小4社会「国際交流に取り組む大田区」指導アイデア

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執筆/東京都公立小学校主幹教諭・向井隆一郎
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都教育庁指導部義務教育指導課・秋田博昭

小4社会「国際交流に取り組む大田区」指導アイデア
イラストAC

目標

国際交流に取り組む大田区の様子について、都内における位置や自然環境、人々の活動や産業の歴史的背景、人々の協力関係などに着目して、地図帳や各種の資料で調べ、関係図などにまとめることを通して、大田区の特色を考え、人々が協力し、特色あるまちづくりや観光などの産業の発展に努めていることを理解できるようにする。

学習の流れ(10時間扱い)

問題をつくる(2時間)

○大田区で行われている国際交流イベントの様子を調べ、疑問に思ったことを話し合う。

学習問題
大田区では、外国の人と誰がどのような交流をしているのだろう。

○学習問題に対する予想を基に、学習計画を立てる。

下矢印

追究する(6時間)

○大田区の取組(国際姉妹都市、交流イベント、外国人住民の支援など)を調べる。(2時間)
○市民団体や大田区民の取組(多文化共生推進センター「micsおおた」などでの活動等)を調べる。(2時間)
○外国人住民の取組(国際都市おおた大使「来~る大田区大使」等)を調べる。(2時間)

下矢印

まとめる(2時間)

○大田区の国際交流について調べたことを関係図にまとめる。
○関係図を基にして、学習問題に対する自分の考えをまとめ、大田区の国際交流の特色について話し合う。

導入の工夫

大田区で行われた「ジャパンデイ」の映像を基に話し合うことで、「大田区ではどのような国際交流の取組をしているのだろう」という問いをもち、主体的に追究できるようにします。

問題をつくる(1、2 / 10時間)

大田区に関する資料(写真、映像、グラフなど)から読み取ったことを基に、疑問に思ったことについて話し合います。

第1時

大田区で行われた「ジャパンデイ」の様子が分かる資料を見て、どのようなことを感じたのか話し合ってみましょう。

多文化交流会「ジャパンデイ」の概要
○ 外国人区民の増加を受け、外国人・日本人相互の多文化理解を推進する目的で、平成25年度から大田区が開始したイベント。
○ 様々な日本文化(もちつき、茶道、お正月遊び、獅子舞など)を、外国人と日本人が一緒に参加して体験し、交流促進を図っている。
○平成27年度までは、会場で防災訓練を開催していた。

もちつきをする外国人
日本文化の体験(もちつき)をする外国人
防災訓練に参加する外国人
防災訓練に参加する外国人

大田区では、「ジャパンデイ」というイベントが行われていて、多くの外国人が参加しています。誰が、なんのためにこのイベントを始めたのかな。

外国人がもちつきに参加しています。ほかにも日本の文化を体験できるようになっているので、大田区へやってきた外国人と交流することが目的なのかな。

「ジャパンデイ」の会場では、防災訓練も行われたことがあるんですね。外国人も参加しているということは、大田区に住んでいる外国人たちなのかな。

「ジャパンデイ」には、たくさんの人たちが参加しています。いつからこのような取組をしているのかな。ほかにも外国人との交流イベントがあるのかな。

学習問題
大田区では、外国の人と誰がどのような交流をしているのだろう。

追究する(7、8 / 10 時間)

外国人住民が行っている国際交流の取組を調べます。

多文化共生の様子を捉える工夫

「来~る大田区大使」の取組を調べ、大田区に住んでいる外国人が大田区のよさ
を発信していることの意味を考えることで、外国人住民も大田区民の一員であ
り、一緒に大田区のまちづくりに参加していることを理解できるようにします。

第8時

※第7時では、「来~る大田区大使」の取組を調べる。

「来~る大田区大使」の取組

大田区の魅力をPRする外国人住民
大田区の魅力をPRする外国人住民

・大田区に住む外国人が、SNSなどを使って大田区の魅力を国内外に発信します。
・大田区は住みやすくてきれいな街です。観光スポットがたくさんあるので、もっと知りたいです。大田区の魅力をいろいろな人に伝えたいです。

大田区に住む外国人が「来~る大田区大使」として大田区の魅力を発信するのは、どうしてだと思いますか。話し合ってみましょう。

外国の人は、大田区の住民の一人として、ほかの外国人に大田区の魅力を知ってもらったり、楽しんでもらったりするために宣伝をしているのだと思います。

ほかの外国人にも大田区を楽しんでもらいたいと思ったのだと思います。だから、自分が住んでいる大田区の魅力を紹介しているのだと思います。

大田区で生活をして、その魅力にとりつかれたのだと思います。大田区の人だけじゃなくて、外国の人も大田区のために、いろいろな取組をしているのだなと思いました。

外国人住民の取組を調べるとともに、大田区のよさを発信していることの意味を考えることで、外国人も「まちづくり」に参加しているという大田区の国際交流の特色に気付くようにしていくことが大切です。

単元づくりのポイント

国際交流が変化している様子を見せる

県内の特色ある地域として、国際交流に取り組んでいる地域を取り上げる際には、姉妹都市交流や外国人との国際交流イベントなどの取組を扱うことが考えられます。その際には、区市町村や市民団体、住民など、さまざまな立場の人たちが国際交流活動を行っていることを捉えることができるようにすることが大切です。

また、本実践で扱った大田区では、国際交流の取組が「姉妹都市交流」→「外国人住民への支援」→「多文化共生のまちづくり」と変化しています。このように国際交流が変化している地域を教材化することは、子供がグローバル化する社会の様子を捉え、世界の国々との関わりへの関心を高める学習の充実につながる大切なポイントです。


イラスト/横井智美、佐藤雅枝

『教育技術 小三小四』2020年3月号より

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