小5体育「走り幅跳び」指導アイデア【陸上運動】
国立教育政策研究所教育課程調査官の監修による、教科指導のアイディアと授業のヒントをまとめた指導計画例です。次時の授業にお役立てください。
執筆/広島県公立小学校教諭・河野紘範
編集委員/国立教育政策研究所教育課程調査官・高田彬成、広島県公立小学校校長・平岡弘資
目次
授業づくりのポイント
今回の走り幅跳びでは、その行い方を理解するとともに、試技の回数や踏み切りゾーンの設置などのルールを決めて競争したり、自己の記録の伸びや目標とする記録の達成を目指したりしながら、リズミカルな助走から力強く踏み切って跳ぶようにすることを目標にします。
授業づくりのポイントは2 つあります。1つ目は、課題発見・解決型で単元構成することです。学習を通して、助走・踏み切り・空中姿勢・着地の4 つの動きから自己の課題を見付け、試行錯誤しながら課題解決できるように、それぞれの課題に応じた複数の場を準備するなどの工夫をするとよいでしょう。
2つ目は、子供相互で観察する際の視点の明確化です。友達との教え合いは子供の思考を伸ばすことにつながります。その際、教師がどの動きに絞って観察し合うのかを明確にしておかなくてはなりません。また、観察する動きについてICT 機器を活用して確認すると、イメージもわきやすく、アドバイスの質も向上していきます。
単元計画の例(全7時間)
やってみる
ここではまず、正しい計測の仕方や記録計測の役割分担など、円滑に学習を進めるために必要なことを決めておきます。また、立ち幅跳びの記録から目標記録を決めることで、個に応じためあてで学習を進めることができます。
子供自身が自分の動き等の課題を見付けるために、正しいフォームの図や子供の動きを録画するタブレットなどの活用が有効です。これらの活動は子供の思考力の向上にもつながります。
また、グループ学習を通して、同じグループで子供相互が課題解決に取り組むことで、さらに思考力や表現力が高まります。
チャレンジタイム(課題発見・学習を試す場)
助走・踏み切り・空中姿勢・着地のどれかに絞って観察することが大切です。タブレットで撮影して、動きを確認してみよう!
レベルアップタイム(助走・踏み切り)
踏み切り足を決めて、1 歩目を踏み切り足からスタートするといいよ。
助走はリズムが大切! 3 歩→ 5 歩→ 7 歩→ 9 歩と、少しずつ伸ばしていきましょう。
レベルアップタイム(踏み切り・空中姿勢・着地)
空中姿勢を確認してみよう。
着地の姿勢はどうかな?
ふかめる
ここでは、自己の課題解決に向けて、さらに動きの質を高めていく学習です。その際に注意したいことは2 つあります。
1 つ目は、「観察し合う視点」を再度徹底しておくことです。練習の場の数が多くなると具体的なアドバイスをすることが難しくなります。「観察し合う視点」に基づいた子供相互の質の高い関わりができるようにすることが大切です。
イラスト/たなかあさこ
『小五教育技術』2018年5月号より