「作家の時間」教室環境を工夫しよう
連載|ayaya先生のすてきやん通信
書く活動をワークショップ形式で取り組む学習法「作家の時間」。今回は、子供が自然に書きたくなるような「教室環境」の工夫についてお伝えします。Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生イチオシの実践です!
執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香
■「作家の時間」はじめてみませんか
■「作家の時間」を面白くする二つの工夫
■「作家の時間」はじめてのレッスン ~魅力的な人物を考える~
■「作家の時間」2回目のレッスン ~中心人物の悩みや課題と事件をつなげよう~
■「作家の時間」3回目のレッスン ~事件の解決を考えよう~
■「作家の時間」4回目のレッスン ~物語の冒頭を工夫しよう~
■「作家の時間」5回目のレッスン ~比喩表現を使おう~
■「作家の時間」書きたくなる原稿用紙とは
目次
教室環境の工夫で「書きたい気持ち」が盛り上がる!
「作家の時間」を楽しく継続していくためには、
- 教師の言葉かけ
- 児童同士の認め合い
- 教室環境
この3つが重要だと考えています。
今回は、その中から「教室環境」についてお伝えします。先生の工夫次第で、多くの児童に自然と「作家の時間」のおもしろさを届けることができます。次のことをぜひ参考にしてみてください。
①学級文庫
学級文庫は、子供たちが言葉をインプットする辞書のようなものです。そのため、作家の時間に活用できるように、次のような本を置いています。
また、作品づくりに欠かせないのが、挿絵を描く力! イラスト本はいつでも大人気です。
②ブックスタンド・マガジンラック
本が前向きに置かれていると、表紙がよく見えて、本を手に取りやすくなります。
さらに、出版した本を新刊から順に並べると、子供たちが友達の作品に興味を示して、読書をする量も増えます。
③付箋
子供たち同士で、気に入った作品にファンレターを書くために、付箋を使います。
書きたいと思ったらすぐに手に取れるように、作品のすぐ近くに置いておきます 。付箋に書いたファンレターは、作品の裏表紙に貼るようにしています。
④原稿用紙ボックス
原稿用紙は、先生に言ってからもらうシステムではなく、自分が使いたいレイアウトのものを自分で選んで、いつでも取れるようにしています。そうすることで、より作品への思いも強くなります。
子供たちが選びやすいように、多くの種類の原稿用紙を1つのボックスへ収納しています。
⑤人気作品の見える化
出版された作品がすぐに分かったり、ファンレターの多い作品を人気作品として紹介するために、掲示板を活用します。
これまでに行ったのは、
- 模造紙に作品カードと付箋を貼る
- 印刷用紙に作品カードと付箋を貼って、ファイルに綴じる
という見せ方です。
どちらも、模造紙や印刷用紙が増えていき、子供たちの頑張りが見える化できる取り組みとなりました。
書くことが楽しくなり、友達の作品を読みたくなる教室環境づくり、是非試してみてください!
次回は、「表紙と奥付」についてお伝えします!
樋口 綾香
ひぐち・あやか。Instagramでは、ayaya_tとして、♯折り紙で学級づくり、♯構造的板書、♯国語で学級経営などを発信。著書に、『3年目教師 勝負の国語授業づくり』(明治図書)ほか。編著・共著多数。
■「作家の時間」はじめてみませんか
■「作家の時間」を面白くする二つの工夫
■「作家の時間」はじめてのレッスン ~魅力的な人物を考える~
■「作家の時間」2回目のレッスン ~中心人物の悩みや課題と事件をつなげよう~
■「作家の時間」3回目のレッスン ~事件の解決を考えよう~
■「作家の時間」4回目のレッスン ~物語の冒頭を工夫しよう~
■「作家の時間」5回目のレッスン ~比喩表現を使おう~
■「作家の時間」書きたくなる原稿用紙とは