子供の資質・能力を育てる!読書指導アイデア【小三小四】
中学年は「お話の中に自分が入り込む」時期から、「お話を読む自分を俯瞰できるようになる」時期への移行期です。ここでは、「令和3年度子供の読書活動優秀実践校」にて文部科学大臣賞を受賞した東京都世田谷区立烏山小学校の様々な取組を紹介します。
お話しを伺った方/
東京都世田谷区立烏山小学校校長・廣石雄司
東京都世田谷区立烏山小学校副校長・橋口直美
東京都世田谷区立烏山小学校教諭(図書主任)・冨田久美子
目次
ブックフェスティバル
学年で読書の取組を作品として表現し、展示する学校行事「ブックフェスティバル」を実施しました。三年生では、「わくわくが広がる ふしぎとゆめにみちあふれた ファンタジーの世界をみんなでつくろう!」という学年のめあてを決め、以下の三つの表現方法の中から一つ選び、作品づくりに取り組みました。
ブックポップ…キャッチコピーを考え、作品の魅力を立体的に表現。
飛び出す絵カード…心に残った登場人物や物を飛び出す絵にして紹介。
好きな場面の絵…お気に入りの場面を絵に描いて、その場面を紹介。
四年生のテーマは「ごんぎつね」。場面ごとにごんの気持ちを書いて発表する「ごん日記」、一つの場面を詳しく紹介する「ごん絵日記」、ごんぎつねの続きの話を考える「ごんぎつね その後の話」の三つから一つを選び、ごんの気持ちやその後のごんについて思いを馳せながら発表しました。さらに、きつねが出てくる作品に数多く出合い、お気に入りの一冊を紹介する帯やポップを作成しました。
チャレンジシートと特別貸し出し券
烏山小学校では、全校で読書記録帳を活用しています。
月ごとに「チャレンジシート」を配付し、4冊読むと通常より1冊多く本を借りることができる「特別貸し出し券」を発行します。さらに4冊読むと読書記録帳にスタンプをためることができ、スタンプが18個たまると全校朝会で表彰され、オリジナルのしおりがもらえます。
「『特別貸し出し券』を毎月もらって貯めたり、使うときは誇らしげに握りしめながら使ったりする姿を見ると、子供たちの意欲を高めるアイテムになると思います」(冨田教諭)
「先生のおすすめの本」コーナーを設置
教室や図書館に、「先生のおすすめの本」コーナーを設置。季節に関する本や子供たちの様子に合わせて、教師が伝えたいことを本に載せて紹介しています。
図書館司書と連携した参加型イベント
年度はじめのオリエンテーションや読書旬間に、図書館司書と協力しながら参加型イベントを開催しています。読書旬間では、図書館の本の分類と配置場所を「どくしょビンゴ」に挑戦しながら学べるようにしました。「本のおみくじ」は、あみだくじをして、たどり着いたジャンルの本を読むと、オリジナルのしおりがもらえます。
取材・文/矢ノ浦勝之
『教育技術 小三小四』2021年12/1月号より