小4外国語活動「曜日クイズ」の指導のポイントを教科書編集委員が解説!
何度も扱っているのに曜日の言い方を覚えられない子はどうすれば? 「曜日クイズ」を効果的な学習とするには? これらの疑問に、小学校外国語科検定教科書の編集委員でもある神奈川県公立小学校の長沼久美子先生が答えてくれました。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・長沼久美子
目次
Q1 何度も授業で扱っているのに曜日の言い方を覚えない子がいます。どう指導したらよいでしょうか。
A.無理に暗記させなくてよいです。
SundayからSaturday(またはMondayからSunday)まで、「曜日の歌」を歌っているときにはすらすらと言えても、木曜日を“Thursday.”とピタリ即答できる子供は少ないのではないでしょうか。子供たちの多くは、英語での曜日や日時を、低学年の「とけい」の学習のように、何度も使いながら覚えていくようです。
「この単元は3時間の中で覚えさせなければいけない」というものではありません。
好きな曜日を伝え合う学習では、メモを見ながらでもよいですし、分からなかったら友達や先生に聞いたってよいのです。
重要なのは、「やってみたい」と思う気持ちを育てること。伝え合う場面では、何度も聞かれるのは当然という気持ちで授業に臨んでみてください。
Q2 「あなたの一週間の予定を入れて曜日クイズをしよう」では、予定がないという子に対してどのような指導をすればよいでしょうか。
(『Let’s try2』P.12・13)
A.習い事やどこかに出かける予定だけでなく、家でやる事、友達と遊ぶ、見たいテレビ番組など、どんな予定でもよいとすれば、個性あふれる曜日クイズができます。
習い事をしておらず、友達と遊ぶと予定ばかりになる子供もいると思います。全然OKです。
ここでは、クイズを通して、英語の曜日を自然に口にすることがねらいです。だから、
“I play ○○ with my friends.”
の ○○ のところだけ変わっていれば、毎日の予定が友達と遊ぶ約束だとしても、クイズを聞く学習として成り立ちます。友達のことを知ることができるクイズなので、単調な内容となっても、子供たちはよく耳を傾けます。お家では、どんな遊びをしているのか? どんな生活で、どんな予定があるのか? 学級の仲間について、多少なりとも気になり、興味を持って聞くからです。
予定をすらすらと書けない子供には、
どんな予定でも大丈夫だよ
と温かい言葉をかけたり、
昨日は、何をした?
それは、英語で○○って言うよ
などと、声をかけてあげたりあげましょう。
Q3 メモを英語で書きたがります。英字をしっかり覚えていない状態でも、書かせていいですか。
A.文字への興味が出てきているということです。ぜひ、書かせてあげてください。
文字への興味が出てきたころの子供たちのメモを見ると、日本語と英語、ローマ字が混在していたり、大文字と小文字が混在していたりすることがあります。
大人から見ると、間違って覚えたら大変だから「直させよう」とか「消させよう」とか思うかもしれません。しかし、まだメモの段階です。4年生はまだ、こまめにチェックしてあげればよく、完璧に直させる必要はありません。カリキュラム上でもそうなっています。
もし子供が
この単語はこの書き方でよいですか?
と聞いてきたら、正しいものをさっと教えてみましょう。
文字への興味が出てくる時期はそれぞれです。表記のミスを温かく見守ってあげてください。外国語活動が嫌いにならないように、英語嫌いにしないように、言語に対する意欲を育ててあげてほしいと思います。
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長沼久美子
神奈川県公立小学校教諭。小学校英語教科書CROWN Jr. 編集委員。
(イラスト/本山浩子)
イラスト/横井智美