小1算数「かたちづくり」指導アイデア(1/6時)《さんかくをつかっておさかなをつくろう》
執筆/神奈川県公立小学校教諭・三上顕
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥
目次
本時のねらいと評価規準
(本時1/6時 かたち遊びを通して形の特徴を捉え、ものの形を見いだす)
ねらい
身の回りにあるものの形についての観察や構成などを通して、図形に親しみ、考え、表現したり工夫したりしている。
評価規準
物の形に着目して、構成のしかたや理由を考えている。

もんだい
さんかくをつかっておさかなをつくろう。
黒板が海だとして、ここにお魚をたくさん作って水族館をつくります。どんなお魚がいますか。
イワシはどうかな?
マンボウが欲しい!
マンボウってどんなお魚ですか。
丸くて大きい魚です。
僕には三角に見えるなぁ。
ほかにも三角に見えるお魚がいますか。
います。四角のお魚も見たことあります。
この海の中の写真にいますか。(お魚の写真などを提示)
ほんとだ。いろいろな形のお魚がいるんだね。
この三角の色板を何枚か使ったら、お魚を作ることができそうですか。
できそうです! やってみたい!
まずは3枚か4枚で作ってみよう。
学習のねらい
おさかなのかたちをよくみて、かたちをつくろう。
見通し
お魚がどんな形に見えるか考えたらできそうだな。(方法の見通し)
同じ長さのところを合わせたらできそうだな。(方法の見通し)
いろいろな種類のお魚ができそうだな。(結果の見通し)
自力解決の様子
A つまずいている子
色板のどこに目を付けたらよいか分からず、手が止まっている。
B 素朴に解いている子
自分の作った積み木の作品の写真を観察し、その形の特徴を言葉で表現している。
C ねらい通りに解いている子
色や向きなどを捨象して形状に着目し、物の形の特徴を捉え、表現している。
学び合いの計画
できたお魚を黒板に貼っていきます。そのときの子供のつぶやきを大切に聞きましょう。
「私のものと同じだ」という声を積極的に取り上げて、どんなところが同じなのか問い返していきます。
子供によって、何に着目してお魚同士を同じと捉えているかはさまざまです。合同な図形でも、色が違うとそのお魚同士を「違う」と捉えている子供は、色という条件を捨象できていません。向きなども同様です。
子供との対話を通し、何に着目して同じや違うと捉えているかを明らかにすることで、形という視点から見ると、色や向きが違うものも同じと捉えることができることに気付かせていきます。
ノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け
C1
僕は色板を3枚使ってお魚を作ったよ。

C2
僕も色板を3枚使って作ったよ。

C3
私は色板4枚で作ったよ。

C4
私は3枚で作ったよ。

作ったお魚を発表しましょう。 (C1、C2が発表する)
同じ3枚なのに形が違うね。
C3: 私は色板4枚で作りました。
数も形も違うね。しっぽが大きいね。
C4: 私は色板3枚で作りました。
C5: あ、C1と同じだ。
え? 違うよ。
違うというのは、どんなところが違うのですか。
どっちを向いているのかが違います。色も違います。
では、C5さんは、なぜ色や向きも違うのに同じだと言ったのでしょう。
形が同じだからです。
どんな形のことですか。
どちらも四角と三角でできています。
ほんとだ!
形に目を付けたら、色や向きが違っても同じと見られるんですね。では、C1と形が同じお魚を色板6枚で作れますか。
枚数が違うから無理です。
三角を使って別の四角や三角を作ったらできるかな?
できた! さっきより大きくなった!
今度は三角何枚で四角ができましたか。
4枚です!
三角の色板で四角ができるなんて面白いね。
評価問題
色板6枚で、C2と形が同じお魚を作ってみよう。
子供に期待する解答の具体例
C2のお魚は大きい三角と小さい三角でできています。

本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
形が構成できるだけでなく、形の特徴に着目して、構成のしかたを説明している。
感想例
- 三角で、四角ができたのでびっくりしました。
- 色や向きが違っても、形が同じだったのでびっくりしました。
イラスト/松島りつこ・横井智美
『教育技術 小一小二』2021年3月号より