小1算数「のこりはいくつ ちがいはいくつ」指導アイデア
執筆/神奈川県公立小学校主幹教諭・八田安史
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・斎藤一弥
目次
本時のねらいと評価規準
(本時1/7時 のこりはいくつ)
ねらい
求残の場合についての、減法の意味と式の表し方。
評価規準
減法の場面で半具体物を用いて、答えの求め方を考えようとしている。

もんだい
のこりはなんびきになりますか。


水槽に金魚が泳いでいますね。金魚は全部で何匹いますか。
5匹です。
5匹がこの水槽だと狭いですね。
何匹か別の水槽に移せばいいと思います。
何匹移しますか。
1匹だとさびしいから2匹。
そうですね。では2匹移します。
学習のねらい
のこりはなんびきか、おはなしにあわせてブロックをうごかそう。
見通し
「あわせていくつ」のときと同じように、ブロックを金魚の上に置いてみよう。【方法の見通し】
置いたブロックを水槽から取り出せばよさそうだよ。【方法の見通し】
自力解決
A つまずいている子
「のこり」がどこか分からないでいる。
B 素朴に解いている子
絵を見て、3匹数えている。
C ねらい通りに解いている子
ブロックを使って5から2を取っている。
学び合いの計画
「のこり」がどこか分からないでいる子がいます。「のこり」がどこかを判断することがとても大切です。学習の進んでいる子だけの意見を取り上げて、「ここが残りだね」と進めてしまうのではなく、全員が納得して進めるように丁寧に確認する必要があります。
例えば「のこり」がどこかをワークシートに囲ませて、 なぜそこが「のこり」なのかを隣の子に説明する時間をとるなどして共有できるようにします。
また、ブロックを置いた後、どのように操作するか、その操作をどのように言語化するかがポイントになります。この後に「ちがいはいくつ」も「取る」という操作によって「同じ」ひき算とみます。「取る」という操作を言葉として板書に残しておくことで、先の場面でも子供が気付けるようにしておくことも大切です。
ノート例

全体発表とそれぞれの考えの関連付け
C1 網に入っていないブロックは1・2・3と、3つあります。

C2 取ったほうを裏にすると分かりやすいです。

C3 この5つのブロックから、2つ取ると3つブロックが残ります。

C4 C2とC3のを合わせたらいいと思います。

残りは何匹でしたか。
3匹です。
どうしてそうなるのか、ブロックで説明できますか。
C1:網に入っていないブロックは1・2・3と、3つあります。
C2:取ったほうを裏の白色にすると分かりやすいです。
C3さんは、ブロックを取り出して並べて考えていましたね。
C3:こうやって取り出して並べて、2個取ると、 残りは3つになります。
取ったものを裏の白にすると、もっと分かりやすいと思います。
なんだか、たし算のときと似てる。たし算のときもブロックを並べたね。
たし算と似ているというか、逆な感じ。
たし算と似ていたり、逆のようだったりというのはどういうことでしょう。近くの人と話してみましょう。
たし算のときみたいに、ブロックを並べると見やすいね。
たし算のときは「ガッシャン」と合わせたけど、取ってるから矢印が逆だね。
評価問題
てんとうむしが4ひきいます。1ぴきとんでいってしまいました。のこりはなんびきになりますか。
子供に期待する解答の具体例
4つのブロックから、1つ取ると3つブロックが残ります。だから、残りは3匹です。

本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
減法の場面についてブロックを用いて、答えの求め方を説明することができる。
感想例
「のこり」についてかんがえました。ブロックをつかうと、わかりやすくなりました。たしざんのときとは、ブロックをならべてうごかすことがにていて、とっているから、やじるしがぎゃくでした。
イラスト/松島りつこ・横井智美
『教育技術 小一小二』2020年6月号より