小3体育「ベースボール型ゲーム」指導アイデア
執筆/滋賀県公立小学校教諭・杉澤大輝
編集委員/前スポーツ庁政策課教科調査官・高田彬成、滋賀県公立小学校教頭・内藤康司
目次
授業づくりのポイント
ベースボール型の学習は、基本的なボール操作(打つ、捕る、投げる)とボールを持たないときの動き(ボールの飛球方向に移動する、全力で塁走する)を身に付けることをねらいにしています。また、ランナーが塁に着くよりも先にアウトゾーンに送球し、どのように進塁を阻止するかが、作戦を考えるうえでの課題となります。
そこで本実践では、単元前半で攻撃に必要な「打つ」動作を身に付けるための学習を行い、単元後半では、守備側がボールを捕った後、どこでアウトにすると得点を少なくできるかを考え、チームの作戦としてゲームを行えるようにします。
単元計画(例)
※前半は、得点をたくさんとることを楽しみ、後半は守りの作戦を考え、得点を防ぐことを楽しんでゲームを行います。
楽しむ① ゲームのなかでたくさん得点がとれる方法を見付けよう
たくさん得点をとるためには、できるだけボールを遠くに飛ばしたり、ねらった所に打ったりすることが大切です。
そこで、「ぶんぶん体操」で打つときのボールを置く位置やスイングする際の体の使い方を学び、身に付けた動きを「ホームランゲーム」で試していきます。
「ラケットベースボールゲーム」では、対戦チームとゲームを行い、アウトになるまで全力で走って、たくさん得点をとることを楽しみます。
気持ちよくスイングしよう
ぶんぶん体操
ホームランゲーム
ルール
・チームごとに1人3球ずつ打つ。
・ボールが打てたら1点。壁までゴロで届いたら2点。壁までフライで届いたら3点。コーンに当たったら5点。
・毎時間、チームで何点取れたか記録を残す。
メインゲーム① ラケットベースボールゲーム
【ルール】
・4~5人でチームを構成。テニスラケットやバットを使う。
・バッターが「打つよ」と声をかけ、守備が「オッケー」と応えたらスタート。
・攻撃側の全員が打ったら攻守交代。1ゲーム、2回の攻防で得点を競う。
〈攻撃〉
・役割を決めて攻撃をする(1番が打者とすると、2番は待機、3番は3塁、4番は2塁、5番は1塁ランナーとなる。4人チームのときは、待機する人はなし)。打撃とともに全員スタートして、守備チームがアウトのコールをするまでにホームに到達した人数が得点。それぞれローテーションして、全員が打つまで攻撃を続ける。
・バットで打った場合は、得点が2倍。
・ラケットやバットをラケット置き場に入れないと0点。
〈守備〉
・ケンステップで守る位置を決める。バッターが打ったらケンステップから出て、ボールを捕りに行く。
・最初にボールを捕った人の所に全員が集まって手をつないで円になり、座って「アウト」とコールする。
楽しむ② 守りの作戦を考えて、ゲームを楽しもう
イラスト/栗原清、横井智美
『教育技術 小三小四』2020年3月号より