小3国語「自然のかくし絵」指導アイデア
教材名:「自然のかくし絵」(東京書籍 三年上)
指導事項:C読むこと ア、ウ
執筆/香川県公立小学校教諭・横山多美子
編集委員/文部科学省教科調査官・菊池英慈、香川県公立小学校校長・川井文代
目次
単元で付けたい資質・能力
①身に付けたい資質・能力
第二学年までに獲得した、順序に気を付けて文章の内容を読み取る力に加え、本単元では、目的に応じて中心となる語や文を捉えて段落ごとの内容を読むことがねらいです。
生き物の身の隠し方を読み取るために、大事な語や文に着目し、段落ごとの要点を捉え、読みを深めていく学習になるようにします。
②言語活動とその特徴
教材文から説明のしかたを学び、内容の中心を捉えて、お気に入りの生き物の身の隠し方を紹介するという言語活動を設定することで、主体的に段落ごとに内容を捉えて読もうという意欲をもたせます。
この教材文は、昆虫の身の隠し方を3つの例を中心に説明しているという特徴があります。子供たちがどのように紹介したらよいかを考える際、それぞれの例の述べ方を比較して読み取っていきます。
そうすることで、目的に応じた大事な言葉や文に着目し、段落ごとに内容を捉えて読むことができます。
また、説明する際に、どのような説明のしかたが分かりやすいかということも考えることができます。
単元の展開(10時間扱い)
主な学習活動
第一次(1~2時)
①題名や扉の写真から「自然のかくし絵」について話し合い、保護色について書いてある一、二段落を読み取る。
②身を隠す生き物についてのブックトークや教師からの身を隠す生き物の話を聞き、身を隠す生き物を紹介したいという意欲をもち、学習計画を立てる。
→アイデア1 主体的な学び
第二次(3~7時)
③④⑤筆者が事例として挙げている三種類の昆虫の身の隠し方について、大事な言葉を選んだり、それぞれの述べ方を比べたりしながら三~七段落を読み取る。
→アイデア2 対話的な学び
⑥八~十二段落を読み取る。
⑦文章全体の段落の関係や構成について考える。
第三次(8~10時)
⑧⑨「自然のかくし絵」から分かりやすい説明のしかたを考え、自分のお気に入りの生き物の紹介文に生かせる書き方を学ぶ。
→アイデア3 深い学び
⑩友達と交流し、感想を伝え合う。
アイデア1 わくわくを生む言語活動の設定
ブックトークで「上手に身を隠す生き物の本を読みたい」という意識が高まったところで、教師が身を隠す生き物の紹介をします。学習活動のモデルを提示した後、「皆さんも友達に紹介してみませんか」と提案することで、意欲が高まります。
そこで、自分のお気に入りの生き物の身の隠し方がよく分かるような紹介をするために、教材文で説明のしかたを段落ごとに読んで学ぼうという目的意識をもたせます。
ぼくもお気に入りの生き物を見付けて分かりやすく紹介したいな。「自然のかくし絵」では、どんな説明のしかたかな。
アイデア2 大事な言葉を考える
第二次では、「どのような身の隠し方をしているのだろう」という疑問の答えを見付けて、その答えを表に整理することで、身の隠し方の要点を捉える学習ができます。
また、身の隠し方を「術」として名付けることで、まとめる言葉を考える力を養います。そして、まとめるために大事な言葉は何かを全体で話し合うことで、比べて考える力を育てます。
イラスト/やひろきよみ、横井智美
『教育技術 小三小四』2019年5月号より