小1国語「ともだちのこと、しらせよう」指導アイデア
教材名:「ともだちのこと、しらせよう」(光村図書 一年下)
指導事項:〔知識及び技能〕(1)オ 〔思考力、判断力、表現力等〕A(1)アエ
言語活動:A(2)イ
執筆/茨城県公立小学校教諭・大友亜紀子
編集委員/前・文部科学省初等中等教育局教科調査官・菊池英慈、茨城県公立小学校校長・橋本浩志
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
「ともだちのこと、しらせよう」では、話し手が知らせたいことや、自分が聞きたいことを落とさないように聞き、それを友達に伝える学習をしていきます。
話し手が話したことだけをそのまま伝えたり、はじめから用意しておいた質問事項をインタビューしたりするのではなく、話し手の話を受けながら自分とつなげて考えたり、友達の思いを想像したりしながら質問をすることで、話し手の伝えたい内容を明確にしていく力を身に付けます。
②言語活動とその特徴
どの学習でも友達の話を聞く場面がありますが、どうしても聞く側が受け身の一方向な活動になりがちです。ここでは、「聞いたことを友達に知らせる」というゴールを明確にすることで、相手意識をもたせ、話し手が何を知らせたいのか、話し手の思いを想像しながら聞くことを意識させていきます。
次に、聞いたことを文章にまとめることで、話し手の伝えたい内容を整理し、明確にしていきます。また、「~だそうです」という伝聞の言い方を何度も経験することで、生活科や係活動など、日常の学習や生活のなかにつなげていきます。
単元の展開(6時間扱い)
主な学習活動
第一次(1時)
①「きいてしらせよう」という学習の見通しをもつ。
【学習課題】ともだちの 「いま いちばん たのしい こと」を きいて、みんなに しらせよう。
第二次(2・3時)
②ゲストティーチャーを活用し、「いま、いちばん たのしい こと」についての話を聞く。
→アイデア1 主体的な学び
③ペアになって聞き合い、「おしえてカード」でインタビューをする。
→アイデア2 対話的な学び
・おもしろいところ
・むずかしいところ
・おどろいたこと
第三次(4・5時)
④インタビューで分かったことをどのような順番で書くか考える。
⑤友達のことを知らせる文章を「おしらせカード」に書く。
→アイデア3 深い学び
第四次(6時)
⑥書いた文章を読み合う。
⑦友達の文章を読んだ感想を話し合う。
アイデア1 ゲストティーチャーを活用する

「ともだちのこと」を知らせるモデルとして、隣のクラスの教師や、校長先生など、子供たちがよく知っている人にゲストとして登場してもらいます。
はじめに、「いま いちばん たのしい こと」だけを聞き、もっとくわしく聞きたいことを子供たちと質問していきます。
「いつ・どこで・だれと」など、子供たちから出た質問の観点を押さえながらインタビューを進めます。話し手の伝えたいことからそれないように質問ができるよう、助言をしましょう。また、ゲストティーチャーへ丁寧な言葉遣いで尋ねた経験を、友達へのインタビューにも生かしていきましょう。
今一番楽しいことはなんですか。
釣りに行くのが一番楽しいです。
何が釣れましたか。
釣りは難しいですか。
どこで釣りをしましたか。
アイデア2 「おしえてカード」でインタビュー

まずは「今、一番楽しいことはなんですか」と尋ねます。次に「おしえてカード」にインタビューの内容をメモしましょう。前時に出た質問の観点を提示しておき、話の流れに合わせて選ぶことができるようにしておくとよいでしょう。
新しいことを知る楽しさを味わうために、ふだん一緒に遊ばない子供同士をペアにするなど、クラスの実態に応じて工夫しましょう。
▼おしえてカード
アイデア3 「おしらせカード」にまとめる

友達に聞いたことを、「おしらせカード」にまとめます。分かりやすく人に伝えるために、どんな順序で書けばよいか、構成のモデルを示しておきましょう。
▼おしらせカード
「~だそうです」を使って書くんだよね。
今までにどんな虫を見付けたことがあるのか、聞けばよかったな。
話を聞いて思ったことも、書いていいんだね。
イラスト/川野郁代 横井智美
『教育技術 小一小二』2020年12月号より