小5社会「情報を生かして発展する販売業」指導アイデア
執筆/東京都公立小学校主任教諭・杉本季穂
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都大田区教育委員会統括指導主事・木下健太郎
目次
目標
我が国の産業と情報の関わりについて、情報の種類、情報の活用の仕方などに着目して、映像や新聞などの各種資料で調べてノートなどにまとめ、情報を生かして発展する産業が国民生活に果たす役割を考え表現することを通して、大量の情報や情報通信技術の活用は、様々な産業を発展させ、国民生活を向上させていることを理解できるようにするとともに、情報化の進展に伴う産業の発展や国民生活の向上について、自分の考えをまとめようとする態度を養う。
学習の流れ (8時間扱い)
問題をつくる(2時間)
○ 販売業の変化に着目し、学習問題を考える。
○ 学習問題に対する予想を考え、学習計画を立てる。
〈学習問題〉
コンビニエンスストアでは、どのような情報をどのように活用しているのだろう。
追究する(4時間)
○ 商品の販売における情報活用について調べる。
○ 商品の輸送における情報活用について調べる。
○ 商品の開発における情報活用について調べる。
○ 他の販売業における情報活用について調べる。
まとめる(2時間)
○ 学習問題について調べたことをまとめる。
○ 産業と国民の立場から多角的に考えて、情報化の進展や国民生活の向上について、自分の考えをまとめる。
導入の工夫
販売業の昔と現在の様子を比べ、その変化をもとに情報を活用して発展する販売業について学習問題を考えられるようにします。
1時間目

昔は値段を打っていたけれど、現在は、バーコードで値段を読み取れるね。
レジでどんな情報を見ることができるのかな?
画面で商品の情報が分かるよ!

コンビニのレジは、どんな進化をしているかな?
電子マネーの登場でどう変わったかな?
カードにはどのような情報が入っているのだろう?
現金が無くても買い物ができるね。
2時間目
① コンビニエンスストアがどのような情報をどのように活用しているのか予想を考える。
② 予想をもとに学習計画を立てる。
※学習計画を立てる際には、何を調べたらいいのかを話し合い、情報収集の対象や情報活用の目的と方法について整理をすることで、情報の種類と情報の活用の仕方に着目できるようにします。
問題をつくる(1/8時間)
コンビニエンスストアの変化や店舗の様子をもとに情報と販売業について疑問に思ったことを話し合います。
学習問題
コンビニエンスストアでは、どのような情報をどのように活用しているのだろう。
まとめる(8/8時間)
情報化の進展や国民生活の向上について、販売と国民のそれぞれの立場から多角的に考えてまとめます。
産業と国民の立場から多角的に考える
電子決済と電子マネーに関する相談件数をもとに、情報化の進展や国民生活の向上について、情報を活用する産業と国民の立場から多角的に考えます。
8時間目
電子決済が普及して、相談件数はどのように変わっていますか?


電子決済が増えると、電子マネーに関する相談件数も増えています。
電子決済を使う人が増えるとともに、電子決済で困っている人も増えたのだと思います。
情報を活用する販売業と国民の立場からそれぞれ情報の活用について考えましょう。
販売の仕事の立場から
電子決済などによって、顧客情報を商品の開発に生かすことができます。
天気などから仕入れの数を考えることができます。
国民の立場から
電子決済だと、すぐに支払いができて便利です。
知らないところで情報が使われていて、もしも情報がもれていたら不安だな。
それぞれの立場から考えたことをもとに、自分の考えをまとめましょう。
単元づくりのポイント
学習したことをもとに、情報を活用して産業が発展していることや、それにより国民生活の利便性が向上することについて理解できるようにすることがポイントです。
学習の最後に、情報化の進展や国民生活の向上について、産業と国民の立場から多角的に自分の考えをまとめる指導を行うことが大切です。
イラスト/横井智美、栗原清
『教育技術 小五小六』2020年12月号より