小3国語「もうどう犬の訓練」指導アイデア
教材名:「もうどう犬の訓練」(東京書籍 三年下)
指導事項:「C 読むこと」(1)エ
言語活動:ウ
執筆/香川県公立小学校教諭・藤井大助
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、香川県公立小学校校長・川井文代
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
本単元では、目的や必要に応じて、文章の要点に注意しながら読み、文章などを要約することがねらいです。紹介してみたい事柄についての思いや考えを手がかりとして、大事だと考えられる語や文を文章のなかから見付ける力を身に付けさせます。
そして、要約する目的に合わせて、言葉を補ったり、書き換えたり、省略したり、絵や図に表したりしながら、内容をまとめる要約力を身に付けさせます。
②言語活動とその特徴
「はたらく犬について紹介するリーフレットを作る」という言語活動を設定します。リーフレットは、1枚の紙を折って作ったコンパクトな表現物です。さっと手に取って内容を読んでもらえますが、たくさんの情報を載せることができないので、文章を短くまとめる力が必要です。
そこで、リーフレットに紹介したい内容を表現するために、内容を短くまとめる学習をします。そうすることで、楽しく要点をつかみながら要約する力を付けることができます。
単元の展開(12時間扱い)
主な学習活動
第一次(1~2時)
①教師から働く犬についての話や本の紹介を聞き、紹介したいことを短くまとめて伝える「はたらく犬リーフレットを作ろう」という学習課題を立てる。
②リーフレットの形式やそれぞれのページを書く内容を大まかに見通し、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び
第二次(3~6時)
③④大事な言葉や文に着目して、教科書の文章を短くまとめた例から要約のしかたを見付ける。
→アイデア2 対話的な学び
⑤⑥訓練の内容ごとに大事な言葉や文を確認し、リーフレットに書く文を、言葉を補ったり、書き換えたり、省略したり、絵や図に表したりしながらまとめる。
第三次(7~9時)
⑦⑧⑨本から、盲導犬についてさらに知りたくなったことや働く犬について知りたいことを集める。
第四次(10~12時)
⑩⑪調べて分かったことのなかから、自分の目的に合わせて大事な言葉や文を選び、言葉を補ったり、書き換えたり、省略したり、絵や図に表したりしながらまとめる。
→アイデア3 深い学び
⑫「はたらく犬リーフレット」を友達と読み合い、特に紹介したかったことや感想を伝え合う。
アイデア1 読みの目的を明確化する
「はたらく犬一覧表」を教師が作成し、ブックトークをして、本を読んでみたいという意欲を高めます。そして、リーフレットの形式を話し合います。
リーフレットの項目を話し合うことで、リーフレットの大枠をつかむだけでなく、どのような言葉や文に着目すればよいのかという読みの目的が明確になり、主体的に読む姿勢をもつことができます。
▼働く犬一覧表
◇もうどう犬 ◇かい助犬 ◇ちょうどう犬 ◇けいさつ犬 ◇さいがいきゅう助犬 ◇ま薬たん知犬 ◇ぼく羊犬 ◇りょう犬 ◇そり犬 ◇ほう問活動犬 ◇タレント犬 ◇ガイド犬 ◇店番犬 ◇パトロール犬 ◇セラピー犬 ◇ばく発物そうさ犬 ◇じらい犬
▼リーフレットの形式
◇名前
◇どんな犬か(犬のイラスト)
◇はたらく犬になるために
▼話し合いで決めたこと
◇はたらく犬なので
→「名前」「どんな犬か」「はたらく犬になる ためにすること」の項目でまとめる。
◇同じはたらく犬で
→さらに調べたくなった場合やたくさんのほかのはたらく犬を紹介したくなった場合は、別のリーフレットにまとめる。
アイデア2 読み比べながら話し合う
「どのように、要約すればよいのだろう」という子供の課題から、「教科書の文章」と「要約文」を読み比べ、要約のしかたについて話し合います。
見付けた要約のしかたを一覧表に整理することで、それぞれの要約がどんな言葉や文に着目して、どのように要約されているのかということを捉える学習ができます。
▼教師が提示した要約文
イラスト/横井智美
『教育技術 小三小四』2019年11月号より