小3道徳「届けたい」指導アイデア
執筆/山形県公立小学校校長・佐藤幸司
目次
4文字の資料提示

一年間の最後、35時間目の道徳は、たった一つの短い言葉を使った授業に挑戦してみましょう。まず、黙ってこの文字「届けたい」を黒板に貼ります。子供たちの間から「届けたい…」という声が聞こえてきます。
「届」は、六年生で学習する漢字です。でも、読める子が何人かいます。子供の声(つぶやき)を拾って、「こんな難しい漢字、よく読めたね」と返します。届けたい―。たったこれだけの短い言葉から、子供たちは何を思うでしょうか。
「自分なら?」を問う
「届けたい」の読み方とその意味を確かめてから、子供たちに問いかけます。
「あなたは、だれに、何を届けたいですか」
「だれに?」の問いに対する子供たちの答えは、「友達・家族・外国の人たち」などに分けられます。届けたいものの中身は、「言葉・気持ち・元気・平和」など、さまざまな答えが出されるでしょう。
子供の意識は、友達から家族へ、そして、世界中の人々へと広がっていきます。全員の発表を終えたら、「質問タイム」を取ります。「もっと知りたいこと、詳しく教えてほしいこと」を出し合って、意見交流を深めます。
次に、自分たちが考えた「届けたいもの」を一つの言葉でまとめてみます。この思考により、それぞれの「もの」に共通する願いが見えてきます(子供たちは、「幸せ」という言葉でまとめました)。