小4社会「自然災害から人々を守る活動」指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校教諭・小野優
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登
目次
目標
自然災害から人々を守る活動について、過去に発生した地域の自然災害、関係機関の協力などに着目して、聞き取り調査や資料を通して調べ、災害から人々を守る活動の働きを考え、地域の関係機関や人々は、自然災害に対し、さまざまな協力をして対処してきたことや、災害に対しさまざまな備えをしていることを理解できるようにする。
学習の流れ(11時間扱い)
問題をつくる(2時間)
○ 埼玉県の自然災害を概観し、台風の被害を過去と現代とで比べ、学習問題をつくる。
<学習問題>
風水害から暮らしを守るために、誰がどのような取組をしているのだろうか。
追究する(5時間)
○ 家庭で取り組んでいる防災対策について調べる。
○ 学校や地域が取り組んでいる防災対策を調べる。
○ 市や県が行っている防災対策や市や県と住民がどのように協力して防災に取り組んでいるかを調べる。
まとめる(2時間)
○ 風水害から暮らしを守るために、家庭、市や県、地域がどのような取組をしているかをまとめる。
生かす(2時間)
○ 風水害に備えて、自分たちにできることについて考え、話し合う。
導入の工夫
過去の台風の被害と現代の台風の被害を比較することで、被害が減っていることに気付くようにし、疑問を基に学習問題をつくるようにします。
第1時
埼玉県ではこれまでどのような自然災害が起こってきたのか見てみましょう。
埼玉県でも雪の被害はあるんだね。
台風の被害は多いよね。学校が水浸しになっていたりするもの。
僕らはまだ小さかったけど、東日本大震災は埼玉県にも大きな被害が出たと聞いたことがあるよ。
何年か前に埼玉県の越谷市で竜巻が起きたよね。学校のガラスが粉々に割れていたよ。
今も昔も多く被害を受けているのが台風の被害です。
過去の被害と現代の被害を比べてみましょう。
どちらの台風もとても大きな被害を与えたことが分かるね。2019年の台風で被害が少なかったのは、何か理由があるのかな?
学習問題
風水害からくらしを守るために、だれがどのような取組をしているのだろうか。
問題をつくる(1/ 11時間)
埼玉県で発生した災害の種類と被害の様子を概観し、風水害への備えに着目し、疑問を出し合います。
生かす(10・11/11時間)
学習したことを基に風水害に備え、自分たちにできることを考えます。
話合い活動の工夫
イラスト/横井智美、佐藤雅枝
『教育技術 小三小四』2020年7/8月号より