諭)

「授業に付いていけているでしょうか?」

息子は授業についていけてますか? と質問され、良い回答と悪い回答をのべる
イラスト/大橋明子

×NG回答例

厳しい状況ですね。授業でも困っている場面が多いです。

◎BEST回答例

(各教科の観点ごとのデータや、実態がよく分かる資料を示しながら)算数の○○で特につまずきが多いですね。学校では、少し前の学年にさかのぼって計算の基礎から復習をしています。そこではよくできているので、あきらめずに宿題や市販のドリルなどで、何度も復習をすることで、身に付くと思います。

おうちでもやってみようと思っていただけるように、具体的なつまずきポイントを、データや資料などを通して伝えるとともに、家庭でも無理なくできそうな手立てを紹介できるとよいでしょう。(中村力)

取材・文/出浦文絵

『教育技術 小三小四』2019年7/8月号より

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