小2生活「ありがとうはっぴょう会をひらこう」指導アイデア

執筆/神奈川県公立小学校教諭・荒木佳美
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、文部科学省教科調査官/愛知淑徳大学准教授・加藤智、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫

期待する子供の姿

知識及び技能の基礎

自分自身の生活や成長をふり返る活動を通して、たくさんの人に支えられて生活し、成長していることに気付く。

思考力、判断力、表現力等の基礎

自分自身の生活や成長をふり返る活動を通して、周囲の人々の存在と自分の成長を関連付けることができる。

学びに向かう力、人間性等

自分自身の生活や成長をふり返る活動を通して、これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもち、三年生でも意欲的に生活しようとする。

単元の流れ(11時間)

子供1「私の成長にはたくさんの人が関わっているんだね」子供2ありがとうの気持ちを伝えたいな」
先生「誰に、どのように伝えたいかな?」

学習の流れ

ありがとうはっぴょう会の計画を立てよう(3時間)

先生「ありがとうの気持ちをどうやって伝えたいかな」
子供1「野菜の育て方を教えてくれた◯◯さんに感謝の気持ちを伝えたいな」子供2「園の先生にも成長したところを見せたいな」子供3「家族にもできるようになったことを見てもらいたいな」
子供1「発表会を開いたらどうかな」子供2「作った作品を見てもらおうよ」子供3「感謝の気持ちを伝える『ありがとうはっぴょう会』がいいよ」

評価規準等
 自分の成長を支えてくれた人々の存在や自分との関わりに気付いている。
 具体的な手がかりを見付けながら、自分の成長を捉えている。

※評価規準等の=知識・技能、=思考・判断・表現、=主体的に学習に取り組む態度の観点を示しています。

ありがとうはっぴょう会のじゅんびをしよう(3時間)

先生「発表会を開くためには、どんな準備が必要かな」
子供1「みんなで歌を歌いたいな」子供2「練習が必要だね」子供3「実際にやっているところを見てもらいたいな」子供4「招待状には、どんなことを発表するか、書いたほうがいいね」子供5「役割分担を決めよう」

評価規準等
 誰に伝えるかを思い描きながら、伝えたいことや伝え方を選んでいる。
 感謝の気持ちを伝えたいという思いをもち、進んで発表会の準備をしている。

ありがとうはっぴょう会をひらこう(3時間)

先生「招待した人たちにありがとうの気持ちが伝わるといいですね」
子供「私はかけ算九九を全部覚えました。聞いてください」
子供「僕は、けん玉名人になるまでを絵本にしました」

評価規準等
 これまでの学習を基に、相手のことを思い浮かべながら伝え方を工夫している。

ありがとうはっぴょう会をふりかえろう(2時間 )

先生「発表会を終えて、どんな気持ちかな」
子供「◯◯さんが、がんばったねってほめてくれて、うれしかったよ」
子供「ありがとうの気持ちが伝わったと思うよ」
子供「これからもできることをたくさん増やせるようにがんばりたいな」

評価規準等
 自分の成長を支えてくれた人と自分との関わりをふり返り、表現している。
 これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもち、三年生でも意欲的に生活しようとしている。

活動のポイント1 
自分の成長を支えてくれた人への気付きを促す手立てを

発表会でお世話になった人に感謝を伝えたり関わったりすることは、自分の成長を支えてくれた人に気付くよい機会です。

発表会に来てほしい人を出し合うなかで、支えてくれた人に気付く

話し合うことで、自分が気付かなかった人への感謝の気持ちを思い出すこともできます。

巻物を読む子供
学習したことの掲示例

協力の依頼  

発表会に来ていただき、実際に関わったり声をかけてもらったりすることで、子供が成長を実感することへつながります。事前に学習のねらいを伝えておきましょう。計画書などを作成して依頼するとよいでしょう。

話し合う子供たち

板書の工夫  

自分の成長を支えてくれた人たちが周りにたくさんいたという気付きを促すための板書を工夫しましょう。

  • 自分を中心としたイメージマップを作る。
  • 実際に関わっている場面の写真を貼る。

【板書の例】

人とのつながりをまとめた板書例

活動のポイント2 
多様な表現方法の工夫をこらす

イラスト/高橋正輝

『教育技術 小一小二』2021年3月号より

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